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絵本『だれでものいえへ』ongoing project vol.11

冊子を販売できる何かにしたいと思った


『こども食堂のことを周知する冊子』を作るというお仕事をいただいた時、思いついたのは『販売できるものにしたい』ということでした。
どうしてかと言うと『こども食堂』のための『食材』を買うお金を作りたいから。

こども食堂は、こどもたちの現状にリアルに危機感を持っている大人たちのボランティアによって運営しているところがほとんどだけど、それだけでは補いきれないのが『食材』です。(ここでは話をわかりやすくするために、だいぶ話を単純化させています)
心あるひとたちからの食材の寄付はあるけれど、食材はいくらあっても足りないのが現状。
もっとお金があれば、もっとお肉を入れられたり、もっと食堂の回数を増やせたりする。

お金には色々な側面があって、くだらないことに使ってしまえばくだらないだけの話で終わるけれど、大切なことに使えば人の命を助けるような命の種になることもできますよね。
何かを作って利益を出して、それを『こども食堂』のために使えば、これほど生きたお金の使い方ってないんじゃないかな。
100円を、こどもが食べる暖かいご飯にしたい。

では、どうするか、、、。
そもそもの目的となる『こども食堂の周知』をしていくのと同時に、買ってくれるひとに喜んでもらえるものを作る、、、。
『周知』しながら同時に、『売れるもの』、、、、。

最初に思いついたのは、絵描きがたくさん参加して作るポストカードブックでした。
描く内容は、ある切り口で描く子どもの未来像。
それが作れなかったのは絵描きの側に『誰に描いてもらって、誰に描いてもらわない』という線引きが生まれるという意見があったからでした。
その時は確かに、、、と思いました。
世の中には越えられない線というのが無数にあって、こども食堂の活動自体が、こどもたちの前に立ちはだかるように引かれた線を越えるための活動なのに、絵描きのほうに線を引くようなことは違うのではないか、、、?
それで、ひとりの絵描き(わたし)でひとつの絵本を作るという方向になったのですが、ポストカードブックの案は、もうひとひねりすれば、また生きてくると個人的には思っています。それもこの先、こども食堂のために実現したいな、、、。

絶対に必要だと思ったのが『編集者』

そして絵本に決めたからには、絶対に必要だと思ったのが『編集者』です。
『編集者』に、どのように、何を準備して仕事を依頼したら良いのか。これについては、とある出版社の社長が大きなアドバイスをしてくれました。
この出版社さんとはリアル店舗を持っていたときのご縁で、今までにも色々相談に乗っていただいたり、一緒にイベントをさせていただいていました。
このアドバイスを欲しいと言ったのは、我ながら畏れ知らずというか、不躾と言われても仕方ないかもしれない。
でも、絵本を作ることを実現するためには、その畏れ知らずさが必要だと思いました。(もちろん畏れ知らずであっても、礼儀を大切に失礼のないように心をこめて)
事情と想いを説明すると、社長は惜しげなく、アドバイスをくださったのでした。

そして社長からのアドバイスでお願いことを組み立てて、以前一緒にお仕事をしたことがあるとはいえ、尊敬する編集者土井章史さんのところに行ったのは、我ながらだいぶ無茶だったと思います。
この時も、事情と想いを伝えて、土井さんに仕事を受けていただくことができたのでした。

なぜ、出版社さんや土井さんが、アドバイスをくれたり、仕事を受けてくれたりしたのか。
そのことを、いつまでも大切に忘れずに、この先恩返ししていけるように、がんばりたいと想います。

主人公を描く

さて、そこから先ですが『売れる』ものになるには、まずは見た目が『かわいい』とか『きれい』じゃないとダメですよね。
それで最初に作ったのがこちら、主人公の『こどものおばけ』です。
土井さんが『かわいい』と言ってくれたので、可愛さはクリアしたと思います。
みなんさん、どうです?かわいいですか?

最初に描いた『おばけ』
本番用に描き直しています

さて、ここからとうとう絵本の制作が始まります。
つづく
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2024/10/02
ペレカスブック新井由木子
記事の制作公開は、編集者土井章史さん、クライアントこども応援ネットワークPineさんのご了解をいただいています。
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リアタイでは50匹いる『おばけ』の整理のために
それぞれにゼッケンをつけたりしてました
でも今では50匹それぞれが頭の中に沁み込んで
ゼッケンなしでも居場所がわかるようになった

記事:ペレカスブック店主イラストレーター・デザイナー:新井由木子
ペレカスブックは埼玉県草加市の小さな書店。
実店舗は2023年5月にクローズ。新店舗を持てるように奮闘中です。

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