児童書『おそうじをおぼえたがらないリスのゲルランゲ』/紹介
11匹兄弟の末っ子、小さなリスのゲルランゲは掃除が嫌いで怠けてばかり。とうとう家を追い出されたゲルランゲだったが、「ぼく、ごはんなんかいらない。野宿をしたっていい。オオカミにたべられたっていい。でも、ぼく、おそうじはおぼえたくないや」と意地を張る。すると、本当にオオカミにつかまってしまい・・・・・・。
読んであげるなら:5・6才から
自分で読むなら:小学低学年から
ゲルランゲの突飛な理屈に翻弄されるオオカミたちが愉快。キツネ、アナグマ、フクロウたち脇役の性格もユニークに描き分けられているが、ゲルランゲの屁理屈をちゃんと受け止めてしまう点はみんな同じで、そこが楽しい。ユーモアたっぷりで、初めから終わりまでクスクス笑える。躍動感ある明るい挿絵も魅力的。
「ぼく、たべられてもいいんです、オオカミさん。でも、おそうじはおぼえたくありません。」
オオカミは、あんまりびっくりしたので、大きな口を、またしめたくらいでした。オオカミは、子リスをよくよくながめてから、耳をぽりぽりかきはじめました。
「このはなしは、わしにはややこしすぎる」ようやく、オオカミはいいました。