千と千尋体験がしたくて岐阜下呂温泉にバイトしに行った話♨️
ここでお伝えする千と千尋体験とは、
・全く知らない土地に飛び込み温泉旅館で働きながらその土地の文化を知り、生活に馴染む
というものです♨︎
大学2年生の時に、リゾートバイトで岐阜県の下呂温泉の老舗旅館へ仲居さんのバイトをしに行きました。
日本三大名泉の地ということで、せっかくなら歴史のある地がいいなと思いダーツの旅的な決め方で下呂へ。
当時はお金もなかったので、働きながら旅をすれば一石二鳥では?くらいに思っていたのも事実です。北海道を飛び出し、全く知らない、どこだそれ!!という場所へいざ出発!
名古屋から下呂に着くまで渓谷を走り抜け、この先本当に人が居るんだろうか…と思う道のりを電車で約2時間。下呂に着いた瞬間、山々にズモモモと囲まれていてすぐに出られない魔境に迷い込んだ気分でした。親元の北海道を離れ、心の底から湧き立つ自由になれたような高揚感や無敵感に酔っていました。
温泉街ということで、街ゆく人々はほとんど観光客で普段の生活から離れて現実逃避をしている笑顔に見えました。(当時は妙に幸せそうに見えていた)この賑わいと、山里の風情が調和しています。
働き先に着いて渡されたのは念願の作務衣とタスキ!!!ベトナムから働きに来ていた女性スタッフさんが優しくタスキがけのやり方を教えてくれました。タスキをかけると姿勢が良くなる気がするのと気持ちもしゃきっとしますね。作務衣の方が動きやすいの不思議。
「はよしない!お客さん待たせてるで!」
元気な方言でリーダーらしきおばちゃんに呼ばれ、荷物を運んだり部屋を案内したりしました。
館内が複雑で自分も部屋の場所が分からないままとりあえず案内板を脇見して確認しながら堂々とご案内しました。
朝と夜の中抜けシフトで、中抜け中は寮で爆睡していました。そんな生活を繰り返していると昼の日差しが目に染みて、温泉街が眠っているように思えました。昼は下呂のお昼のお知らせメロディーを聴きながらウトウト😪
さっき寝たらまた仕事、身体はまどろみで重たく…の繰り返し。これが働くということなのか。
それでもたまには中抜け時間に観光をしないと
せっかくの岐阜旅が台無しになる気がしたので眠い目を擦りながら執念で街を散歩しました。
食べ歩きがほとんどでした。
郷土料理はまさにその土地を知るツールです。
高低差の隙間を階段や坂で縫っているような街並みに感じました。
坂も多いが足湯も多い!!!!!!!
至る所に無料の足湯があります!
穴場は夜!なぜなら観光客のお客さんは旅館で食事や温泉を楽しんでいる時間だから。静まった温泉街の明かりを見ながら足湯に浸かれます。私はこのすべてが寝静まった時間に1人で居るのが好きです。
こんな感じで中抜け時間を観光で謳歌しつつ、
バイトでは難しい漢字の料理を運んだり賄いを食べたりしつつ、1日あっという間に時間が過ぎていきます。
難しい漢字の料理は勿論高級な食材の会席料理で、『先付』『留め椀』『お凌ぎ』などお茶碗のご飯を出す際にも順序や名前があります。漬物のこと『香の物』なんて言うの知らなかった。というか、こういうご飯を食べる機会が人生でなさすぎた。教養の無さに情けなくなりました…
ツヤツヤと輝く飛騨牛や飛騨のブランド米の土鍋、贅を尽くした料理はまさに神様(お客様)のために用意されたものでした。
賄いはスタッフさんと一緒に食べたり食べなかったり。食事の時間は他のスタッフさんと関係を築く時間です。また、下呂という異世界で生き延びるための心の支えでもありました。下呂の方言の『〜やに!!』という柔らかい方言に囲まれ、新しい環境に適応し異なる背景を持つ人たちが同じ空間でお互いに協力して働くというまさしく地元に馴染む時間でした。
下呂の、床が畳の温泉や薔薇が浮いてるなどユニークな湯が多く温泉文化に感動しました。この街全体の湯脈と古くから愛されてきた温泉に想いを馳せます。
下呂最終日に、職場の仲居さんに『あんたは私の孫みたいなもんやさ!』と言われじんわり。せっかく出会えたご縁だけど、これからまだまだ下呂のことを知りたかったけど、北海道から来た私は全部から離れないといけない…寂しッ
年末年始で特に忙しい時期だったので、毎日へとへとになって体力的にしんどかったですが、職場の皆さんが優しくて本当に感謝しています!
___まとめ___
岐阜県下呂温泉、今度はお客さんとしてゆっくり訪問したいです!!!!!!
ほんまこれに尽きる。
歴史館とか湯めぐりしたい。
旅館バイト忙し過ぎて最後の方はほぼ記憶なし…
下呂は私にとって異世界で、湯けむりが立ち上る街並みが忘れられません!