見出し画像

21歳 利尻礼文へ女1人旅。漏らした。ハプニング大歓迎の旅。



北の果てに行きたいという不思議な欲求を持ってる人は全国にわりといるのでは説。
かくいう私もその1人で、大学3年生の時に北の果てを目指して利尻礼文に行こうと思い立ちました。
旅に出る瞬間はいつも、平凡な人生を自分で捻じ曲げてやるくらいに思ってます(笑)

名寄市から稚内市まで車で3時間半。
平成17年製の愛車プレオがぶっ壊れないかヒヤヒヤしながらフェリー乗り場到着。
晴れている稚内は珍しく、いつも曇ってて彩度の低い街、という印象が払拭されました。
フェリーは礼文島に向かって出航。

香深港という別の国の響きのような名前に慣れません。
島に着いてからは早速海鮮ラーメンで腹ごしらえ。

この、礼文島の周りの海を凝縮したような塩ラーメン!
雲丹、ほたて、海老、わかめ、ツブが贅沢に使われています。もはや海そのものを食べているんじゃないかと錯覚するほど。あくまで主役は海鮮、ただウニはウニだけで味わいたいな〜と思いました。

ほとんどノープランだったのでとりあえず島を歩くことにしました。
途中トイレがしたくなったものの周りにお店やトイレがある施設がなく、齢21歳にして普通に漏らしました。さすがにやばいと思って民家に駆け込むも玄関扉は少し開いてるのに返事が無かったりと焦りましたが、3軒目でおばあちゃんが受け入れてくれました。「どこから来たの〜?」と話しかけてくれるおばあちゃん。優しい。島民の優しさに触れました。

仕切り直して、再出発。
さらに島を歩き続けます。
途中、公園のような場所まで来たところで急に具合が悪くなり気持ち悪くなりました。
普段歩かないのに長距離を歩いて、その上漏らして、色々と疲れていたのでしょう。
机でうずくまっていると、島のおばちゃんが水とバナナをくれました。優しすぎる。大人からもらったこの優しさは、自分が大人になった時に次世代に同じことをすることでリレーしていこうと決意しました。

この日は、宿で1泊。

翌日は体力も回復しレンタカーを借りて澄海岬へ!北の果てとは当時の私の中ではここでした。
岩と岩の間から覗くブルーの海は神秘的で、人間が知らない場所にどれほどの絶景が存在するのか…と思わされました。風が、山肌のレブンアツモリソウをぶわぁぁぁっと揺らしていきます。花の浮島礼文島と呼ばれる所以が何となく分かりました。
もう1つ行きたかった岬があったのですが、宿の人たちに「あそこは風強くて車のドアもぎ取れるよ!」と言われて行くのをやめました(笑)

そして車を走らせ『桃岩』へ!
どうやら標高が低く初心者でも歩きやすい&山から海が見えるということで、細っこい山道を登り到着。遊歩道をほどよい息切れで歩きます。

山、花、海が一望できました!
標高は低く登りやすいのに景色がいい

鳥の目線になって礼文島を見渡せて感動しました。山、花、海が一望できるRPGのような光景。
山がそのまま浮いてるかのような島です。
標高が低く登山道はゆるやかで、風が強く島の鳥たちもじっと風の流れ読んでから飛び立つのが分かりました。この北の厳しい地で、どうやって生きようか植物や動物たちにも戦略があるようでした。
美しい、花の浮島礼文島。

宿の夕食!手作りフレンチに感動。素敵。乾杯!
ウニの色が驚くほどオレンジ(新鮮な証拠)

2泊目はぺんしょんう〜に〜さんへ。
ひとつひとつにこだわりを感じるお料理、接客、内装。家族のようにお客さんと近い接客で、お部屋も過ごしやすいように工夫されているのがひしひしと伝わるサービスがとても嬉しかったです。
おもてなしというのは確かに存在する概念だと確信しました。
夜ご飯のうにご飯は言わずもがな絶品です…。

うすゆきの湯から見えた利尻島

夕方は温泉に行き、夕暮れの利尻島を眺めます。
うっすら霞がかって幻のようです。
100円で使えるマッサージチェアから眺めた景色の中で過去最高に良かったです。

翌朝、利尻島に向かうフェリーの出航まで時間があったのでふらっと入った島の床屋で髪を切りました。さよならワイのDNA(髪の毛)。今までの辛かった出来事はここで一旦区切りをつけたつもりです。

カフェで休憩、パインケーキ🍍

島のカフェRU-WEさんでひと休み。何やら気になるタイトルの本が本棚にあるのを発見。
退屈なのは世界か自分か???
今の自分に刺さるタイトルでした。
(こういうのをセレンディピティって言うんでしょうか?)
海外に行った大学生たちの純粋な、旅から学んだ教訓などが書かれています。私はインドで毛穴という毛穴から汗が噴き出るほどの腹痛を経験したことはないですが、礼文島のバス停でガッツリ漏らして人としての尊厳を失ったことはある。旅は何が起きるか分からない。ハプニング大歓迎の旅のほうが記憶に残るし、台本のないドラマみたいでやはりおもしろく、やめられないのです。

利尻島到着!夏来にけらし。

フェリーに乗り利尻島へ到着!
利尻のほうが観光客が多い印象でした。
7月の磯の香り、忘れないだろうなぁ…

海がブルー!
沖縄行かなくても北海道に綺麗な海あったー!


嗚呼…こんな夏休みあったっけな(無い)

海がある生活が羨ましい。
海なし盆地育ち民です。

家と家の隙間からは青く輝く海が見えます。
合成かと思うくらい海がブルー。

静かな街。ガチで1人を完成させた気持ちです。

夜はレンタサイクルを借りて島を爆走してみました。島の生活に馴染むような感覚です。
ひたすら静かで、
夕焼けに向かってただひたすら走る。
無謀な旅がこれからもあってほしい。

夕日はレンズ越しに見るものではないですね。

利尻、来てしまった。
1人でここまできたという自由と高揚感と旅をしている自分に酔います。
go toトラベルで宿泊代が安かったので1棟コテージに1人で泊まったのですが、さすがに1人には広すぎて富豪になった気分でした。
(写真撮りたかったけど心霊系映ったら無理だったので撮りませんでした笑 ちなみに霊感は0のビビリなだけです)

島の居酒屋 力丸で夜ご飯

夜ごはんは地元の居酒屋さんでマグロをいただきました。引き締まった身とヘモグロビンを感じます。マスターが「1人旅?いいねえ‼️」と褒めて下さいました。
そういえば旅の間は人とほとんど話していなかったので、もう少し島の方とお話ししてみても良かったかもしれません。

あっという間の3日間!

翌朝、フェリーで稚内へ戻りました。
船が港から離れる時にカラフルな紙がどんどん離れていきます…!ありがとう、利尻礼文。
一度繋がった縁や思い出は、離れても確かに自分の中にある。思い出せないだけで、忘れないことは沢山ある。

いや〜利尻礼文気持ち良すぎました!
簡単に行ける場所じゃないので選定して本当に正解だったなと思います!
また道北に行く機会があれば行きたい。
帰りはオロロンラインを通って、海と風車を横目に帰ってきてそれも最高な時間でした。

島旅、END。

いいなと思ったら応援しよう!