アフリカ研究者が日本の美容院で働いてみる
普段は、七帝と呼ばれるうちのひとつの国公立大学で働いている、特に実績も業績もない若手の研究者、あぷしかまです。
研究者として、アフリカのガーナという国にフィールドワークに行って色々調べたり暮らしたりしていましたが、コロナの影響で現地に行くこともできません。そこで、日本でなにかやろうと思いました。
それで話が飛躍するのですが、ご縁あって、マンツーマンの美容院をしている知り合いのところで週1回、働き始めることにしました。急ですね。なぜ突然、アフリカから美容院なのか?
この美容院は、縮毛矯正技術を売りにしていて、オーナーが一人でやっていますが、お客さんが全国、いや世界から殺到していて、予約が2年取れません。その予約も、リピーターのお客さんだけで、新規のお客さんは受け付けていません。
そんな美容院、ありますか?あぷしかまは美容界のことはよく分かりませんが、たぶんそんな美容院、ぜんこくさがしても、そうそう無いんじゃないかなと思います。どこもクーポンを出したり、広告を出したりして、集客に必死なんじゃないでしょうか。でもオーナーのところは、広告もお断りだし、お店自体も、とっても小さな窓が一つとドアがあるだけで何のお店なのか外からはよくわからないし、集客なんて全然していないのです。でも、口コミと、オーナーの書くブログを自力で探してきた人たちで、あっという間に予約が2年分も埋まってしまったのです。
オーナー、何度もオーナーと呼ぶのも味気ないのでぼたんさんとしましょう、ぼたんさんは、「本物の技術があれば、何も心配はない。余計なことは何もしなくていい。やっていける」といつも言います。
それで、「本物の技術」ってなんだろう?それはどのように身につくのだろう?「本物の技術」と他の普通の美容師さんがやっていることは何が違うのだろう?と気になって、それを身近で見て、考えてみたいと思ったのです。いわば、アフリカではなく、美容院でフィールドワークしてみようと思ったのです。このノートはその記録です。主に次のことについて考えていきます。
・何かをできるようになるということ
・本物の技術とはなにか
・技術で食っていくということ