締結入門① クロスレンチを科学する。
①締結力
ボルトの締結にとって大事なのは「締めつけトルクT 」ではなく摩擦力
プロでもなぜ勘違いが多いのでしょうか ?
50%は座面での摩擦力
荒れた座面やハブ面では均一な摩擦力は得られません
締結に大事な摩擦面である、ハブフランジ側も磨きます。
②偶力
物体を移動させるはたらきはない.しかし偶力には物体を回転させるのみの、はたらきがある。
図1、偶力のモーメントMo=F1(力)×L(アームの長さ)
偶力は、T字レンチ軸先(矢印)を支点にして、力のモーメント Mo (回転)をボルトやナットにトルクTを発生する。この値(力)F1、一定であれば,物体のどこに作用してもその効果はかわらない。
昔 学校で持たされた トルクレンチ 直読式 かつ両手ハンドルでゴツイものでした。これよりもっと 弓のような形でした。力が入ると置針が値を指すのです。 (力の動きが針で目視できるので、オーバートルクにはならない)軸もブレないので学生でも値にミスが無い。
実際ハンドルを握ってギュッと締っていくのが、感じられます。その時が正しい値。ボルトを再利用すると首が伸びるので、数値は二の次。
弾性限界点が=クロスレンチが噛み込む感覚=適正値
次回②に続きます。
製品技術の側面だけでなく、その使われ方や生かし方を問う技術の側面も十分、改善する余地があります。現場でホイールに組み込んで車体へ装着した時に初めて完成品となるタイヤ。買っても何処で組み込んでも、同じようにはならないのです。
参考
ねじが正しく伸縮できる「弾性域」
既存のねじは過剰に締め付け、伸びた「塑性域」
トルクレンチでは適正値はでない
締付け係数Q とは、軸力の最大値を最小値で割った値で、ばらつきの大きさを表わす値です。Qの値が大きい ばらつきが大きいのは「弾性域」