粗利は大事だよっていうお話し
会社の利益には段階ごとに色々な名前がついています。
売上総利益、営業利益、経常利益、税引前(後)当期純利益などなどです。
これらは会社の経営成績を表す財務諸表の1つ、損益計算書(通称P/L)をみると載っている利益の名称です。
簿記を勉強すると出てきますね。
では、どの利益が一番重要でしょうか。
最終利益となる当期純利益?
もちろんこれも重要な利益です。
しかし、経営をするうえで最も重要な利益は上記にはありません。
他にあります。
それは「限界利益」です。要は「粗利」です。
限界利益は次の算式でもとめることができます。
売上高ー変動費=限界利益
変動費とは?
売上に応じて変動する費用のことです。原価と考えればイメージしやすいと思います。
小売業であれば、商品の仕入れがこれに当たります。
ネット販売であれば、送料なども変動費になりますね。
限界利益がなぜ大事か。
売上だけを上げようと思えば、薄利多売にすればいくらでもあげられます。
「年商1億円!」と聞くとすごい儲かってるなぁと思うかもしれません。
しかし、この会社の限界利益率が10%(原価率90%)だったとしたらどうでしょう。
※限界利益率=限界利益÷売上高
売上高1億円ー変動費9,000万円=限界利益1,000万円
最終利益は、この1,000万円の限界利益から固定費を引いたものとなります。
固定費には、人件費、家賃、消耗品費、減価償却費など様々な経費があります。
従業員を4人雇っているとしましょう。年収300万円だとしてもそれだけで1,200万円の人件費となり、家賃などを引く前から赤字転落です。
これが限界利益率50%、年商3,000万円の会社であればどうでしょう。
限界利益は1,500万円となり、先ほどの年商1億円企業よりも利益が出ていますね。人件費が同様にかかっているとしても何とか黒字になるかもしれません。
この限界利益率というのは経営をする上で最も重要な利率であり、限界利益こそが最も重視すべき利益なのです。
モノを販売するとき、サービスを提供するときの価格決定時にはこの限界利益率が是非意識してみてください。
年商1億円の会社で限界利益率が1%違うだけで100万円も利益が増減してしまうのですから。
以下、参考!!
この利率は業種によって様々です。
我々のような士業は原価というものがほとんどありませんので、限界利益率は90%以上になることもあります。
粗利が高い分、売上高が爆発的に高くなることはありませんが、、、
飲食業は70%を目標に、ネット販売業(型番商品の場合)であれば25%を目標にすると良いでしょう。
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