感染防止協力金がもたらす今後を予想してみる。
時短営業などにより飲食店に支給されている協力金。
固定費(主に家賃)の大小により全く足らないお店、充分に足りているお店が出てきているのが現状です。
この協力金は会社であれば法人税、個人事業であれば所得税の課税対象となります。そのため、利益が出ていれば納税という形でいくらかを戻すことになります。
しかし、課税されない税金もあります。
『消費税』です。
これについて、2年後に起こりうる問題を予想してみました。
事業をやられている方は特に読んで頂きたい内容になります。
① 消費税の減収
消費税は基本的には2年前(法人の場合は前々事業年度)の課税売上高(消費税がかかる売上)が1,000万円を超えなければ、その年は免税事業者となり、消費税を納税する必要がありません。
協力金を受け取った事業者は、時短営業などにより課税売上高が著しく減少しています。そのため小規模事業者は協力金を受け取って利益が出ていたとしても、課税売上高は1,000万円以下という状況が出来上がる可能性があるのです。
事業者にとっては嬉しいことですが、協力金により2年後に課税事業者が減り、「消費税減収!」という記事が出るかもしれませんね。
② インボイス制度による経営上の問題
令和5年10月からスタートするインボイス制度が少なからず①に関連して問題となってくる可能性があります。
インボイス制度とは、ざっくり言うと、免税事業者へ支払う費用の中に含まれている消費税分は支払った側の会社で控除ができず、実質免税事業者の支払い分を負担するというものです。
飲食店で例えると、接待として利用したお店に払う飲食代の領収書をその利用者が勤務する会社で経費精算に出した時に「この領収書はうちで消費税が控除できないものです」などと言われることがあるかもしれない。
経費にはなるが、これまでと違い消費税負担が出てきてしまうのです。
ただし、スタートから全額控除できなくなるわけではなく、経過措置で令和8年10月までは80%、令和11年10月までは50%は控除可能となります。
この期間に事業者側も経営に支障が出るようであれば、免税事業者であっても課税事業者となることを選択して、顧客対策を講じる必要が出てくることが予想されます。