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シフォンケーキはいかがですか?(飼ってはいけない生き物その1)

酪農家に生まれ育ったので、犬や猫がいるのは当たり前。おかげで外で遊ぶことに関してはやることに事欠かないほどたくさんあった。想像力と犬、猫のお友達がいれば時間を忘れて遊ぶことができる。ものがない時代だったけど、もしかしたら今の子供たちよりずっと楽しい子供時代を過ごしたんじゃないかなあと思う。そんな楽しいペットたちとの生活の中でも時折、新しい仲間を増やしたい気持ちになることがあった。そして、思うだけではなく、やってしまうのが私であった。残念なことにそのほとんどは失敗に終わった。そのいくつかを紹介します。

まず、カラス。なぜカラス? 単純に一番身近にたくさんいたから。カラスをペットにしたらどうなるかなあ。予想もつかないままとりあえず捕まえてみることに。罠は父が作ってくれた。大きな金網の箱につっかえ棒をいれてカラスが入れるぐらいの隙間をつくり、箱の下に餌を置いておく。つっかえ棒には長い紐がついていてカラスが入ったらその紐を引く、という仕掛け。ごく原始的な罠でカラスは簡単に捕まえることができた。カラスにとっては迷惑極まりない。しばらくバタバタ騒いでいたが、なんとか手でおさえ、足輪をつけることに成功。そしてまた父が作ってくれた鶏小屋ぐらいの大きさの”カラス小屋”で飼うことになった。名前は”パー子”と私が勝手に決めた。毎日餌をあげていれば少しなついてくれると思っていた。しかしパー子はいつまでたっても私がいくたびに大騒ぎで逃げようとして、一向になつく兆しはなし。すべての目的は新しい仲間と楽しい時間を過ごすこと。その目的が果たせない以上、飼っておく理由はなかった。そんなわけで、パー子はほんの短いあいだ我が家で暮らしただけで自然に帰っていった。


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