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シフォンケーキはいかがですか?(キャンプと呼べないキャンプ)

夏休みといえばキャンプ。ありました。私が小学生の時にも。しかしこれを’キャンプ’と呼べるかどうかと言うとちょっと考えものでして、、、。

キャンプは夏休み中の唯一の学級行事でした。(複式なので二つの学年で一クラス。それでも全部で5人です。)家が酪農家の子供たちが100%の小学校でしたから、夏休みのど真ん中は避けて(子供たちも牧草刈りの作業に駆り出されるので)キャンプは休みが始まってすぐに行います。

基本的に村全体がキャンプ場のような地域ですから、どこにテントを張っても誰もなにも言わないのですが、当時はキャンプをする人自体が少なくて、わたしはテントそのものすら見たことがありませんでした。

当然学校もキャンプ用テントを持っていたわけではありません。では私たちのキャンプとは何かというと、キャンプ場に行くわけでもなく、ただ単にみんなで学校の体育館に泊まるだけなのです。

そんなキャンプと呼べないようなイベントでも私たちは数日前からワクワクドキドキの学級行事なのでありました。なぜなら酪農家の子供たちは自分たちの家以外のところで寝ると言う経験がほぼゼロ。基本生き物を扱う酪農家には休みがないので、家族で泊まりがけでお出かけするなんていうことはまず不可能。なので、家以外のところで家族と離れて一夜を過ごすと言うこと自体が大イベントだったのです。

そしてもう一つの楽しみといえば夕食。キャンプの夕食といえばやっぱりカレー。各自言われた材料を持ち寄り、一つの鍋で作ります。わたしにとってはうどん以外のものを夜友達と食べられるということも更なる大特典でした。(’晩ご飯=うどん’じゃないの?のコラムで書きましたが、我が家の晩ご飯は毎日うどんだったのです。)

一応”キャンプ”という名目なので体育館の電気は使わず、明かりはろうそくとランプ。日が暮れる前に夕食を済ませ、スイカを食べて、暗くなったところで花火大会。そして体育館でキャンプ恒例の先生の怖い話を聞いて、寝袋を並べて寝るという流れ。

キャンプ中はかなりテンション高いのですが、外泊に慣れていないせいか、翌日にはもはやうちが恋しくなり、うちに帰った時はなんだか一週間ぶりに帰ってきたような不思議な気持ちになったものでした。

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