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シフォンケーキはいかがですか?(’晩ご飯=うどん’じゃないの?)

以前、「”卯の花和え”の真実」でちょこっと触れましたが、私の実家は酪農家で母がほぼ一日中畑や牛舎で働いていたため、私の祖母が食事の支度をしていました。当時の酪農家の仕事分担としてはこれがごく普通で、友達のお弁当もほとんどお婆ちゃんたちの手作り。祖母が作った弁当は、今時の子供たちのお弁当みたいに見た目にも食欲をそそられるようなものではなく、全体的に茶色くおかずの種類も少ない。

そんなわけで、小学校のお昼ご飯は同じような茶色っぽいおかずの繰り返しで、さほど楽しみでもなかったのだが、とにかく休み時間ごとに目一杯走り回っていたので4時間目が終わる頃にはお腹ペコペコ状態。何を食べても美味しいと感じられたのです。

しかし、晩ご飯に限っては、2時間しっかり乳搾りと子牛の世話を手伝った後の空腹状態であっても、ちっとも楽しみではなかったのです。なぜなら、我が家の晩ご飯は毎日うどんだったから、、、。

うどんを毎晩食べる家族だったので、乾燥うどんは常に箱買い。うどんのたれもほぼ毎日同じで、醤油ベースに卵と玉ねぎ、少量の鶏肉。毎晩のことなのにそれをいつもおいしそうに食べる家族を見ながら、「うどんの晩ご飯にうんざりしてるのは私だけなのか?」と思ったりもしたけど、それはそうゆうものだと信じきっていました。つまり、晩ご飯にうどんを食べることはごく普通のことなのだと、、、。

しかしある日、我が家の習慣は私が思っていたほど普通ではないことを知る時がやってきた。小学校のクラスメートときのうの晩ご飯の話をしていた時である。一人のクラスメートが「うちはカレーだったの。」と言ったので、もちろん私は「えっ?カレー?うどんじゃないの?」と聞いた。「え、なんで?カレーだよ。」そして残りのクラスメート二人(ちなみに小6の同級生は3人でした。)もうどん以外のものを食べたと答えた。

大人になって、初めてこの’晩ご飯=うどん”の理由を母に聞いたところ、
1)両親、祖父母みんながうどん好きだった。
2)手の込んだ料理をしたくない婆ちゃんには好都合のメニューだった。
という答えが返ってきた。

うどんは嫌いじゃないけど、いまだにすすんで食べようと思わないのは子供の頃、毎晩食卓の上で見たざる山盛りのうどんの光景がトラウマになっているからだと思っている。


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