【ひとりぼっちの地球侵略】オルベリオ文字を解読してみたその2【長文読解編】
どうもはじめまして!
はじめに、本記事は原作最終巻である15巻までの内容を踏まえたものになっています。未読の方はネタバレ注意です!
また、本記事は3部構成の2つ目となっています。そのため「解読してみたその1」を先に読むことをオススメします。
記事その1リンク
https://note.com/pekh/n/n18c4910973a4
以下本文です↓
前回に引き続き、オルベリオ語の解読をしていきます。タイトル通り、今回は最終的に長文の読解まで進めます。前回作成した対応表はこんな感じ。
長文読解の準備として、まずはこの対応表の穴を一つ一つ埋めていきます!
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こちらは10巻48話で大鳥先輩がマーヤを魔法で拘束するシーンです。
10巻48話p.98より引用
左上のコマ、マーヤの耳元に浮かんでる4文字構成のオルベリオ語に注目。内容はおそらく大鳥先輩の台詞に関係しているはず。また1文字目以外は判明済みなので、アルファベットに置き換えてみます。
「〇 I N D」
最初は台詞の順番的に「私の声に耳を澄ませ。」の冒頭の部分だけ描かれてるのかなーと予想したのですが、4文字の単語だと仮定すると「縛る」の方が合ってそう。つまり不明箇所に "B" を入れて「バインド」となります。
「B I N D」
これで良し。
下のコマにもいくつかオルベリオ文字がありますが、こちらも実際は大鳥先輩の台詞に関係しているのだと思います。見切れて読めないのが残念…
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3巻12話p.102より引用
こちらは3巻12話。ユーシフト族と戦闘中の大鳥先輩の元に、変身禁止の魔法が解けたリコと広瀬くんが駆けつけるシーン。
既知の文字を置き換えるとこんな感じ。
「I N 〇 I S I B L E」
流れとしては、校舎の上でどったんばったんして生徒に見つかるのを恐れた大鳥先輩が、二人になにやら不可視化の魔法をかけた様子。「消えなさい!!」の台詞も踏まえると、"V" を入れて「インビジブル」で良さそう。
「I N V I S I B L E」
オルベリオの魔法、めっちゃ便利。
あと「BIND」のときも思いましたが、オルベリオ文字の近くに大鳥先輩の台詞があると類推しやすくて助かりますね…
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5巻24話p.162より引用
こちらは5巻24話より、速さ自慢の宇宙人と追いかけっこをしているシーンです。上コマはオルベリオ文字を裏から、右下コマでは表から見ているだけで同じ文字列っぽい。既知の文字を置き換えると、
「C U 〇 V E」
分かる文字が少なかったころはロープの強度を高める魔法かと思ってたのですが、違ったようです。アイラ家の特殊車両を使って勢いそのままT字路を曲がる、つまり「カーブ」する際の魔法ということで、
「C U R V E」
不明箇所を "R" と推測しました。実際はロープではなく、大鳥先輩自身に対する身体能力バフ魔法なのかもしれませんね。
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15巻76話p.83より引用
こちらは15巻76話より、暴走したマハの黒いもや?によって港が攻撃されるシーン。既知の文字を置き換えたものがこちら。
「〇 R O T E C T」
不明なのは1文字目だけなので、これも推測は難しくない。港の守りにダメージが入っているシーンということを踏まえれば「防御」とか「盾」的な単語だと思われるので、ここは「プロテクト」が正解でしょう。
「P R O T E C T」
これで "P" も判明しました。
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13巻64話p.111より引用
こちらは13巻64話、二人で話をしようと追いかける広瀬くんに対し、逃げ回る大鳥先輩が魔法で反撃に打って出ようとしたシーンです。既知の文字の形から、下コマのオルベリオ語は上下左右が反転して見えているようです。わかる文字を埋めると以下のようになります。
「B L L O W O 〇 〇」
この解読は少々難航しました。というのも、おそらく不明な文字は「F」であり、「ふきとばす」の意味となる「ブローオフ」で良いと思います。
「B L L O W O F F」
しかしその場合、正しい綴りは「Blow off」となるので「L」が一つ多くなってしまうんですよね…
でもまぁ作中の流れを踏まえると「ふきとばす」がやはりしっくりくるので、ここは「F」を採用しました。大鳥先輩が焦って書いたせいで誤字ったか、もしくは単にミスかもしれません。
(その3で紹介しますが、「F」自体は別の巻でも登場します)
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ここで一旦、これまでに判明したオルベリオ文字をまとめ直しておきます。
結構埋まってきました。
次はこの対応表を使って、ちょっと長めのオルベリオ語の読解に挑戦してみましょう。
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それぞれ4巻19話p.164, p.167, p.168より引用
こちらは4巻19話より、暴走黒もや状態から復帰した大鳥先輩(幼)が戦闘によって破壊された松横市を修復するシーンです。3コマとも異なるオルベリオ語が描かれています。それぞれ英語に置き換えるとこんな感じ。
「Y O U G R E E」「E D E L W E」
「E V E R Y M O R N I N G」「A N D G」
「S M A L L」「B L E S S M Y H O M E L A N D」
「E D E L W E I S S E D E L W E I S S」
それぞれ単体で見ると分かりづらいですが、まとめて見るとなにか見覚えのある英文じゃないですか??
そうです!じつはこれ全部「エーデルワイス」の歌詞なんですよ!!
Edelweiss, Edelweiss,
Every morning you greet me.
Small and white,
(中略)
Blossom of snow, may you bloom and grow,
bloom and grow forever.
Edelweiss, Edelweiss,
Bless my homeland forever.
(英語詩抜粋,J-Lyric.net様より引用
http://j-lyric.net/artist/a04d457/l017242.html)
「エーデルワイス」は、ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の劇中で歌われた歌です。日本でも音楽の教科書に掲載されてたりする有名な歌ですね。私も幼稚園の頃に歌わされた記憶があります。
(今回記事を書く際にWikipediaで調べるまで、オーストリアの国歌か何かだと思っていました…どうやらよくある間違いのようです。)
まさか作中にこんなの仕込んでいたとは…しかも初期の4巻なので、読んでる当時は絶対気づきようも無いですね。私も発見したときはもー驚いたのなんのって。小川先生も粋なことをなさる…
このシーンアニメ化したらBGMはエーデルワイスで決まりですね!!
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そして4巻19話にはもう一つ、有名な曲が隠されていました。
4巻19話p.170-171より引用
(小さくて見づらいため、各自単行本で確認推奨です)
先ほどのエーデルワイスのシーンの直後、大鳥先輩(幼)が港を閉じた?際に周囲に大量のオルベリオ文字が浮かび上がっています。読めそうな部分を片っ端から英語に直してみると、こんな感じになります。
「W H E N H E N O T H I N G S H I N E S U P O N」
「W I W O N D E R W H A T」 「A R E H O W」
「T W I N 〇 L E T W I N 〇 L E A L L T H E N I G H T」
不明な文字が1文字ありますが、これはもう「K」で決まりでしょう。
そうです、ここに描かれているのはなんと「Twinkle, Twinkle, Little Star」 日本でいうところの「きらきら星」の歌詞なんです!!!
Twinkle, twinke, little star,
How I wonder what you are!
(中略)
When he nothing shines upon.
Then you show your little light,
Twinkle, twinkle, all the night.
Twinkle, twinkle, little star,
How I wonder what you are!
(英語詩抜粋, みんなでえいごうた!様より引用https://eigouta.com/lyrics/TwinkleTwinkleLittleStar.html)
「きらきら星」は、元はフランスのシャンソンなのだそう。英語で替え歌されたものが童謡として世界中に広まり、今では様々な言語に翻訳されて歌われています。
また、港を閉じるための魔法がなぜ「きらきら星」なのかについては、これといった結論は出ませんでした。実は「きらきら星」は子守唄で、港を閉じるのを寝かしつけるのに例えた…とか?
なので、この記事を読んでいただいた誰かが、いつかするどい考察を語って頂けるのを待つことにします・。・
どうしましょう、アニメ化の際のBGM候補がまた増えてしまった…笑
4巻過去編のクライマックスであるこのシーンで流れたら、涙腺にくること間違いなしですね。楽しみだなー!(アニメ化を諦めない姿勢)
【追記】
ここまでは主に左ページ側の大きく描かれたオルベリオ語を解読しましたが、右ページ側の小さく描かれたオルベリオ語に関しても、きらきら星の歌詞だと思えばなんとなく読むことは可能です↓
これにより、きらきら星の歌詞に含まれるもう一つの未判明オルベリオ文字である「Z」の場所が類推できます。しかし、文字の形までは小さくて判別できませんでした。
また「Z」が用いられているのは作中でこの一か所のみだったため、対応表の「Z」を埋めることは叶いませんでした。残念…
【追記ここまで】
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ここまでいかがだったでしょうか。
オルベリオ語が英語であることを解明し、オルベリオ文字とアルファベットの対応を調べることで、ただ読んでいるだけでは気づけなかったメッセージを読み取ることができました。そしてこの感動を多くの人と共有したいと考え、今回の記事を書くに至りました。
「ひとりぼっちの地球侵略」という作品の秘められた魅力、もとい作品に対する小川麻衣子先生の深い作りこみの素晴らしさが、この記事を読んでいただいた方々に少しでも伝わっていれば幸いです。
今回の記事のメインディッシュである「エーデルワイス」「きらきら星」の紹介が済んだところで、ここまでで判明したオルベリオ文字とアルファベットの対応をまとめておきます。
次の記事では、ここまででまだ紹介していないオルベリオ語の解読結果と不明なアルファベットの解明、仕込まれていた小ネタの考察について書こうと思います。
特に大鳥先輩とマーヤのオルベリオ語の違いについては、かなり納得のいく考察結果になったと思うので、是非とも読んでいただきたいです!
記事その3リンク
https://note.com/pekh/n/na73d1171006b
ここまで読んでいただきありがとうございました。
最後に、素晴らしい作品を描いてくださった作者の小川麻衣子先生、そしてオルベリオ文字解読のきっかけを作り解読成功の喜びを最初に共有できた先・。・輩に感謝を申し上げます。