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【ひとりぼっちの地球侵略】オルベリオ文字を解読してみたその1
どうもはじめまして!
タイトルの通り、この記事ではオルベリオ文字の解読について、考察過程と結果を書き記していきます。
最初に結論を述べてしまうと、「オルベリオ語は英語の文法で書かれており、オルベリオ文字はそれぞれアルファベットのA~Zに対応する」ことがわかりました。
また、本記事は原作最終巻である15巻までの内容を踏まえたものになっています。未読の方はネタバレ注意です!
以下、本文です↓
小川麻衣子さんの「ひとりぼっちの地球侵略」がどういった作品なのかの概要については、数ある感想ブログの方々に投げます。絵柄がめっちゃ可愛くて戦闘シーンがカッコいい、そんな漫画です。大好き。
その作中で「オルベリオ語」というものが出てきます。これは、本作のヒロインである大鳥先輩を含め、作中に登場するオルベリオ人(オルベリオ星人とも)が使っている言葉です。オルベリオ語には言霊のような魔法の力が備わっており、戦闘の補助に敵の無力化、さらには星全体を覆う守りの魔法など作中で様々な使われ方をします。発動の際には対象の周囲にオルベリオ文字が浮かび上がるため、オルベリオの魔法とオルベリオ文字は密接に関係しているのだと思います。
このオルベリオ文字について、最初私一人で読んでた頃は「文字のパターン結構あるけど、きっと意味は無い模様として描いてあるんだろうなぁ」と思っていました。
転機が訪れたのは、布教活動の一環でぼっち侵略を貸していた大学の先輩と夜通し感想を語り合っていた最中でした。
先・。・輩「この文字、実は読めたりしない? アルファベットみたいに26文字くらいのパターン数ある気がするんだけど。」
いやそんなまさか。それに大鳥先輩も言語論的転回がどうのとかで、既存の概念ではうまく説明できないって言ってたじゃないか。きっと意味があるように見せてるだけで地球人には理解できないっていう演出だって!
とはいえそこまで確固たる自論では無し、むしろ読めるなら読んでみたい。布教した身としては「文字数の検証だけはしたいから、オルベリオ文字のとこだけまとめて送ってほしい」と頼まれたら断る理由も無い。ということで、全巻ひっくり返して写真を撮って送りました。
すると数分後、
先・。・輩「文字数は26文字あるっぽい」
え、すっご。てかはっや。
でもこれならもしかするともしかするかも…。ということで、ここから本格的にオルベリオ文字の解読に取り掛かることにしました。
(ちなみに、実は16番が存在しなかったり被りがあったりで26文字も無いことが後日判明しますが、解読開始のきっかけではあるのでここで紹介。)
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「未知の文字でかかれた既知の言語の解読」と聞くと、まず思い浮かべるのはあの世界一有名な探偵の短編でしょう。そう、ホームズの「踊る人形」です。
Wikipedia「踊る人形」より画像引用
ホームズもこんなのよく読もうと思ったな…
うろ覚えですが、「これが英語だと仮定すれば、一番頻出なこの人形が "E" の可能性が高い。単語の切れ目は旗で分かるから、あとはEが使われる単語を辞書で片っ端から調べまくって元の文章を予想しよう」みたいな解法だったと思います。うーん、労力的にさすがに真似したくない!
でも当て勘は大事・仮定が間違ってたらやり直せばいい、という点は参考にさせてもらいましょう。ということで、まずは「オルベリオ語が英語で書かれた文章である」という仮定をして進めていきます。
解読をするにあたって、重要な手がかりをはじめに紹介しておきます。それは「マナ」と「マハ」です。
それぞれ、15巻76話p.107, 最終話p.177より引用
生粋のオルベリオ人であるこの二人は、15巻でどちらもその名前が墓標に刻まれているシーンがあります。どちらも4文字で、かつ表の②にあたる文字が繰り返し使われていることから、墓標に刻まれている文字が「MANA」「MAHA」であると予想できます。これで、表の①②③④にあたる4文字が決まりました。
難しいのはここからです。なにせ、作中で読みあげられてるオルベリオ文字はこの二つだけなので、あとは元の文章をまず予想してから対応する文字を決めなければなりません。
ここからは当て勘さんの出番になります。
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8巻38話p.114より引用
こちらは8巻38話、暴走した広瀬くんのエネルギー弾が街に向かうのを大鳥先輩が身を挺して防ぐシーン。大鳥先輩の周囲に浮かぶオルベリオ文字は六つで、そのうち左から二つ目は "H" だと分かっています。
「〇H〇〇〇〇」
うーん手がかりが少ない…
ここで、このシーンで大鳥先輩がどういった意図で魔法を使ったのか考えてみます。広瀬くんに街を破壊させるわけにはいかない、でも威力がアレだから生身で食らうのはまずい、だから自身の守りを固める必要がある…といった感じでしょうか。おそらく、この魔法は自身への防御バフか盾召喚あたりの効果なのだと思います。
それらしい意味の単語で上の条件を満たすもの…英語の語彙力には自信が無いのですが、一つだけ、それっぽい単語が思いつきました。最近ポケモンのタイトルにもなった「シールド」です。
「S H I E L D」
これはいけるんちゃうか!?
というわけで、かなり当て勘ですがこれが正解だと信じて解読作業を続行することにします。
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次の手がかりは、12巻59話と60話で繰り返し出てくる文章です。
それぞれ12巻59話p.136, p.137, 60話p.162より引用
(最後の足元のはちょっと見難いが同じ文章と予想)
空白の位置から、4文字・2文字・7文字の組み合わせで作られた文章であることがわかります。また、最初の4文字は「MANA」であり、そのほかも見覚えのある文字が使われているようです。まとめるとこんな感じ。
「M A N A I M 〇 A I 〇 I N 〇」
ここで、7文字の部分がなんとなーく、現在進行形の「I N G」っぽく見えませんか??
そう考えると、「I M」の部分も「I'm」「I am」を意味してそう。
あとは〇が2つですが、ここでこのシーンがどういったものであったか振り返ってみます。マハが大鳥先輩の無意識に繰り返し呼び掛けている、マハ的には大鳥先輩はマナそっくりのクローン成功体…ということで、マナに対する呼びかけと考えても良さそうです。
そこで、当て勘さんを発動させてそれっぽい単語にしてみましょう。するとこんな感じ。
「M A N A I M W A I T I N G」
どうです、それっぽいでしょう。
おまけにこのマハの幻影は去り際に「待っているぞ」と言っていたので、まぁ正解と思って良さそう。
アルファベット対応の分かるオルベリオ文字がだんだんと増えてきました。この調子でどんどん行ってみましょう!
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こちらは4巻17話。過去編の中で大鳥先輩がほしのきおくを使って港に呼びかけ、閉ざされていた港がひらくシーンです。
4巻17話p.107より引用
シンプルな3文字構成、また後半2つのオルベリオ文字は判明しています。
「◯ E S」
ここはもう、大鳥先輩の呼びかけに港が応じたシーンなので、そのままズバリ「Yes」で良いでしょう。これで「Y」も判明しました。使われる頻度の高いアルファベットなので助かります。
(最初は "開" とか "Open"かと予想していましたが、文字数的に諦め…)
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12巻60話p.165より引用
最後はこのシーン。さっきのマハ幻影召喚の直後、12巻60話のマハの台詞です。文字の構成は4・2・6・2・3・3で、これまでに判明しているオルベリオ文字をアルファベットに置き換えると以下のようになります。
「M A N A I M ◯ ◯ M I N G T ◯ S E E Y ◯ ◯」
これがなんとなく「To Do」の形の英文に見えたので、「O」も置き換えてみましょう。するとこんな感じ。
「M A N A I M ◯ O M I N G T O S E E Y O ◯」
ここまで来ればもう楽勝でしょう。最後の3文字は "You" でしょうし、作中でマハが再会を喜ぶ様に親しげにマナに呼びかけていることを踏まえると、元の文章はおそらく、
「M A N A I M C O M I N G T O S E E Y O U」
素晴らしい! 作中の流れとも完全に一致する文章です。もうオルベリオ語が英語の文章であることは疑う余地がありません。
この文章を解読できたあたりでもう鳥肌がやばかったです…ムスカばりに「読める、読めるぞ!」と喜んでました笑
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この記事も長くなってきましたので、ここまでで判明したオルベリオ文字とアルファベットの対応をまとめて、一旦締めようと思います。
最終的には "JQXZ" 以外が判明します。お楽しみに!
次の記事では、このオルベリオ文字対応表をさらに拡充し、作中で出てくる長文オルベリオ語の読解に挑戦・成功した際の過程と結果を紹介しようと思います。個人的にはけっこーすごい発見だったと喜んでいるので、ぜひ記事その2、その3も合わせてご覧下さい!
記事その2リンク
https://note.com/pekh/n/n6a67b7ac0c59
記事その3リンク
https://note.com/pekh/n/na73d1171006b
ここまで読んでいただきありがとうございました。
最後に、素晴らしい作品を描いてくださった作者の小川麻衣子先生、そしてオルベリオ文字解読のきっかけを作ってくれた先・。・輩に感謝を申し上げます。