ちょっと、憂鬱 その2ですがな。
‥続きから。
私が3ヶ月の職業訓練の後、10月に入職した施設は、小学校の跡地に建てられた特養で、長い70メートルの廊下の途中に職員の事務所があり、そのどんつきに食事をする広いフロアがありました。
私は全く未経験だったので、やり方を言われるままに教わり、寝たきりの人をお姫様抱っこで介助してましたが、危ないので2人介助にしましょうということになり、当時ヘルパー2級しか持っておらず、社会福祉士の資格など、遠い場所にある感覚でした。
数ヶ月経ち、私を指導していたスーパーバイザーが、私無資格なんだけど、介護福祉士を取らなくてならなくなってと言い出し、ランチョンマットを敷いて、個別のケアをやり始めると言い出した。
フロアに36人いる利用者を3つのグループに分け、廊下の途中の事務所を廃止し中身を空け、広いフロアをバリケードを張り封鎖し始めた。そして70メートルの廊下に机や、家具を置き、介助をし始めた。
また今まで、風呂の浴室介助3人、脱衣所3人というやり方は辞めて、12人だけを見る介護になり、1人で機械浴を脱衣、洗身、更衣まで1人でやるようになった。
私のいるグループには、早番1人に日勤がサポートで付きますという話だったが、結局日勤が就いたことがなく、遅番が来る11時まで1人だった。お姫様抱っこは危ないので辞めましょうと言いながら、その時間帯には私、1人しかいないのでお姫様抱っこを継続しないとしかたがない。
今になって思えば、ユニット体制を導入したんだなとわかるが、当時はほとんど素人で意味がわからなかった。ユニット体制にして加算料を貰うつもりだったのだ。今になって思えば、無茶苦茶である。
元々がユニット体制になっていない従来型の施設で、ユニット体制にむりくりするから、「汚物を広いフロアに持ってくるな!」と張り紙をしていたのに、4人部屋から排泄処理をしてバケツに汚物を入れ廊下に出ると、そこでは他のユニットの利用者が食事をしている。
消防が来たら、慌てて廊下に出していた家具を片付ける。消防法でひっかかるからだ。何でこんな無駄な仕事をしているのだろうか?と思っていると、施設長は、「自宅は狭いし、家具とかでごちゃごちゃしてるだろう?」と言う。
しかし、廊下は廊下である。空調もろくに効かない。70メートルの廊下を車椅子で行き来していた知的障害もある高齢者は、「何や、おまえは!」と私のユニットの人では無いのに私が背を向けていると、お尻をボカボカ叩き出す始末だった。
そして4月になり、新卒が入職して来た。
‥続く。
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