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決算分析 新晃工業(2024年第3四半期)
2024年度2月期第3四半期決算概要
先日ご紹介した新晃工業の第三四半期決算が2月8日に発表されました。
まずは決算発表の数値を見てみましょう。決算説明資料は通期・中間期のみ公表されるため、決算短信を確認していきます。
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売上は18.8%の増収、営業利益は63.8%の増益、純利益も66.5%の増益となっており四半期ベースで過去最高益となっております。通期計画の74.2億円に対する進捗率は77.9%に達し、5年平均の62.8%も上回っている状況です。
四半期ごとの決算状況を確認すると、例年、売上・利益ともに第4四半期(1-3月)の比重が高いため、通期見通しを超過するのは間違いなさそうです。
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続いて定性情報を確認していきます。経営成績に関する説明でも「製造魚k店の国内回帰を背景に産業空調を中止として投資が続いている」「データセンターへの投資が広がる」と記載されており、経営環境は順調であることが伺えます。
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また、海外事業が第2四半期時点では2,400万円の黒字だったのですが、第3四半期では更に2,300万円上乗せしてきております。海外は黒字化が定着してそうです。
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B/S、P/Lは特筆すべき点はあまりなさそうでした。資産の部で商品・仕掛品・原材料が増えているので第4四半期も受注もまずまず、と予想しております。
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営業利益率がかなり改善している点は注目です。下期偏重のため、第4四半期の利益率が一番高くなる傾向にあるのですが、今期の第3四半期は昨年度の第4四半期の営業利益率を超えてきております。第4四半期もこれ以上の営業利益率となると業績の上振れが期待できます。
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2024年度通期見通し
通期見通しに変更はなかったのですが、純利益は予想を上回って着地すると思います。純利益で予想53.2億円に対して5%上振れの56億円程度は堅いとみています。また、配当性向についても50%を目標としているため、増配する可能性もあります。
ただ、2023年11月に中期経営計画「Move2027」を定めたばかりのため、この数値をローリングする可能性はまだ低いとみているので来期予想は保守的になりそうな気がします。そのため、本決算までに上方修正があれば売り時なのかもしれません。
まとめ
・第3四半期決算は順調。営業利益率も改善
・第4四半期も好調を維持し、通期予想は上振れして着地すると予想
・来期は11月に公表した中計ベースで保守的な予想数値を出す