見出し画像

個別銘柄分析 No.1 日本スキー場開発

皆さん、こんにちは。
 銘柄分析を共有して少しでも皆さんの投資戦略の一助になればと思います。
2025年の個別銘柄分析の第1弾は証券コード 6040「日本スキー場開発」です。その名の通りスキー場・リフト等を運営している日本駐車場開発の子会社になります。

サマリー

・インバウンド・降雪量の増加によるスキー需要の増加
・リフト等の値上げによる客単価の上昇
・変動費が少ないビジネスモデルのため、増収が増益に直結

事業内容

 スキーリゾートの運営及びスキーリゾートの運営に関する総合コンサルティング会社となり、関東甲信越を中心に8つのスキーリゾートを運営しております。特に長野県の白馬エリアで多くのスキー場を運営しております。

決算説明資料より

 売上構成は夏場のグリーンシーズンが30%、冬場のウィンターシーズンが70%となっており、メインはウィンターシーズンとなりますが、足元ではグリーンシーズンの売上も伸びてきております。売上の半分以上は索道となっており、索道とは空中に架け渡したワイヤーロープ(索条)に搬器を吊り下げ、人や貨物を運送する施設でリフト・ロープウェアを指します。

決算説明資料より

 スキー人口自体は減少傾向にあり、スキー場自体も減少傾向にあります。直近はコロナ禍で減少したスキー需要が回復しつつありますが、全体として少子高齢化・若者のスキー離れもあり、全体としてはマーケット自体は縮小傾向にあります。
ただ、日本の雪質は大変良く、ニセコに代表される日本のスキー場は外国人からも人気でインバウンド需要は増加傾向にあることは注目です。

決算説明資料より

業績動向

 コロナ禍の赤字から業績は急回復しており、直近はコロナ前を上回る売上・営業利益となっております。

マネックスの銘柄スカウターより

12月6日に発表された第1四半期の決算では売上が前年度比31%増の14.5億円、営業利益は昨年度とほぼ同額の−0.5億円の赤字となっております。第1四半期は8月から10月末の3カ月間のため、グリーンシーズンのみとなります。例年収益の大半はスノーシーズンの第2・第3四半期となり、特に第3四半期(2月から4月末)が稼ぎが重要となっております。

注目理由

①インバウンド需要
 
インバウンド需要の回復に伴い、外国人のスキー需要も好調となっております。一般社団法人白馬村観光局によると、2023年11月〜2024年2月の観光客入込み数や村内スキー場の利用者数データを分析した結果、前年と比べると123%、コロナ直前の2019−20シーズンと比べると121%と、過去20年で最高値を記録したとのことです。この流れは今シーズンは中国人客が見込まれるため更なる増加が見込まれます。

一般社団法人白馬村観光局

②値上げ効果
リフト券の値上げ効果もあり客単価は増加しております。

決算説明資料より

 ちなみに、今シーズンはというと、スキー場全力応援団のサイト(リンク)によると八方尾根スキー場では7200円→8000円、つがいけでは6400円→7500円とそれぞれ10%以上の値上げが行われているようです。
これはかなりの増収効果がありそうです。

③変動費が少ないビジネス構造
 スキー場の運営は固定費が占める割合が大きく、変動費の割合が小さい、という点です。お客さんが多かろうが少なかろうが、リフトは稼働しなければならず、固定費がかかります。昨年度と比較して人件費等の上昇はあるかもしれませんが、費用自体は大きく変わるものではありません。そのため、増収が増益に直結します。

 1月9日に12月度の月次が発表されておりますが、来場者数が前年度と比較して20%も増えております。こちらに値上げ効果もあるため、来場者数×単価上昇でかなりの増益になるのでは、と考えております。

目標株価

 2025.1.13時点の株価は1,301円、PERは17.2倍・PBRは3.05倍となっており、株価に割安感はありません
 ただ、12月度の月次同様、20%程度の増加が続けば第2四半期累計で営業利益で10億円(前期は7億円)、第3四半期累計で営業利益30億円(前期は20億円)くらいまでいけそうな気がします。第4四半期単体は毎年赤字のため、昨年度と同程度の4億円の赤字として、通期の営業利益は25億円程度まで伸びしろがありそうです。予想が営業利益17億円のため、50%くらいの上方修正が見込まれるのと思います。
 EPSも現在の予想は75.5円なので、50%増益すると想定すると113円となるため、PER15倍と仮定すると1,700円程度までは上昇余地があると考えております。

いいなと思ったら応援しよう!