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ICL 体験記 Part.1 (事前調査〜初回検査)

視力矯正のための ICL (Implantable Collamer Lens) 手術を体験して、術前から術後の経過(調べたこと、医師から聞いたこと、考えたこと・感じたことなど)を自分が後から見返せるように記録していく。ついでに ICL が気になっている人の参考になると嬉しい。ステマやネガキャンは一切なく、全て医療従事者ではない自分の主観的な意見なので悪しからず。判断も自己責任で。ちなみに ICL とはなんぞやとかの専門的な説明はググればいくらでも出てくるので詳しくは書かない。


モチベーション

子供の頃から布団の中でゲームしたり暗い中で読書したりしていたせいで、今ではコンタクトレンズの度数が (右: -7.0, 左: -7.5) とかなり強度の近眼になってしまっている。(ちなみに自分と同等以上の度数の人には今のところ2人しか会ったことがない)
ここまで視力が悪いと当然普段からメガネやコンタクトレンズを使うわけだがこれが非常に不便。

なぜメガネが嫌なのか

  • 災害時や緊急時などにメガネが吹っ飛んだり壊れたりしたら何もできなくなる

  • 寝る・寝っ転がるときに不便・邪魔

    • 寝起きで何も見えない

    • 付けたまま横向きでスマホなどを見ようにもメガネが鼻や耳に食い込む

  • メガネを長時間かけると鼻当ての跡がくっきり残る

  • VR やる時にゴーグルに入らない

    • そのための専用レンズを買う羽目に

なぜコンタクトレンズが嫌なのか

  • 衛生面から使い捨て (1day) タイプを利用

    • 比較的高価 (90 枚 7000 円 * 両目 = 14000 円 → 42000 円/年)

  • 仕事や趣味などで長時間ディスプレイを見つめることが多いが、コンタクトレンズだとドライアイになりがち

  • 付ける時間がもったいない(朝急いでる時など)

  • 外にいる時に目を擦ったりしてコンタクトが取れると終わる(数回あった)

というわけでメガネやコンタクトレンズが嫌で、視力矯正にはずっと強い関心があった。
レーシックは角膜を削るという不可逆な手術らしく、大事な大事な目に万が一があると怖いので見送ってきた。一方で ICL 手術をした知人・友人は周りでかなり増えてきていた。(ざっと思いつくだけでも 6, 7 人はいる)
そして ICL には適齢があり、かつ早いほど受けられる恩恵が大きいので、ある日なんとなくちゃんと調べてみようという気持ちになった。

病院選び

病院を選ぶ上での自分の中にある基準はざっくり以下の2点だ。

  • 高くても腕の良い、安全で術前・術後ケアがしっかりしているところ

  • 検査が多そう、かつ何かあったときに通いやすいように家 or 職場から通いやすいところ

しかし軽くググってみると大量にいろんな病院が出てくるし、最初は知識も乏しかったので説明を読みながら以下の手順でスクリーニングしていった。

  1. とりあえず「icl 東京」みたいなふわっとしたワードで検索

  2. 出てきた病院をいくつか適当に開いてみて、いつもの病院探し時に注目する以下の項目で分析・フィルタリング

    • 先生の経歴や活動歴(学歴、論文などの発表歴、インパクトファクター)

      • もちろんこの指標にはバイアスがあるのは重々承知しているが、自分は専門家ではないのでこういった指標に頼るしかない。このやり方では Recall は下がるかもしれないが、少なくとも Precision はある程度担保できそう

    • 病院へのアクセス

      • 通いやすさは心理的ハードルをかなり下げる

    • ホームページの出来

      • 参考になる情報がどれくらい載ってあるのか

      • このご時世にホームページがなかったりホームページを軽視するところとはそもそもミスマッチ

  3. ステップ 2 で良さそうだったらその病院名で検索

    • 客観的な評価を知るため

    • Google Map レビューや Tweet、ブログ記事など

また、調べていく中で ICL 手術を執刀する上で資格(ICL 認定医)が必要ということを知った。そしてその資格を認定する上位の資格(ICL インストラクター)と、ICL インストラクターを指導する最上位の資格「ICL エキスパートインストラクター」がいることを知った。

ICL 認定医制度におけるライセンスの種類(ICLエキスパートインストラクターとは? - ICL(眼内コンタクトレンズ)手術|ふくおか眼科クリニック 中野 より)

ICL エキスパートインストラクターは国内で 10 人しかいないらしく、病院選びの基準の一つである「高くても腕の良い」を満たそうと思うならこの資格を持つ先生にお願いするのは明らかだろう。ということで前述のスクリーニング方法に「ICL エキスパートインストラクターの資格を持つ先生が執刀する」という条件を追加した。

その結果、7 件の候補まで絞り込めた。

先進会眼科東京

  • エキスパートインストラクターではなかった

  • 医師の情報(発表歴や症例など)が不足気味だった

アイクリニック東京

  • 経歴的に一番すごそうだった

  • ここで ICL の資格構造について知る。その後エクスパートインストラクターを中心に探し始める

  • ただ Google Map レビューを読むと、手術自体は確かにすごいが、回転数を上げすぎて事前・事後ケアがやや不足気味

ふくおか眼科クリニック中野

  • エキスパートインストラクター

  • ホームページの出来はめちゃくちゃ良くて ICL 周辺の説明も非常にわかりやすい

  • 先生の学歴がやや懸念

  • レビューから受付や相談などについてやや懸念点あり

南青山アイクリニック東京

  • エキスパートインストラクター

  • ホームページがわかりやすく第一印象はかなりよかった

  • 名前的に職場(渋谷)から通いやすそうでテンションがあがったが、よく調べてみるとそこまで近くはなかった

新宿近視クリニック

  • エキスパートインストラクターではなかった

  • 医師の情報(発表歴や症例など)が不足気味だった

代官山アイクリニック

  • エキスパートインストラクター

  • Google Map レビューの評価が高く数が少ないので少しサクラの心配をした

    • 評価がいずれも 5.0 なのもちょっと勘ぐりたくなった

  • 執刀医がカウンセリングから執刀まで一気通貫に見てくれるのがコミュニケーションに齟齬が生まれにくそうなのが良さそう

  • 術前・術後ケアがしっかりしてそう

  • 他のブログ記事で紹介されていて、そこで書かれた内容が自分にとって非常に好印象だった

さらに表に落とし込んで横断的に比較してみると代官山アイクリニックのスコアが一番高かったし、直感的にも合致していたのでここに決めた。

候補病院の横断比較

初回検診 (2024/08/26)

病院が決まったら早速初回カウンセリングということで、運よく 1 週間後の 2024/08/26 に予約が取れた。

このカウンセリングでは主に目の状態(視力、眼圧、構造など)を検査し、ICL 手術に適しているのか、どれくらいの矯正を施したいのか、ICL とは何をするのかの説明や、施術する上での疑問点や相談に乗ってもらうことが目的だった。
自分の場合は眼球の壁面が十分厚く、ICL 用のレンズを入れる空間も十分確保できるため、手術自体は可能とのことだった。ただ乱視に関しては、左目が軸が中心にあるのに対して、右目は軸が下方にずれているらしく(初めて知った)、度数を合わせられても軸ズレしている乱視を完全に矯正できるわけではないらしかった。

自分に似た乱視の軸ズレ例。自分の場合は乱視がもっとひどく、ヒートマップが赤かった(OPD-Scan|医療設備|久里浜眼科 より)

適応検査は通過したので、この時点で手術日を予約することができた。すでに手術の予約が多く埋まっていて、最短で翌年 2025 年の 1 月中旬とのことだった。この時点では費用が発生せず、変更や取り止めはいつでもできたのでひとまず予約した。

今後の予定は以下である。

  • 術前検診

    • 手術の 1,2 週間前に行う検診

    • この時により詳細に検査して、レンズの度数や種類を決めて手術計画を作成

    • 術前に使う目薬などの支給

    • 術後の通院の予定決め

    • 料金の支払い

  • 手術

  • 翌日検診+ヘッドスパ

  • 1週間後検診

この記事を執筆している 2025/01/30 現在はちょうど手術が終わった直後で、Part.2 では術前検診、Part.3 では手術、Part.4 では術後の経過について書いていこうと思う。

ちなみに、代官山アイクリニックは事前情報通りオペレーションが先進的で、 LINE でいつでも訊ける状態(しかもすぐに返信がくる)かつ、プライパシーが確保されたリラックスできる座席があったり WiFi があったり充電ケーブルがあったりと患者のことをしっかり考えているなー、と感じた。いい意味で病院っぽくなかった。

参考文献

ICL を開発した Staar 社の公式紹介

めちゃくちゃ参考になった。特に Part 2 で各病院での問答(旋回とか影響とか)や Part 4 の手術の様子(視界の歪みのイメージとか)で解像度が大幅に上がった

研究室時代の指導教員である小町先生の記事。信頼できる方によるレポートで、ICL について詳細に説明されている。ICL の適齢期の記憶もここから

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