Until Thenーありがとうって直接伝えられるまでー
2021年3月8日 ミモザの日
身近な女性に感謝を伝える日
もちろん真っ先に浮かぶのは母だけど、今日はあえて彼女のことを話そうと思う
***
出会いは大学のチアリーディング部
ひっこみ思案だった彼女は史学科で
帰国子女の私は国際教養学部
お互いの共通点は少なかった
私の家族は転勤族で、大学で初めて同期ができた
11人も女子が集まれば、恋愛の話になる
彼女は男性にモテるタイプでいつも彼氏がいた
出会った当時も、高校生の頃に一目惚れした他校の男子生徒にラブレターを渡して付き合い始めた
という、なんとも青春っぽいエピソードに驚かされた
彼女は、昔から外見も中身も可愛らしい子だった
私とは正反対な彼女
私は小学生以来モテたことなんてないし、そもそも恋愛をジブンゴトとしては捉えられないところがあった
周りには彼氏ができていく中、私はおいていかれた
「華の大学生なんだから」
そんなの私には通用しなかった
恋愛経験がないと恋愛の話すらしてもらえなくなる
経験がないんだから、あたりまえだ
と思いつつ、どこか疎外感と劣等感を感じていた
唯一、彼女だけが私に
ー恋愛の話をしてくれた
ー相談もしてくれた
ー意見を尊重してくれた
それが何よりも嬉しかった
卒業後も彼女は定期的に連絡をくれ、疎遠だった同期たちの近況も教えてくれた
彼女はいつも私を敬ってくれた
私は自分の話をするのが苦手だ
だけど彼女はいつも私のペースを考え、待ってくれた
彼女は心から優しい
そんな彼女が病にかかったとき、友だちとして寄り添い恩返しをしたいと思った
彼女はポムポムプリンが好きだから、お見舞いの前にサンリオでプリンの抱き枕を買い、大きな袋を抱えて病院へ向かった
大変なのは彼女なのに、いつもどおり優しい笑顔で迎えてくれた
***
彼女は昨年結婚した
コロナ禍で1年以上会えていない
私はどこか会いたくない気持ちが勝っていた
それもどこか後ろめたかった
会いたいと言ってくれているのに、素直に喜べない自分
コロナを言い訳に自分の話をせずにすんで、どこか気持ちが楽だったのだ
リクエストを聞いて結婚祝いを贈った
そして律儀な彼女から、すぐに内祝いが届いた
添えられていた手紙に
「ずっとずっと仲良しでいたい」
と書かかれていた
ありがとう
だけど、まだ胸を張って自分の話をしたいと思えないんだ
今は会えないけど
お互いライフステージは変わってしまったけど
だけど、私もずっと仲良しでいたいよ
出会った時からずーっと私に優しさをありがとう
今は素直になれなくてごめんね
でも、必ずまた会おうね
Until then.