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技術向上のために、私は2種類の「先生」の力を借りる

小学1年生から6年生までピアノを習っていた。

人前でそう語ると「そしたらピアノ弾けるんだね」と言われるけれど、残念ながら今は全くピアノを弾けない。もちろん絶対音感もない。

6年間、ほとんど練習をサボったことはない。毎日きっちりみっちり練習していた。毎週のピアノのレッスンでどれくらい練習したかを申告するノートでは「毎日3時間以上練習していた」と申告していたくらいだ。

しかし、楽しかったりこだわっていたりして3時間練習していたわけではない。私はどうしようもなくピアノの練習が嫌いだった。前向きな想いで練習できず、エンジンがかかるのにも楽譜を覚えるにも時間がかかった。毎日の3時間は、私が次のレッスンまでに最低限上達しなくてはならないレベルぶに到達するために必要な長さだった。

これでも、ピアノを始めたての頃は6年生の姿を見て「6年練習すれば、あんな難しい曲も弾けるようになるんだ」と夢を見ていた。しかし、6年間練習しても私は難しい曲を弾けないままだった。むしろ習いたての頃よりも覚えが悪くなっていたように思う。

私がこの経験で得たのは、時間をかけてもがむしゃらだけでは技術を習得できない事実を知ったことだった。



「2人が同じ曲を、それぞれ10回練習した」

この文章で、2人がどんな仕上がりになるとイメージするだろうか。同じクオリティになると予想することだろう。

しかし、片方はただ10回同じように弾いていて、もう片方は1回練習するごとに気を付けるポイントを変えているとしたらどうだろう。おそらく、後者の方が仕上がりのクオリティは高くなるはずだ。

私はピアノに関しては、前者の「同じことの繰り返し」でしか練習できなかった。どこを変えればどう良くなるのかが自分だけではわからなかったからだ。

それでも6年間の間に発表会に出られるレベルまで仕上げられた曲が何曲かある。それは、どうすれば良くなるかを教えてくれる存在である、「先生」がいたからだ。

しかし、おそらく「もっと良くしたい」という気持ちがあれば、きっと先生がいなくてもどんどん自走して技術を磨くことができる。明確にクオリティを上げる方法がわからなくても、「どうすれば良くなるか」を指摘する役割である「先生」を本や動画などの中にも見出せるからだ。

確信がなくても「この方法は試したことなかった」「この視点を持てば上達しそう」と練習方法をどんどん変える探求心と、何度も練習する粘り強さ

それこそが、人が技術を習得するために必要なものなのではないかと思う。

しかし困ったことに、私にはどんなものにでも上達方法を見出せる能力の発動条件がある。その学習対象が「とても好き」であることだ。

だから好き加減が「ほどほど」や「ふつう」な場合は、なかなか上達すべき箇所を見つけられない。もちろん本などで上達方法を探したりもするのだが、いざ実践となると既にインプットしたものを忘れてしまう。

では「ふつう」に好きなものの場合、どのように技術を上達させればよいのだろうか。

やはり、「先生」となる存在を見つけるしかないのだと思う。しかし、どうすれば良くなるかを指摘してくれる人というのはそう簡単に見つかるものではない。

そのため、違うタイプの先生に見てもらう方法をとりたい。この場合の先生の役割は「練習が同じことの繰り返しにならないようにするための抑止力」だ。

このやり方で練習を繰り返す場合、先生は指摘できるほどの技術を持っている必要はない。練習しているところを絶対に見てもらえることだけが重要だ。

なぜなら、他の人が見ていると思うと「勝手に変わる」からだ。例えば、気づきを記録するために、自分だけが見る日記と誰かが見るnoteで書いた場合を想像してみてほしい。日記なら適当に書いてしまうことも可能だが、noteの場合は他の人に伝わるように日記より少し丁寧に書くのではないだろうか。

練習が丁寧になると、少しこだわりも出てくる。このこだわりの積み重ねは上達するのかを見出せる能力を持つ人に比べると上達度はゆっくりかもしれない。でも、練習の仕方が変わり続ければ確実にクオリティは向上していくことだろう。



最近、毎日描いているゆるキャラのイラスト練習を何人かに見てもらっている。イラストの指導をできる人はそこにはいない。しかし、少しずつ描くスピードが上がっている気がするし、どこにかわいさが出るのかを考えながら描けるようになってきた。

まだまだ見る人が見たら下手だと思う。だけど、今の私ができるのは「練習を続けたらきっと上達できる」と信じることだけだ。

イラストの他にも技術をあげたいと思う分野はある。文章力はもちろん鍛えたいし、「水族館フォト」もより魅力的に撮れるようになりたい。

これからどんなものに取り組むときも、私は2種類の「先生」の力を借りて技術を向上させていきたいと思う。


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