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カメラを構える物足りなさが消えた日#ときめく水族館さんぽ
大きな水槽を前にして、カメラを構える。
ファインダーを覗くと、淡いブルーの世界が広がっている。
この世界の住人は、マイペースで自由気まま。
銀色の鱗を輝かせながら、目まぐるしいスピードで泳ぐアジの群れ。
小さなひれをパタパタと動かしながら泳ぐ、おちょぼ口のハコフグ。
他の魚を撮っているときに、白いお腹を見せて視界を遮ってくる大きなエイ。
それぞれの動きを見つめながら、気になった瞬間をカメラで切り取る。
モニターで写真を確認したら、次の瞬間を探す。
もう一度カメラを構えるとき、ほんの少し物足りなさを感じる。
どうすれば、この物足りなさは消えるのだろう。
写真を撮る技術が足りないから満足できないのかな。
あれこれと考えながら、私はシャッターを切り続ける。
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どうにか水族館フォトの腕を上げられないか考えていた時、所属している.colonyで変化があった。.colonyはときめきを共有し合うオンラインコミュニティ。今まではジャンルを問わずにときめきを共有しあっていたが、これからは3ヶ月限定になるとのこと。そして、最初のテーマは「写真」だという。
私が一眼レフを買ったのは一年前。それからほぼ水族館でしかカメラを使っていない。
カメラを日常的に使っている人だと水族館で写真が撮れるんだろう。
テーマがカメラなら、他の人の写真から学べることも多いかも。
そう考えた私は、コミュニティに参加することを決めた。そして、せっかくだったら誰かと水族館で写真を撮りたいな、と思ってこんなツイートをした。
新しいどっころ、住人さんたちがたくさん増えてドキドキしている…!楽しみ…!!
— ありぺい🐬 (@aoisketchbook) August 15, 2019
水族館フォトウォークとかしたいな〜🐬#ときめく写真の作り方 #dotcolony
このツイートに反応をもらったことがきっかけとなって.colonyのメンバーと新江ノ島水族館へフォトウォークに行くことが決まった。そのあとはバタバタと参加者を募ったり日程調整をしたり、なんと二回も行くことが決まったりした。
とても楽しみにしている一方で、同じくらい不安も感じていた。
元から.colonyに所属していたとはいえ、顔見知りは片手で数えられるくらいの人数。写真を教えられるだけの技術もなければ、江の島周辺の変わったスポットを知っているわけでもない。
どうしたらみんなに楽しんでもらえるかな……? といろいろと考えているうちに、あっという間に当日を迎えた。
第一回の水族館フォトウォークの朝は、スカッと晴れた青空だった。それまでの不安も吹き飛ぶような天気で、気持ちも晴れやかになった。
新江ノ島水族館前に集まる、白いトップスを着た集団。みんな首からカメラをぶら下げている。きっとあれが.colonyのメンバーたちだ。
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お互いに自己紹介をして、さっそく水族館へ。
頭上の水槽をゆったりと移動していたエイ。
オレンジの傘がきれいな、パシフィックシーネットル。
ほとんどの人に”ニモ”と呼ばれる、カクレクマノミ。
イルカショーでの大ジャンプ。
トリーターに「よくできたね」されているところ。イルカとトリーターさんが触れ合っている瞬間を撮るのが好き。
ここまでは、一人で水族館を回っていても撮れる写真。
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ここからは、.colonyのメンバーと一緒だからこそ残しておきたい、と思った写真。
いつまでも水槽を眺めているところ。
気が付いたら、横一列になって写真を撮っていた瞬間。
水族館のテラスから見える江の島と海を撮っているところ。
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今まで誰かと一緒に水族館を回っていても、一番水槽に張り付いているのは私であることが多くて「誰かを撮る」なんて機会がなかった。
そもそも海の生き物を撮るためにカメラを持ってきているので、人を撮ろうと思ったことはなかった。そもそも私は人を撮るの得意じゃないからそんなもんだよな、くらいに思っていた。
でも、この日だけは違った。
「みんなが撮っているところを残したい」という衝動に駆られ、海の生き物の写真よりもメンバーを必死になって撮ろうとしている自分がいた。
うれしかった。
みんなが隣にいてくれることが。
きっと私みたいに水族館でばかり写真を撮っている人ばかりではないのに、イルカショーでシャッターを切り続けている人がいる。
小さなクリオネを何とか撮ろうとしている人がいる。
狙いを定めた魚が出てくるのをじっと待っている人がいる。
水族館で、自分と同じくらいのの熱量でみんながカメラを構えている。
それが本当にうれしくて、いつもだったら気になる自分の技術不足とか人を撮ることに対しての苦手意識もどこかへ行ってしまっていた。
このうれしさを、覚えていたい。
その思いだけを熱量に、魚はそっちのけでメンバーの写真ばかりを撮っていた。
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水槽の前で、シャッターを切る。
ここぞという瞬間を撮った後は、写真をモニターで確認する。
もう一度カメラを構えたときの物足りなさは、この日はない。
「ねえ、見てみて! 他の魚を撮ろうとすると前に出てくるの。撮られたがり?」
「やっぱり水槽が暗いから、撮るの難しいね」
「アジの群れ、綺麗だけど赤い照明が入っちゃうなー」
目の前の魚の動きについて話したり、モニターを見せ合いっこしたり、撮るときの気持ちを口に出してみたり。
それだけで、私の物足りなさは満たされた。
たぶん今までの私は、さみしかったのだと思う。
かわいい! と思ったカワウソの仕草も、水槽に張り付いてやっと撮れた渾身の一枚も、その瞬間に共有する相手がいないことが多かったから。
水族館で写真を撮ることは、楽しい。
でも、同じ目的でカメラを構えている人が隣にいると、もっと楽しい。
きっと他の好きなことも、同じくらい楽しめる人と一緒だともっと楽しくなるんだろうな。
.colonyのメンバーと水族館フォトウォークに行った日は、好きなことを共有する楽しさを実感して心が満たされた一日だった。
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■第一回 水族館フォトウォーク(2019/9/7)
@新江ノ島水族館&江の島
ずっと楽しみにしていた #dotcolony の水族館フォトウォーク🐠
— ありぺい🐬 (@aoisketchbook) September 7, 2019
水槽の前で肩を並べて写真を撮っているうちに、初めて会う人ともぐっと距離が近くなった気がする☺️
私の一番のときめき場所を.colonyの住人さんと共有できて、とってもうれしかった…!#ときめく水族館さんぽ #ときめく写真の作り方 pic.twitter.com/brURYmNtqx
行き慣れた場所も一緒に行く人や過ごし方が変わると、楽しみ方も変わる。
— ありぺい🐬 (@aoisketchbook) September 9, 2019
写真の撮り合ったり、同じものを違う角度で撮ったり、構図を真似してみたりするのは一人ではできなかったこと。
えのすいと江ノ島をあちこち立ち止まりながら歩く、修学旅行のような一日だった。#ときめく水族館さんぽ pic.twitter.com/ZGu0karvJn
■第二回 水族館フォトウォーク(2019/9/22)
@新江ノ島水族館&鎌倉
やっと先週の水族館の写真が整理できた〜!
— ありぺい🐬 (@aoisketchbook) September 28, 2019
カフェランチしたり、鎌倉まで散歩したり、濃厚なティラミス食べたり、前回とは違った楽しみ方ができてよかったな☺️🐬#ときめく写真の作り方 #dotcolony pic.twitter.com/PqbImgKT5p
キレのあるパフォーマンスに元気をもらったり、穏やかな表情に癒されたり。
— ありぺい🐬 (@aoisketchbook) September 29, 2019
何度観てもまた会いに来たいと思ってしまう。私にとって、永遠のアイドル。#dotcolony#ときめく水族館さんぽ #ありぺい水族館日誌 pic.twitter.com/zgLtxhA6gZ
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