「わかるけど…」でつなぐと、相手は話を聞けなくなるよ
noteマガジン「パートナーシップを磨く」は、(職場や学校や家庭で)安心で安全に話し合える関係と環境を創り出したい人が、その土台となるパートナーシップについて探究できるフィールドです。研修やセッションで扱っているエッセンスを届けています。
連投126日目。
「Aさんが、言っていることはわかるよ。わかるけど…」
だいたい、こういう風に続けられる時っていうのは、このあとAさんが言ったことを否定するような話が続きますよね。だから、「わかるけど」と言われたAさんは、傷つかない準備のために、身構えてしまう…。
でも、まぁ、あなたも言うことがありますよね。
「わかるけど」って前置きする時って、相手が言っていることは本当にわかってはいるんですよね。わかってるんだけど、全面的には賛成できなかったり、事情が違うから承服できなかったりして、自分は考えが違うんだってことを、相手にわかってもらいたくて言うんですよね。
ところが、「わかるけど」と言われた相手からすると、「わかってもらえたな〜」という体験にはなかなかなりにくい。むしろ、なんか説得されている感じがしてしまう。
こうやってみてみると、「わかるんだけど」というフレーズは、何気なく使っていますが、誤解とすれ違いを助長する面があるってことになりますね。
まぁ、要するに、このフレーズって、パートナーシップを損ねるよな〜と思うわけです。なんていうか、次、話すのがちょっとイヤになると言えばいいのか(笑)
あまりにも、そう言われる体験が繰り返されるとと、ちょっと前にやった「どうせ否定されるし…」というパラダイムができちゃうしね。
じゃあ、「あなたが言っていることはわかったよ」と「わたしは考えが違うんだ」を同時に伝えるには、どんなコミュニケーションが効果的かな?
「わかるけど」のフレーズを使う時って、その後に続ける文章が言いたくて(「わたしは考えが違うんだ」を伝えるために)話し始めてますよね。だったら、「わかった」ということを相手にわかってもらうことも意図して、しっかり両方を伝えるように話せばいいだけじゃないのかな。
あなた:Aさんが言っていることはわかるよ。◯◯ってことだよね
Aさん:そうですよ、そういうことです。
ここでまず、一回、区切る。これ、どうしても自然な会話だと、いちいち止まってる感じがするけど、この一区切りがあるかないかでエラい違いです。区切ったあとで、どんなつなぎ方をしたら、相手も聞きやすくなるでしょうか?
わたし、ちょっと考えてみました。
Aさんが「そうですよ、そういうことです」と言ったあとで…
・でね、わたしはね、また違う見方をもっているの。例えばさ…
・うん。そしてね、わたしの場合はね、いまの話とは事情が違うところがあるんだけど、聞いてくれる?
・そういうことだね。で、例えば、こういう見方はどうかな。
という感じで、「明確に逆接的」じゃないように言ってみると、言われた側も受け取りやすくなるかなと思います。
もちろん、セリフレベルだけじゃなく、本当にこちらが相手の考えや意見を受け取っていることがカギです。相手の意見をばっさり否定したり、鼻で笑うような姿勢でいたら、「結局、否定したいんですよね」って伝わってしまいますから、意見を積み重ねていく、あるいは上も下もなく、並列で並べる姿勢でいることで、上のようなフレーズが自然と湧いて出てくるでしょう。
もう一回、言っておきますね。
「わかるけど…」でつないだら、相手はあなたの話をしっかり聞けなくなりますからね!(笑)気をつけてね!