映画『式日』 上映会&ロケ地巡り 【山口旅行】
映画『式日』と出会ったのは、今から18年ほど前になります。当時、岩井俊二監督の作品をよく見ていました。岩井監督が役者として出演している映画があると知り、見たのがこの作品でした。映画を見終わってから、庵野秀明監督の作品であることを知りました。
この作品は好き嫌いがはっきりと分かれると思いますが、今まで見てきた映画の中で一番気に入っています。精神的に落ち込んでいる時に見る事が多く、作中の台詞、映像、ナレーションがとても心地よく、見ていると心が洗われます。
2021年から庵野秀明展が始まり、昨年の夏には山口でも開催されました。そしてそれを記念して山口の宇部を舞台にした『式日』の上映も行われることになりました。
大好きな作品をスクリーンで見る事ができる。しかも監督の出身地である山口で。これは素晴らしい夏の思い出になると思い、山口へ旅行に行きました。
庵野秀明展 山口県立美術館
この作品展を見るのは2回目でした。1回目は2年前の東京会場の時に見ました。大阪会場には物販コーナーで図録を購入するためだけに行ったので、中には入りませんでした。
山口会場では映画に関する資料(ロケ地マップと撮影当時の写真)が新たに追加されていました。当時の庵野監督が写っている写真資料をたくさん見れました。
『式日』上映会 山口情報芸術センター(YCAM)
作品展を見た後は『式日』を見るために、山口情報芸術センターに向かいました。上映会は2年前に東京でも行われていたのですが、平日でしかも1日限定だったので見に行くことはできませんでした。そのため山口で上映されることが決まった時はとても嬉しかったです。
上映会場前のフロアには庵野監督のサインが書かれた『式日』の台本や原作である藤谷文子の『逃避夢』が展示されていました。他にも映画館のスタッフが作成した紹介文などありました。
上映中、数えられないくらい見てきたのに、最後には泣いてしまいました。大好きな作品は映画館のスクリーンで、音響で、臨場感を味わいながら見るのが一番と思いました。
ロケ地巡り
作品展と映画を見た翌日はロケ地巡りを行いました。泊まったホテルはロケ地巡りの1つでもあるビジネスホテル新川でした。ここは作中、カントクが泊まったホテルです。
作品展で手に入れた地図とグーグルマップを使い、ロケ地巡りを始めたわけですが、これらとは別にロケ地巡りのお供として用意したものがあります。それはカントクが飲んでいたuccの缶コーヒーと彼女がいつも持ち歩いていた赤い傘です。
映画で登場したアイテムを使う事で、映画の世界により入り込めると考えたので、用意しました。特に赤い傘は各所で彼女に見立てて撮影するときに役立ちました。まるで彼女がそこにいるかのような感覚になり、とても楽しめました。
ホテルを出てすぐに一匹の猫と出会いました。彼女が拾ってきた猫(ジャムちゃん)によく似ている猫でした。
宇部の街をぶらぶらと歩いていると、赤い鳥居が目に入ったので、立ち寄ってみることにしました。するとそこは、彼女がカントクに話をしている時に出てきた松涛神社でした。会話の中でしか登場しない場所を見つける事ができて、テンションが上がりました。
次に巡った場所は鵜の島公園でした。ここで赤い傘と缶コーヒーを取り出し、映画のシーンと同じような構図で撮影しました。
歩いて移動していたので、あまりのんびりし過ぎると午後からの予定に響くので、その後は宇部興産工場群や銀天街などを巡りました。商店街はシャッターが閉まっているお店が多く、ひっそりとしていました。
そして彼女が生活していた旧太陽家具のビルがあった場所に辿りつきました。この辺りは当時の感じからすっかり変わってしまっていたけど、あのビルを頭の中で想像していました。
午後からは宇部新川駅から常盤駅に移動しました。駅から15分ほど歩き、ときわ公園に到着しました。ここには遊園地、動物園、石炭記念館などがあります。時間の関係で石炭記念館だけ行きました。
ここはDVDの映像特典「鉄道と少女」で登場する場所です。
ロケ地巡りについては以上になります。
最後に
映画のロケ地巡りをしたのは今回が初めてでした。映画が撮影・公開されたのは今から20年以上前。各所を巡ってみて、何もかも変ってしまった所もあれば、当時のままの所もあり、まるでタイムトラベルをした感覚になりました。
念願だった『式日』を映画館で見る事、そしてロケ地を巡る事ができて、とても刺激的で濃すぎる、忘れられない夏の思い出になりました。帰りの新幹線の中で、『逃避夢』を読みながら帰りました。巡る事ができなかった所があるので、また山口を訪れる機会があれば巡りたいと思います。