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「アウトサイダーアーティスト」を仕事にしたい

 こんにちは。小鳥遊汐里(たかなし・しおり)です。
「縁結曼荼羅(えんむすびまんだら)」「算数曼荼羅(さんすうまんだら)」という細密画を描いています。

「キュレーションの時代」という本

「キュレーションの時代」という本に、こんな人が紹介されています。
 ある 70 歳の人が自分の思い出を絵にして残そうと思いたちました。
 それまで全く絵の勉強をしたことなどありません。
 絵が完成。
 その絵を家の外からも見えるように飾っていたところ、たまたまアートの批評家が通りかかります。
 その絵に惚れこんだ評論家は、名だたる美術館で展示をさせてほしい旨頼みこみます。
 絵を描いた本人も快諾。
 展示が決まりました。
「私の描いた絵に価値があるなんて、全く思いもしませんでした」

 こんな例もあります。
 精神病に入院している患者たち。
「作業療法」というものがありまして、その一環として塗り絵をしたり切り絵をしたりしていました。
 ある精神病院に、たまたま美大を卒業したスタッフがいました。
 このスタッフが患者たちの作ったものの中にアートとしての価値を見出しました。
 彼らの作品を、アートとして紹介しはじめます。

「アウトサイダーアーティスト」って何?

 ついに、このような精神病患者・犯罪者・世捨て人たちの作品を集めて公開するアーティストが現れます。
 そのアーティスト、ジャン・デェビッフェはそのようなアート作品を「アールブリュット(生の芸術)」と名づけました。
 その定義は以下のとおり。

 ・芸術教育を受けていない
 ・特定の文化に繋がっていない
 ・自給自足で行われた制作活動
 ・その作品を鑑賞する人の不在
 ・作者はどんな社会的認知や賛辞にもまったく無関心
 ・でも独創的で一貫性のある表現体系が存在している

 本記事では「アールブリュット的なアート作品を作るアーティスト」を「アウトサイダーアーティスト」としています。
 また、デジタルに「アールブリュット」的な否かを論じるのではなく、上記の特徴を多く含むほど「アールブリュット」的だと考えています。

アウトサイダーアーティストの強みと弱み

 特徴の 2 番目の「特定の文化に繋がっていない」という点の表現を変えると、「文化の制約を受けづらい」ということにもなります。
 油田の発掘のようなもので当たれば大きいです。
「どこで受けるか判らない」とも云えますが……。

「作者はどんな社会的認知や賛辞にもまったく無関心」という点は弱みかもしれません。
 作者は「売るプロモーションをしない」のが前提になってしまいますので。

 後者の点につきましては解決策があります。
「売るプロモーション」をする専門家にサポートをお願いすればいいのです。
 文頭でご紹介しました本では、その専門家を「キュレーター」と呼んでいます。
 その「キュレーター」について説明した本なので「キュレーションの時代」というタイトルなのです。

 小鳥遊はアウトサイダーアーティストに憧れていますので記事にまとめてみました。

 最後までご笑読いただきありがとうございました。

写真データ

落書が酷いバス停(コロンビア)の写真素材
Photo by 宮崎大輔

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