新冠ダムの裏話①
新冠川流域に存在するダムは下流から
岩清水ダム
下新冠ダム
新冠ダム
奥新冠ダム
と4つあります。その中で最も規模が大きいのは新冠ダム。
詳細はWikipediaに掲載されていますが、私の釣り仲間Tさんからお伺いした新冠ダム完成前後の昔話を何回かに分けてご紹介させていただきます。
1970年代前半のある日
新冠町内で新冠ダム完成後についての意見交換会が開かれることになりました。
新冠町がダムを
観光資源として活用
する方法を模索しており、そんな経緯から意見交換会を開催する運びになったようです。
この会の参加資格はダム建設に関係する専門家や研究者、淡水魚の有識者、そして新冠町民。
日高の大自然を犠牲にして造られたダムを、何とか釣り人の手に戻すことが出来ないか?
そう考えていたTさんは、意見交換会に出席させていただきたいと町に申請。しかし、他の街に住んでいるため拒否されてしまいました。
そこでTさんは、意見交換会に出席する静内町(現新ひだか町)で耳鼻咽喉科医院を経営しているI先生を訪ねることに。
このI先生、当時静内町はもちろん全国的にも有名な釣り師で別名
『釣り鬼』
と呼ばれ、本州から多くの釣り人が先生を訪ねて来ていたようです。かの有名な釣り師で作家でもあった、故白石勝彦さんも若き日に先生を訪ねています。
I先生は元々、Tさんが住む街の病院に勤めており、後に静内町で開業。Tさんとの久々の再会に、先生は我が子を見るかのように頬を緩め、訪問を歓迎したそうです。
何とか意見交換会に出席することは出来ないかとの旨をI先生に話すと、先生が町に話をつけてくれ、Tさんはオブザーバーとして先生と一緒に出席できることになりました。
オブザーバーなので発言権はないものの、意見を求められた時のみ発言可能という条件付きで。
後日会が意見交換会が開かれ、内水面の活用法についてTさんはI先生から意見を求められました。
そこで何とTさんは
『新冠ダムをルアー、フライなどの疑似餌専門のフィッシングフィールドにするのはどうだろうか?』
と、とても大胆な提案し、釣りの魅力についてレクチャーしました。
当時管内ではルアー、フライの第一次ブームがジワリジワリと押し寄せていて、その提案に町も興味津々。
『非常に面白い試みだ!やってみよう!』
とTさんの提案が意外にもあっさりと通ったそうです(笑)。
ついでにTさんは放流する魚種も提案したのですが、町からは
『新冠ダムに放流する魚はサクラマス(ヤマベ)のみ。』
と、魚種については譲ってくれませんでした。
ご存知の方は少ないと思いますが
新冠ダムは北海道で初めてのルアー、フライの疑似餌専門の釣り場
だったのです。
そして新冠ダムの工事は、ダム堤体へと着手していきます。
ロックフィルダムのため、堤体を造るには岩石が必要です。
建設業者はその岩石を得るために、、、
思わず目を疑ってしまう、とても大胆な方法をとるのでした。
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新冠ダムの裏話②へと続く
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