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BL漫画家、画力低い説〜プロの漫画家が解説します〜

漫画を描くって楽しい! ペガサスハイドです!

今回は「BL漫画家画力低い説」について解説させて頂きます。

最近僕のYouTubeチャンネルの漫画添削動画の中で、BL漫画を紹介させて頂きました。こちらの動画です。

気がつけばなんと、漫画添削動画の100本目だったんですね。視聴者さんの中にはおめでとうコメントをくれた方もいらっしゃいました。ありがとうございます!

この動画の中で僕は、BL漫画を描いている人は、服が正しく描けていない人が多いという話をさせて頂きました。

漫画を描いている人の中には「服を描くのが難しい」とか、「背景を描くのが難しい」と思っている方もいらっしゃると思います。

その中で特に「BL漫画」というジャンルの漫画を描いている人は、二次創作や同人誌に限らず、プロとして連載している人の中でも、洋服や背景が正確ではない人が多いです。

「えっ?  正確に服が書けなくてもプロになれるの?」と疑問に思った人もいらっしゃると思うのですが、 結論から言いますね。洋服や背景が正しく描けなくても、プロの漫画家になることはできます。

特に「BL漫画」というジャンルは、そこが強く表れます。

BL漫画を描いている人をバカにしているわけではありません。BL漫画を描いている人の中にも画力が高い人はたくさんいますし、洋服や背景にこだわりをもって描いている方もたくさんいます。僕の周りにも高い画力をもつBL漫画家さんはたくさんいらっしゃいます。

ではどうしてBL漫画というジャンルは、洋服や背景が描けない人が目立つ
のか?

それはBL漫画というジャンルは、一般的な漫画と違った特有の進化の仕方をしているからです。

それは決して絵が下手でもいいということではなくて、BL漫画は絵を正しく描くということよりも、もっと別の重要なことが重視されるからです。

言い換えれば、その「重視されること」さえ抑えておけば、洋服や背景の画力が弱くても、プロになることができます。

今回はBL漫画というジャンルが、どうして服や背景が正しく描けなくてもプロとして連載している人がいるのか、それらが描けなくても、どうしてプロになれるのかを説明しますね。

このブログがあとでどこに行ったかわからなくならないように、今のうちに登録をよろしくお願い致します!

あなたのマインドがプロのBL漫画と同じレベルになる覚悟はできましたか? それではいきましょう!



① 同人誌からスカウトされる人が多い 


BL漫画家は、元々二次創作の同人誌や個人誌を出していた人が、編集者の目に止まって、漫画家スカウトされることが多いです。中にはそのセンスを買われて、イキナリwebサイトなどの連載漫画からスタートする人もいます。

ですから漫画家として未熟な状態から、いきなり掲載や連載になる人が多いので、人物以外の画力が未熟であることが多いのです。

画力どころか、BL漫画を描いている人は、ストーリーの成り立ちもよくわからないとか、起承転結をちゃんと勉強をしたことがないという人も多いです。

女性は漫画を基礎から勉強するよりも、感覚やセンスで描いている人が多く、どうやって漫画を描いているんですか?と質問すると、「なんとなく…」とか「さぁ…自分でもよくわからないけど、こうなりました」と答える人が多いです。女性は好みや感覚を重視して漫画を描いているからです。

それはそれで素晴らしい才能と言えます。

我々日本人が日本語をしゃべる時、いちいち文法や主語・動詞を考えなくてもしゃべれるように、日本語の中で生活していたら、いつの間にか日本語をしゃべれるようになっているように、BL漫画家も、なんとなく見よう見真似で漫画を描いていたら面白い漫画が描けていました、ということですから、それはそれで素晴らしい才能です。

好みや感覚などのセンスで描いている女性にとって、「服の構造」や「背景パース」といった理論や理屈で物事を考えるのは、とても面倒なので、そういったものは不要と思っている人さえいます。


② 編集者も注意をしない


BL漫画家はスカウトでなる人が多いです。そういう人は編集者から「絵がいい」と思って声を掛けられているので、絵のことを注意されることはほとんどありません。

ここで言う「絵」とは「キャラクター」のことであり、洋服や背景のことではありません。編集者は漫画家ではないので、絵のことは素人です。洋服や背景の描き方のことまで口を出す人はほとんどいません。それは編集者もわからないからです。

編集者に注意されないので、漫画家も「それでいいんだ」と思い、間違ったままでも気がつかないのです。


③ 読者もそれをつっこまない 


BL漫画は読者もほとんど女性です。さらにカッコいい男性キャラクターの顔が見たいと言う人が多いので、洋服とか背景に注目する人は少ないです。

加えて女性は立体構造を理解したり、3Dの世界を2D で表現するということが、とても苦手です。

もっと言えば「そんなのどうでもいいじゃん」とさえ感じる人もいます。読者もツッコまないし、作者も気にしないので、お互いそれでOKとなるのです。

だから「正しく描けなくてもいい」になってしまうことが多いです。

④ 大事なことは画力よりも女性のツボを突くこと 


女性向けの漫画は感情の変化や心の動きを重視されるため、それさえ感じることができれば、顔が連続する漫画でも女性読者はおおかた満足します。

少年漫画よりも少女漫画の方が、背景が細い線で、主張しすぎないように描かれているのは、そういった女性読者の心理をついた描き方なのです。

逆に言えばそれができていない漫画は、いくら画力が高くても、読者に支持されない漫画になります。

女性向けの漫画、特にBL漫画というジャンルは、画力の正確さよりも、重視されることがあるので、画力は二の次になるからです。

⑤ BL漫画家の中にも高い画力をもつ人もいる

誤解がないように最後にこれだけは伝えておきたいのですが、BL漫画を描く全ての人が画力が低いわけではありません、中には洋服のデザインや、背景のリアリティーにこだわっている人もたくさんいます。陰影や立体感を正確に描くことが好きな女性もいらっしゃいます。

BL漫画家の全ての人が同人誌出身とは限りません。元々は一般的な少年漫画や少女漫画を描いていらっしゃった方もいますし、投稿時代に雑誌の編集者に厳しく指導されてきた方もいらっしゃいます。

僕が見ていると、最初は絵の正確さに意識が向かなかったBL漫画家も、連載活動を続けているうちに「これじゃ恥ずかしい」と気がついたり、「自分も一流の漫画家と同レベルになりたい」という向上心が芽生えた人は、自分が苦手だった部分にもこだわりはじめます。

逆に言うと、「絵が正確でなくてもいいじゃん」と思う人は、まだその気づきを得られてない人で、高いレベルで戦っている人は、自分ができていないことに気がついて、プロの漫画家として向上心を持ち始めるように見えます。

僕はペガサス大学という場所で漫画を教えているのですが、僕のところにそういったBL漫画家さんがたくさん集まってきます。僕の学校は、基本的には漫画家になりたいという人に向けて教えている場所なのですが、プロもうなづく気づきや発見が得られる場所なので、すでに連載している漫画家さんや、美術教室の先生など、プロフェッショナルな人も受講生として多数在籍されておられます。

この話はこちらのYouTube動画でも話していますので、是非ご覧になって下さい。

最後まで読んで下さってありがとうございました!

僕は漫画が描きたいとか、漫画家になりたいという人を応援するために「ペガサス大学漫画学部」というものを作っています。漫画を描くことが大好きな方や、本気で漫画家を目指している方、現在連載中のプロの漫画家も僕の所で学びながら単行本を出している方もおられます。

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ブログが面白いと思ってくれた方は、高評価やコメントをしてくれたらうれしいです。最後まで読んでくれて本当にありがとうございました。

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