【感想】オトメ世界の歩き方
ブランド : Orthros
発売日 : 2024-10-25
原画 : ミニョン(mignon) , ゆんみ(SDイラスト)
シナリオ : NYAON
⚠️ここからネタバレあり⚠️
■ネタバレ感想
男の娘って素晴らしい!
全力可愛いユイちゃんバンザイ!
★はじめに
女装潜入にはロマンが詰まっている。
エロゲが誇る素晴らしい文化であります。
長いエロゲ史を紐解くと、男の娘は希望であることが証明されてきました。
世界に誇る大財閥の御曹司とかね。
もし自分が時の権力者であれば、戸籍の性別欄に男の娘を設けて保護を促し、人類の新たな可能性として敬う事でしょう。(ただし可愛い子に限る)
そんな素晴らしいエロゲ文化に新たな歴史が加わりました。
とにかく男の娘は文化なのですよ。
さて、今回はオルトロス最新作『オトメ世界の歩き方』の感想記事でございます。
本作はユイちゃんがくっそ可愛かったユイちゃんゲーであり、ある意味で特急呪物ともいえる爆弾作品でもありました。
事前情報無しでプレイしたのでぶっ飛びましたよ…。
この感想記事では爆弾要素はあまり考えずに、ライトな感想を述べさせていただこうと思います。
毎度ながら偏った感想ですがご容赦いただき、どうかお付き合いくださいませ。
★シュレディンガーのチン
ユイちゃんは女の子です。
だって見てくださいよ、この問答無用の可愛さを。
どこから見たって可憐な女の子そのものでしょ?
まさかまさか、ユイちゃんにチンが付いてるなんてありえない。
そんなことを信じていた時が自分にもありました。
ええ、ありましたとも。
さながらそれはシュレディンガーの猫の如く。
チンさえ観測しなければ、ユイちゃんは女の子でもあり男の子でもあるわけです。
だったら女の子ってことでいいじゃないかと。
でも公式は女装潜入モノだと言い張るわけでしてね、そんな茶番を信じるなんてバカバカしい。
こちとら何人の可愛い女の子を(エロゲで)抱いてきたと思ってるんですか。
エロゲプレイヤーの慧眼を侮辱する行為、許しがたいってもんです。
よし、分かった。
じゃあユイちゃんがチン無しだと観測すれば、女の子って確定するわけですよ。
おけおけ。
公式HPのギャラリーで確認ね。
‥‥付いてんじゃん(某ゲームより引用)
ああ、チン付いてた。長かった。
ってな感じがプレイ直後のムーブ。
まあ女装潜入モノをプレイしたいからオトメきを買ったわけなんで、今さら何言ってんだよですが、マジでユイちゃん可愛かったので女の子にしか見えなかったんです。
銀色の髪を結い、はにかんで微笑む表情は天使のそれ。
もうね、顔がガチ好みなんよ‥‥。
やっぱり顔面大事。
さらにはお声も安心安定の歩サラさんですからなおさらに可愛い。
しかも可愛い姿なのにチンがある。
ああ、ロマンがありますね。
序盤からユイちゃんおっぱい星人疑惑が浮上するくらい真正のむっつりなのも良い。
ちょ、キミ!おっぱい見過ぎぞ!!
姿は女の子でも心はオスなんだね。
でもちょっと露骨だよ。気をつけて。
そんなユイちゃんをさらに輝かせたのは、黄金水をまき散らす嬉ションの大天使アカリエル。
むっっっちゃんこ可愛いじゃないかーーーー!!!
ユイちゃんに並び立つほど問答無用な可愛さ。
顔の良さはもちろん、絶妙なポンコツ具合もたわわなおっぱいの実り具合も素晴らしい。
松岡侑里さんの耳が蕩けそうな甘いお声が可愛すぎて、しかもアカリにぴったり過ぎて優勝しております。
そんなアカリ主導で迎える最初のえっちシーン。
男とは言えチンを意識しなければ女の子であるユイちゃんも、この時だけは猛々しくそびえ立つ長いチンを持つオス。
甘い喘ぎ声の二人、溺れる快楽の沼。
身体を重なるユイちゃんとアカリは男と女であり、女と女でもある。
ユイチンを観測していても、やっぱりどこか百合の香りを感じるんです。
ありえない話なのに、脳が無理矢理にも百合を認識しているというか、両性ユイちゃんという概念を生み出したというか、とにかく思考がバグるんです。
アカリの性の快楽への貪欲さも素晴らしい。
こんなかわいい顔してエロすぎません?
このカップル神かもしれない。
相性が良すぎますって。
しっかり男と女としてセックスして、二人とも女の子として可愛いんですよ。
何言ってるか分からなくなってきましたが、これこそ考えるより感じろってやつで、エロゲの可能性で、夢の詰まったファンタジーなわけです。
これもユイちゃんが男の娘だったおかげ。
ああ、ユイちゃんにチンが付いてて良かった。
本当に良かった。
そう思えた時、オトメキをプレイできて良かったと拳を天高く掲げ、心の中で雄叫びを上げたって話でした。
★オトメ世界を歩いてみた印象は
本作を簡潔にお伝えするなら
”ディストピアを舞台に女装潜入とアンチフェミ思想を描きながらも、真のテーマはアンドロイドの心の成長を通して「オトメの恋心」を全力肯定した恋愛物語”でした。
女の子が恋する気持ちこそ、オトメ世界の歩き方だったわけです。
世界観や設定もかなり凝ったもので、作品の方向性次第で重厚な物語にもできたでしょうが、本作はあくまで緊張感はほどほどなライトな味付け。
それゆえ、幅広い趣向の方に受け入れられる間口の広さが魅力の作品であったと思います。
表層だけを見れば、全力可愛い男の娘が女性の園に潜入するドキドキ展開を期待しますよね。
でも実は、女性上位の世界観や設定のキャッチーさにこそ意識を奪われていきました。
なかでも過剰なフェミニズムの扱いは社会風刺も含まれているように感じます。
ただ、本作のフェミニズムは意図的にエンタメに振られ、「男女隔離法」に見られるような一点突破型の偏ったフェミ思想を敢えて描いていました。
本来のフェミニズムとは「女性が男性と同等の権利を持つべきという思想や運動」なので、女性上位の世界観である本作のフェミニズムは、ただ男性をキモオスとして迫害するための過剰思想と捉えて問題ないでしょう。
要は、SNSで炎上するような過剰なフェミニズムへのアンチ思想や皮肉であり、社会風刺をエンタメ視点で描いていたと言えるでしょう。
その象徴がオタク文化を守る「表現の自由戦士」の存在。
本作のディストピアとは荒廃した世界と人類の存亡以前に、社会的な悪意に振り切ったフェミニズムだったわけです。
こんな特急呪物、エロゲじゃないと表現できないですよね。
この時点で既に面白い。
ただミクが主人公となる物語の後半からは、女装潜入やアンチフェミ思想を物語の根幹に据えるわけでなく、あくまで世界が再び恋をするための舞台装置として機能させるのがニクいところです。しかもディストピアともいえる世界やロボットとの戦争もただ物語を進行するためのバックグラウンドに過ぎず、物語にドラマ性を持たせるスパイスとされています。
世界観やごった煮の属性タグにどうしても意識を奪われがちですが、本作の本質は「恋する乙女心」の肯定であり、それを最後にねじ込んでくる力業が潔いというか、あっぱれというか、そこが落し所だったのかと感心しました。
恋愛物語として異色のように見えて、実は心の機微に目を向ければストレートな恋愛物語なんですよね。可愛い女の子が真剣に恋と向き合っているだけなんです。
それが良いんですよ。
読み進めるのに若干の中弛みはありましたが、最後まで駆け抜け振り返れば、突飛な設定の中に描かれたベタベタな恋愛物語だったという印象です。
多少の粗もユイちゃんの可愛さに押し切られ、最後には満足感を得ることのできる作品でした。
★物語の構成についてちょっとだけ
物語の前半はユイ×アカリ、物語の後半はユイ×ミク、そして最後にはユイ×アカリ×ミク。
それぞれのカップルがシナリオの中で完璧に住み分けされ、ヒロインの立ち位置の変化による恋愛がしっかり描かれたことは非常に好みでした。
物語前半のユイ視点ではアカリとの馴れ初めを愛でながらも、オトメ世界の激動はスピーディ。
目まぐるしく変化していく展開は読み進める楽しみがあり、キャッチーな設定を生かしたシナリオが光っています。
特にアカリはユイの子を孕むことで聖母の片鱗すら垣間見え、本作における正当なヒロインとして君臨していました。
アカリの妊娠は新たな命が芽生え以上に、性差によるベルリンの壁を取り払う大きな意味を持っていたと思います。
ひとりの少女に生まれたオトメの恋心が、歪んだ世界における男女の倫理観すら変える可能性を生んだのでしょう。
物語後半の主人公はミクに変わります。
ミク視点でしか見れなかったリンとの関係性や、ユイを思いやりミクに迫るヤエカの激情は視点の切り替えならではの見どころでした。
マザーのシミュレーションと現実世界の出来事の叙述トリックも素直に面白かったです。
ミク視点での最大の魅力は、恋愛という概念を知らなかったミクが恋を知り、人間らしく心が変革される過程でしょう。
ユイに恋をして、ミクの見ている世界は輝きだします。
そこに生まれてきた意味とする決着は、AIのミクだからこそ心に響くものがありました。
感情を獲得したロボットものの王道は「アァ、コレガナミダカ‥‥」ですが、ミクも同じだったってことですね。
エピローグではユイを巡りアカリとミクの可愛いがぶつかり合ったおしくらまんじゅう展開。
ユイがアカリとミクに迫られるえっちシーンは最後にたどり着いたプレイヤーへのご褒美でした。
まぁまぁ強引な展開なんですが、新たなカップルの概念誕生は物語のロジックとしては納得感もあり、二股が生んだ幸せな帰結であったと結論付けることが出来ました。
新たに生まれる命が世界を変える可能性を含め、みんなが幸せであるならご都合展開でも何でもいいです。
★女装潜入モノの様式美は過去のもの?
女装潜入モノ最大の見どころは女装バレですよね。
主人公を女の子だと思っていたヒロイン達が真実を知った時のリアクションこそ様式美とされ、女装潜入モノの最大の盛り上がりどころでもあります。
ですがどうやらこの様式美は、ある意味で時代から取り残されてしまったのかもしれません。
個人的に女装バレ展開の好きなところは、女の子と思っていた主人公の性別が実は男だったとしても、性別に関係無く“その人だから好き”ってヒロインが受け入れる展開です。
これは関係性の崩壊から再構築があってこそ輝くものだと考えています。
でも本作の女装バレは、ヒロインたちにすんなり受け入れられてしまうので刺激的な展開は一切なく、女装潜入モノ最大の楽しみを享受できなかったのは残念でした。
これは何でだろうって考えてみると、不要なストレスの排除の意味合いがあったのかもしれません。
今の時代においてはメンタルブレイク案件ともいえ、プレイヤーに一定のストレスを発生させます。
現代社会におけるメンタルヘルスは重要課題であるのは間違いないので、敢えて女装バレ展開から刺激要素を排除したのかもしれません。
これも時代対応なのかもしれませんね。
ここで述べたことは完全に個人的な解釈なので、戯言と捉えていただいて構いません。
実際にどうなのかは分かりませんので。
■最後にまとめ
作品全体を見渡せば、可愛いとシナリオのバランスがとれた良作であったと結論付けます。
個人的に本作最大の評価ポイントは、冷静に考えれば絶望的に悲惨な世界なのに、あくまで可愛いこそ正義を貫いていたことでした。これはmignonさんの原画の力が大きかったと思います。
もともとの購入動機は完全にビジュアル買いだったので大満足でした。
願わくば、NYAONさんの過去作である『オトメ*ドメイン』とオトメキのコラボとかあれば嬉しいですね。
どうかブランドの壁を超えて、湊くん×ユイちゃんの絡みも見てみたいと思ってしまいました。
これは新たな扉を開けそうな予感が‥‥。
風莉とアカリのおしっこ娘の百合も良いかも。
では最後に謝辞を。
キャッチーな作品を届けてくれたオルトロスの皆様、作品に関られたすべての方に感謝を。
また、この感想にお付き合いくださったあなたにも最大限の感謝を。
ありがとうございました。