大丈夫マン/藤岡拓太郎
「大丈夫?」「大丈夫だよ」「全然大丈夫!」「大丈夫っしょ」「大丈夫でーす」
「大丈夫」って言葉は、何かしら大丈夫じゃないときにその場に発せられる言葉だよなぁって思う。誰からとかは関係なく、自然発生してる言葉だと思う。
藤岡拓太郎さんの「大丈夫マン 藤岡拓太郎作品集」を読んだ。絵からして何ページかめくって、くだらない系なんだろうな〜って面白く読んでたら、良い話もいっぱいあって、あれ?ってなった。勝手な感覚だけど、くだらない以上に良い話の方が印象に残ってて。それはあとがきを読んだのも影響してるかも。
ずっと家族と編集さんにしか漫画を読んでもらえなくて、ネットに出してみてようやくいろんな人に読んでもらえて可能性が広がった、でも、SNSでの成功に必ず伴ってくる誹謗中傷でこころが疲れてしまった、そのときに自分に対して書いたのが「大丈夫マン」。
最近読んだインタビューで平手友梨奈も大丈夫って言葉が好きじゃないって話してたけど。
https://mdpr.jp/interview/detail/2525790
何で大人になるとこんなに心が疲れちゃうんだろうなぁ。子どもの頃、いったいどうやって生き過ごしてたんだろうってくらい、毎日心の疲れを感じる。
全然、大丈夫じゃない人いっぱいいると思う。
SNSで攻撃を受けたことないけれど、会社に毎日のように変なメール来てたりするのをみて、少し気持ち悪くなった。飛行機に乗り遅れたことを隣でクレームの電話かけてる人の言葉を永遠に聞いてたときも、本当に気分が悪くなった。自分宛じゃない言葉でさえ、苦しい。そういう言葉たちには、感染力の高い毒が宿られてるんだなと思う。なぜそういうのが生み出されてしまうのか。
藤岡さんがあとがきに書いてた、不安をキャラクター化して名前をつけるっていうの良いなって思った。たまにうわーはい、やばいこの状況、きましたきました、はいはいはい、みたいなテンションの時あるけど、たしかにキャラクター化して可愛いイラスト描いたら、そんな不安にも愛着が湧くのかな。おもしろそう。
とりあえず月曜から仕事の憂鬱に対して、まずはうーん、ハッキョウマンボウと名付けよう。絵はあとで描いておく。
大丈夫って言葉が減りますように。