コロナ差別に怯える母、近所と“密”な田舎の実態
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家族が新型コロナウイルスに罹患し、現在闘病中。離れて住む家族はこの事態にどう向き合っているのか、ほぼリアルタイムに更新中。気になった方は、「新型コロナウイルスに罹患、家族がいまできること」からお読みください。
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コロナという未知の病と戦っている母。ただでさえ先の見えない入院生活で不安が募っているわけだが、さらにその不安を大きくしているのは、度々報道される「コロナ差別」である。震災のときがそうだったように、不測の事態が起きた時には誤った情報が広がりやすく、それによって不当な差別や偏見が生み出される。今回の新型コロナウイルス感染症の場合も同様で、感染者=感染源という構図ができることから、たちまち犯人探しの様相を呈する。感染者がどこに立ち寄ったのか、どういう人と接触したのかなど、事細かに報道されることも多い。
田舎になれば、その傾向が顕著に現れる。東京都のように1日の感染者数が多ければそれも薄れるが、日にあまり感染者が出ていない県であれば、悪目立ちしてしまう。その上、田舎の噂話の拡大スピードは早い。近所の○○スーパーが消毒していたという目撃情報から、コロナの感染者が立ち寄ったのではないかという噂が広まっていたりする。
現在のところ、両親が直接差別の被害を受けているわけではないが、気が気でないのは確かだ。田舎は近所付き合いが密であることから、毎日ご近所と挨拶を交わしたりもする。両親とも入院していた時期は、家を留守にしていたため、近所に不審に思われていたことだろう。実際、父が退院後、10日以上ぶりに向かいの家の人と顔を合わせたところ、姿を見なかった理由を聞かれたそうだ。
実家は自営業を営んでいるため、コロナ差別による風評被害も心配である。そのため、念には念を入れ、コロナに罹患したことは一部の従業員にしか知らせず、秘密裏に入院していたほどだ。近々、両親共に出席する予定のイベントを控えている。不審に思われないためにも、母はなんとしてもそのXデーまでには退院を望んでいる。
今、コロナに罹患した患者は少なからず、こうした差別や偏見、いじめなどに脅かされたり、怯えたりしていることだろう。自分がその加害者にならないためにも、常に正しい情報に基づいて、発信には気をつけてほしいと思う。戒めを込めて。
(つづく)
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