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感染経路不明の母、PCR検査があっさり受けられたワケ

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母から、PCR検査で陽性が出たと聞いたとき、気が動転してしまっていたが、冷静になってみると、一つの疑問が浮かぶ。

「そもそも、PCR検査ってそんなに簡単に受けられるのか?」

芸能人を筆頭に、検査を受けたくても受けられない、相談窓口となっている保健所に電話がつながらないといった報道を良く耳にしていたからだ。身近なところでは、知人の家族の悲痛な叫びを聞いたばかりである。熱や咳などの症状を訴えていたものの、最初は保健所に取り合ってもらえず、感染源であるクラスター発生施設を訪れていた事実を切実に訴えたことで、ようやく検査にこぎ着けたということだ。

では、PCR検査は、本当に受けにくいのか。厚生労働省によれば、クラスターや重症化リスクの高い方々を優先してきたため、人口10万人当たりの検査実施件数は、諸外国と比較して少ない状況。具体的には、2020年5月4日時点で多いときで1日9000件ほど。背景には、相談窓口となり検査につなぐ機能を担う保健所が業務過多であること、検査スピードが上がらないといったことが挙げられている。

本題に戻すと、母はなぜPCR検査をすぐに受けることができたのか。なお、母はクラスター発生地を訪れていたり、濃厚接触者でもないため、感染経路不明である。自分なりに分析してみると、以下の3つの条件がそろったことが理由と考えられる。

(1)1週間以上、37.5度以上の高熱が続いていた
(2)高齢者かつ、持病を持っていた
(3)ドライブスルー検査の導入が進んでいた

(1)については、厚生労働省などが発表している条件に当てはまる。(2)については、症状が深刻化しやすいと言われている点で考慮されたと思われる。
(3)については、車に乗ったまま検体を採取するドライブスルー方式と呼ばれる検査方法の導入により、検査能力が向上したためと考えられる。同方式は、現在様々な自治体が導入を進めており、検査数向上に寄与するものと期待される。検査速度が向上したことで、検査対象が広がった。そのため、母のように感染経路が分かっていない人でも検査が受けられるようになった。当初は重症患者やクラスター、濃厚接触者などに限られていた。
ドライブスルー検査では、ある病院の駐車場まで父の運転する自家用車で出向き、窓越しで検体を採取されたという。その日は、何台もの車が行列していたそうだ。
母曰く、綿棒のようなものを鼻に入れられ、奥と手前の2箇所ぐりぐりとされたそうだ。インフルエンザの検査に比べ、少し痛い程度だったとのこと。

翌日の早朝、検査結果は陽性との電話が保健所からあった。午後には入院するとの連絡がある。

(つづく)

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