きっかけはパジャマ
26歳くらいのとき、ちゃんとパジャマを着て寝ようと決意した。
きっかけは確か、雑誌とか読んでて、丁寧な暮らしに憧れたからだったと思う。
「丁寧な暮らしといえばまずパジャマじゃね?」だった気がする。
試しに無印良品で買ってみたのがこういうやつ。
早速着てみると、丁寧な暮らし感がエグかった。
既に自分は丁寧な暮らしをしているんじゃないかと錯覚してしまうくらい。
着心地も良い。
確か僕は半袖を買って、夏に着ていたのだけど、すごく快適だった。
今までTシャツで寝苦しくしていた時間を返してほしい。
朝起きて、パジャマ姿で顔を洗っている自分を鏡越しに確認し、
「丁寧すぎるだろ・・」と毎日嬉しくなりました。
正直パジャマくらいで殆ど何も変わってない、ちょっと寝やすくなっただけなんですが、素直に拘りを持てたことが嬉しかったのです。
”拘り”って、若干無理してるところあるじゃないですか。
本当は王道J-POP聴きたいのに、敢えてHIP HOPを聴こうとする中学生みたいな。
いつからか、親が用意してくれたパジャマを着なくなり、夏場はTシャツと短パン、冬はスウェットに変わったわけで。
恐らく同世代は今もそういう人が大半である中で、
僕は敢えて、パジャマ。
だって、丁寧に暮らしているから。
という自己満足が、僕を気持ちよくさせてくれました。
そしてパジャマで気を良くした僕は無意識に、少しずつ丁寧な暮らしに移行していきました。
自作のレモンシロップを瓶で保管して、自家製レモンスカッシュとかレモンサワーを飲んでました。
もちろん風呂上りにパジャマ姿で。
冬場は朝ごはんの代わりに、バターコーヒーを淹れて飲んでました。
朝、パジャマで。
バルコニーで、豆苗も育てました。
これはすぐに飽きました。
思い返すと、その頃は仕事はめんどくさくても、日々充実していたように思います。
誰かに強制されていたわけではなく、自分がやりたくてやっていることって、まったく面倒じゃない。
そして、どんどん心が豊かになっていたはず。そのときは気づいていないけど。
海外転勤の際、パジャマは持ってこなかった。
特に理由はない。まあ、いっか、くらい。
だからかどうかは知らないが、今の生活は、全く丁寧ではない。
自炊もしない、掃除もテキトー、テーブルの上はぐちゃぐちゃ。
気持ちも心なしか空虚、ただ無為に日々を過ごしている。
心を豊かにするきっかけは、単純だ。
この状況が終わったら、またパジャマを買いに行こう。
スイカ柄とかがいいな。アホっぽくて。
Twitterアカウント : https://twitter.com/Peeeta_frwl
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?