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日本のアンコとメキシコのfrijoles ~初めて食べるとビックリする
スペイン語学習初心者さんへ
今回は、日本とメキシコの食文化の違いについてです。
メキシコには、frijoles(フリホーレス)という料理があります。
黒インゲン豆を塩ゆでしたものです。
豆粒のままのものもあれば、すりつぶしたものもあります。
すりつぶしたものは、こしあんに似ています。
私が初めてメキシコで食べたとき、びっくりしました。
アンコのつもりで、口に入れたらしょっぱかったからです。
逆に、メキシコ人たちは日本のアンコが嫌いだと言います。
ナニコレ?と怪訝な顔をします。
◆ ◇ ◆ ◇
私が初めて、メキシコを旅行したときのこと。
まだロクにスペイン語もできない状態で、現地に到着しました。
お腹が空いて、ともあれ宿の近くの食堂で日替わりを注文しました。
プレートには、炒めご飯、目玉焼き、牛肉などがのっていました。
周辺の客のまねをして、それらをトルティージャに包んで食べました。
ご飯の脇に黒色の、謎のすりつぶした料理が添えられました。
この料理はなんだろう、見た目はアンコそのものじゃないか。
何気なく口に入れるや、しょっぱくてびっくりしました。
黒いんげんを塩ゆでして、すりつぶしたものだと知りました。
嫌いな味ではなかったので、すぐになじめましたけれど。
旅行中、長距離バスで夜間移動する機会がありました。
グアダラハラのメキシコ人女性が、隣に座りました。
当時私はスペイン語はできず、彼女も英語は私と同じく片言程度。
それでも英西語のチャンポンで、必死になって話をしました。
私はフリホーレスの話をしました。
日本にはアンコという食べ物がある。
フリホーレスと似ているけど、甘いんだよって。
彼女は、ホントに?信じられない!って大笑いしました。
◆ ◇ ◆ ◇
仕事の出張帰り、新幹線の車内でメキシコ人と偶然知り合いました。
大のアニメ好きで、日本旅行中でした。
その頃には、多少スペイン語が理解できるようになっていました。
彼とは仲良くなり、数年後東京を一緒に散策しました。
私は彼に、フリホーレスの体験談をしました。
やはり彼も、アンコは知っていたものの、食べる気にはなれないと。
甘いフリホーレスだなんて、信じられないって。
アニメファンの彼に、ドラえもんの話をしました。
ドラえもんがよく食べるお菓子、どら焼きにも入っているんだから。
そう説明すると彼の表情が変わり、ためしてみようかと言いました。
近くの和菓子店に連れていき、どら焼きをすすめました。
フリホーレスとは違うけれど、悪くないねって言ってくれました。
******
frijol:黒いんげん豆に関するお話でした。
初めて食べた時にびっくりしたことは、今でも忘れられません。
アンコに似ているのに、味はしょっぱいだなんて。
メキシコ人たちにこの話題を出すと、笑い出します。
アンコを知らない方は、信じられないって反応をします。
日本食文化を知る人も、食べる気にはなれないと敬遠します。
なお、黒いんげんは中南米で広く食されています。
肉といっしょに煮込んで、ご飯にかけて食べる国もあります。
ブラジルではフェイジョアと呼んでいます。
お読みいただきありがとうございます。