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スペイン語会話で、漠然とした"いいね"は通用しない ~自分の意見が問われる

スペイン語学習初心者さんへ

学習初期段階は、あいさつやフレーズを覚えることでしょう。
覚えるたびに表現の幅が広がり、学習が楽しくなる時期です。
何度か話をしていれば、友人もできるでしょう。

一つ覚えておいてもらいたいことがあります。
仲良くなっていく過程で、込み入った話が多くなります。
深いやり取りをする中で、自分の意見が重要となります。
スペイン語の実力の前に、その人の考えそのものが問われます。

    ◆    ◇    ◆    ◇

具体的例をもとに話をしましょう。

スペイン語圏の人と、一緒に食事をしたとします。
彼/彼女はあなたに、美味しいですかと質問してきました。
あなたは感じるままに、美味しいですよと応じました。

と、その時、彼/彼女はあなたに質問してきました。

¿Qué bueno que te haya gustado (料理名)?
料理のどんなところが気に入ったのですか?

そう聞かれて、即答できるでしょうか?
彼らから質問されたら、即答すること。
考える時間は数秒、黙ってしまったら会話が続きませんから。
その場のでっちあげでもいいから、自分の意見を言うこと。

    ◆    ◇    ◆    ◇

ここで、私の経験をお話します。

グアテマラ旅行中、ガイドさんにtamalをいただきました。
奥さんのお手製で、お弁当を少し分けてくれました。

トウモロコシの粉を溶き、油と肉を入れて蒸したものです。
バナナの皮に包んで蒸したものを見たのは初めてでした。

美味しいか?と聞かれ、深く考えず美味しいよと答えました。
その後、彼はくだんの質問を私にしました。
早口であったため、最初は聞き取れませんでした。
彼は、どうしても私の感想を聞きたかったようでした。
ゆっくりと、噛んで含めるように問うてきたのでした。

不意を突かれた格好でしたが、即座に応答しました。

No es salado, ni pesado.
Con carne, esta bien.

しょっぱ過ぎず、くどくもない
肉が入っているのがいいね

彼は答えに満足し、さらに会話が弾んだのでした。
決して上手なスペイン語ではありません。
しかし語彙や文法の拙さは、彼らが補ってくれます。

    ◆    ◇    ◆    ◇

なんでそんなことを聞くの?と思うかもしれません。
でも彼らにとって、相手の考えを聞くのは自然なことです。
だからこそ、日ごろから自分の意見を持つことが大事です。
ものごとを分析的に捉える練習も有効だと思います。

反対に日本人同士では、深く考えないことが多いです。
良い物は、理屈じゃなくて感じるものだから。
変に言葉にしてしまうと、何かが違うような気がする。
ものごとの良さを味わうのに、時として言葉は邪魔になる。
無粋なことを言うんじゃないって。

良いとか悪いとかの話ではなくて、捉え方の問題です。
私も純日本人だから、そういう感覚を支持します。

ただ、外国語を通じてのやり取りでは、そうもいかない。
だから、思考の切り替えは必要なんだと思いますよ。
感覚で捉えたことを、言葉に置き換える訓練は必要なのだと。

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自分の意見を持つことについてお話しました。
いつ、どんな質問をされても返せるようになってください。
日常生活のなかで、独り突っ込みするのも良い訓練になります。

¿Qué bueno que te haya gustado?

これは私にとって、忘れられない言葉の一つになりました。
彼らの思考を知るうえで、重要なキーワードだと思います。

お読みいただきありがとうございます。

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