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【レビュー】La Liga 24-25 #3 ラージョ・バジェカーノ VS FCバルセロナ

こんにちは!08-09シーズン、ペップ率いるバルサのサッカーに惹かれて以降、バルサを愛してやまないShunと申します。今シーズンからバルサに関する様々な情報を発信していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

第4回はラリーガ 24-25シーズン 第3節 ラージョ・バジェカーノ対FCバルセロナのマッチレビューです。最後までご覧頂けたら幸いです。

■マッチプレビュー(両チームの状況)

まずホームのラージョ。開幕節でラレアルを2-1で下し、第2節ヘタフェとの試合をドローで終え、ここまで1勝1分。昨シーズン途中に就任したイニゴペレス監督率いるチームは今夏の移籍市場では、グラナダからグンバウ、アルメリアからエンバルバをそれぞれレンタルで獲得。そして、バルサとの試合の数時間前、サプライズが。コロンビア代表ハメス・ロドリゲスがサンパウロからフリーでの加入が発表され、戦力をアップさせました。

一方アウェイチームのバルサ。前節ホーム開幕戦でアスレティック・クルブを2-1で下し、開幕2連勝発進。ギュンドアン、ラングレ、ロケの放出、クリステンセンの中長期 離脱もあり、サラリーキャップの壁を越え、ついに新加入ダニ・オルモの選手登録が完了。一方でエリックガルシアが負傷し、故障人リストが増えている状況。ピッチ外では、クラブのレジェンドや功労者に対する誠意を欠いた対応や移籍市場における計画性の無い動きをするクラブの上層部に対し、クレは不信感を示しており、クラブ内の問題は未だ解決できていません。

■ラインナップ

両チームのスタメンはこちら。

(左側がバルサ、右側がラージョ)

まずは、ホームのラージョ。1-4-4-2のシステムで、前節ヘタフェ戦から4人メンバーを変更してきました。エンテカ、エンバルバ、トレホ、シスに代わり、ウナイロペス、アルバロガルシア、カメージョ、イシが起用されました。サプライズで加入が発表されたハメス・ロドリゲスはスタンドから試合を見守ります。
一方のバルサ。1-4-2-3-1のシステムで、11人中、10人が前節と同じメンバー。左SBはバルデに代わり、ジェラールマルティンを起用。バルデは怪我からの復帰ということもあり、休養と言ったところでしょうか。

試合の主審はバルサ戦で物議を醸し出すことが多いソトグラードが務めます。

■前半振り返り

前半。一言で言えば、バルサにとって”最悪の前半”でした。ピッチのサイズが100m×65mとラリーガ最小のピッチで苦戦を強いられます。ラージョにとってはホーム開幕戦で、ファンの後押しを全面的に受けるホームチームの圧力をもろに受け、特に序盤はアタッキングサードに侵入することとままになりませんでした。セカンドボールの回収もラージョが上回り、試合のペースを掴み切れない展開に。

(序盤:両チームの配置の噛み合わせイメージ)

バルサのビルドアップに対し、ラージョはハイプレスで対抗。イシがベルナルの監視役でした。テアシュテーゲンがボールを持っている時はベルナルの前に立ち、クバルシにボールが渡ると、ベルナルを背中で消しながら、クバルシにプレスをかけにいく形。それに連動して、カメージョがテアシュテーゲンへのコースを切ります。ラージョはハイプレスを敷く際に前線2枚と中盤4枚のスライドが徹底されており、それに対してクバルシやイニゴは、レヴァンドフスキやラフィーニャへのミドルパスで打開を試みる形しか成す術がありませんでした。
その中で、前半10分に試合は動きます。左サイドでのスローインの流れから、ムミンからバリウへのサイドチェンジ→バリウのヘディングでパスでジェラールマルティンの背後を取り、フルートスの折り返しをウナイロペスがニアを撃ち抜き、ホームのラージョが先制します。

(バルサが失点する直前の、ラージョにDFライン背後への突破を許すシーン)

フリック体制のバルサは、ウイングが相手CBにファーストプレスをかけるので、そこでプレスを搔い潜られると、ウイングのプレスバックが遅れ、両SBが難しい対応を強いられる状況が必然的に生まれます。失点シーンのように、プレスがハマらない→ジェラールマルティンの背後を狙われるシーンが多く、そこでアタッキングサードに侵入を許す形となっていました。
一方のバルサはラミンの個人技を中心に攻撃を試みますが、ラージョの守備を前に攻めあぐねる展開。前半はこのままスコアは動かず、0-1で前半終了。

■後半振り返り

後半。前半劣勢だったバルサはハーフタイムでフェランを下げ、新加入のオルモがついに登場。トップ下にオルモ、左SHにラフィーニャという初期配置に変更。そしてこの試合の全てを変えたのはこのオルモでした。いきなり後半開始直後のファーストプレーで魅せます。ベルナルのパスを後ろ向きで受けると反転→ファーストタッチで相手で剝がすと、少し運んで、ジェラールマルティンへパス。リターンパスを自らパスを受け、細かいタッチでペナルティーエリアに侵入すると、相手と交錯。PKでもおかしくないシーンでしたが、ここは認められず。後半14分にはクロスバー直撃のミドルシュート。ラマシアが産んだクラックの投入により、ペドリやベルナルの配給、ボール運びに余裕が生まれ、明らかに試合の流れが変わります。

(ダニオルモ: スペースの使い方の上手さが表れたシーン)

オルモは卓越したテクニックを持っており、上手いのは以前から重々承知していましたが、この試合を見て改めて思ったのが、「スペースの認知と使い方」が素晴らしいなあと。「味方と相手がどんな動きをして、どこにスペースが生まれて、そのスペースに自分がいつ入れば、自分が良い態勢でボールを受けられるのか」を瞬時に判断する力があらゆるシーンで際立っていました。
その中で迎えた、後半15分。センターサークルでボールを拾ったペドリが相手のプレスを見て、アタッキングサードまでボールを運び、ラフィーニャへパス。ペナルティーエリアでペドリがリターンパスを受けると、最後は左足で流し込み、バルサが同点に追いつきます。
そして、後半26分。ラミンのシュートをレヴァンドフスキが押し込みますが、その前のプレーでクンデにファールがあったとしてゴールは幻に。
なおも攻勢を強めるバルサ。
そして後半37分、待望の瞬間が訪れます。左サイドでのFKの流れから、右サイドでバルデがこぼれ球を拾うと、ラミンへパス。ラミンが推進力のあるドリブルでペナルティーエリアに侵入するとマイナスのパスをオルモへ。パスを受けたオルモは左足で完璧なファーストタッチを見せるとそのまま左足でコントロールショット。これがゴール左隅に決まり、バルサがついに逆転。

その後は両チームともに、アタッキングサードに侵入するシーンを作るもスコアは動かず、試合はこのまま2-1で試合終了。バルサが逆転勝利で開幕3連勝を飾り、ラリーガ 単独首位に立ちました。開幕3連勝は18-19シーズン以来となります。
ただ、非常に悲しいニュースが。試合終了間際、17歳マルク・ベルナルがイシとの接触で左膝の前十字靭帯断裂と左膝の半月板損傷。復帰時期は今のところ不明ですが、おそらく今シーズンの大半の欠場が見込まれます。プレシーズン〜開幕3試合で抜群のプレーを連発し、クレの心をつかんで今シーズンどこまでやれるのか楽しみだった選手なだけに、ここでの大怪我は非常につらいです。
Mucho ánimo, Marc! Estoy seguro que volverás más fuerte. Estamos contigo.(マルク頑張って! あなたがさらに強くなって戻って来ることを確信しています。あなたとともに。)

■個人的MVP

個人的MVPは言うまでもなくオルモですね。幼少期をバルサで過ごしたカンテラーノは、サラリーキャップの問題で選出登録が完了せず、開幕節で前節は欠場となりましたが、選手登録が完了した今節では、後半頭からの出場で、試合の流れを一人で変えました。ファーストプレーでいきなり華麗なタッチを見せPK疑惑のシーンを演出したほか、得意のミドルシュートでクロスバーを叩くなど、輝かしいプレーを見せました。そして、バルサ復帰を自ら祝うゴールで、バルサを逆転勝利に導きました。バルサでのデビュー戦とは思えないほど、周りとの連携が素晴らしく、今後が楽しみでしかないです。ちなみにラリーガ公式MVPも、もちろんオルモでした。

■次節バジャドリード戦に向けて

さて次節は中3日、ホームでバジャドリードとの一戦となります。キックオフ時間は9月1日(日)0時(日本時間)です。
昇格チームとの試合ですが、9月代表ウィーク中断前の最後の試合ですし、侮ることなくしっかりと勝ち点3を積んで開幕4連勝を飾りたいところです。
オルモ筆頭に選手たちのさらなる爆発に期待して試合を待ち望みたいと思います。
今回はここまで。
バジャドリード戦のマッチプレビューは書けるか不明ですが、また次回!

最後までご覧いただき、ありがとうございました。





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