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【レビュー】Supercopa de España24-25 #7 FCバルセロナ VS レアル・マドリード

皆さまお久しぶりです。Shunです。11月末にDELE(国際スペイン語検定)の受験があったり、12月は仕事が忙しかったりとここ最近はブログを書けていませんでしたが、この試合から再開しようと思うので引き続きよろしくお願いします!(毎試合できるかは不明ですが)

第7回は昨日行われたスーペルコパ決勝FCバルセロナ対レアルマドリードのマッチレビューです。最後までお読みいただけますと幸いです。

■マッチプレビュー(両チームの状況)

まずは、バルサのチーム状況。2025年は国王杯のバルバストロ戦を4-0、スーペルコパ準決勝のアトレティック戦を2-0と2連勝・2試合クリーンシートでスーペルコパ決勝を迎えます。ただ、年末年始にかけてサラリーキャップ制度およびバルサの財政状況により2024年夏に加入したダニオルモとパウビクトルの選手登録が取消され、バルサはラリーガおよびスペインサッカー協会と大きく揉める事態となりました。(この件はクリステンセンの長期離脱により特例措置によって元々12月末までの登録となっており、バルサが12月31日までにサラリーキャップ制度の問題を解決できない場合には登録が取消されることが決まっていました)結局、バルサはスペイン政府のスポーツ上級委員会(CSD)に本件を訴え、CSDは最終的に解決されるまでの暫定措置としてダニオルモとパウダビクトルの登録を認めました。またエリックガルシアとアンスファティがジローナへ、フレンキーデヨングの放出、アラウホのユベントスの移籍など移籍関連でも騒がしくなってきています。

続いて、マドリーのチーム状況。2024年をラリーガ首位で終えたマドリーは、2024年12月にラリーガでアトレティックに破れて以降は公式戦8試合負けなし、スーペルコパ準決勝ではマジョルカを3-0で下し、決勝へ進みました。2025年はラリーガのバレンシア戦、国王杯のミネラ戦、マジョルカ戦に勝利し3連勝スタート。そしてシーズン開幕時には本来の力を出せていなかったエンバペは12月以降の9試合で5ゴール2アシストと徐々に調子を上げています。カルバハル、ミリトンが負傷により離脱している一方で長期離脱していたアラバが戦列復帰を果たしました。

■ラインナップ

(左側がバルサ、右側がマドリ―)

両チームのスタメンはこちら。
まずはホームのバルサ。システムは1-4-2-3-1で、準決勝アトレティック戦と同じメンバーとなりました。GKには国王杯でバルサでのデビューを果たしたシュチェスニがアトレティック戦に続きスタメン起用。トップ下にはガビ、登録問題に揺れたオルモはベンチスタート。
一方のマドリー、システムは1-4-2-1-3でこちらも準決勝マジョルカ戦と同じラインナップ。CBはチュアメニとリュディガーがコンビを組みます。

■前半振り返り

バルサが序盤からボールを握る展開となりますが、前半5分マドリーの9番がスコアを動かします。バルサのコーナーキックのセカンドボールをヴィニシウスがカサドから奪い、カウンター発動。ヴィニシウスからパスを受けたエンバぺは長い距離をドリブルで前進、最後はバルデを交わし右足でシュート。バルサは早い時間帯に先制を許す形となりました。
バルサもすぐさま反撃。22分にラミンが魅せます。クンデ→レヴィ→ラミンと繋ぐと、メッシを彷彿させるとようなカットインで相手を切り裂き、最後はゴールへのパスのようなシュートでネットを揺らします。このラミンのプレーはまさに16-17シーズンのベルナベウで行われたクラシコ(3-2バルサ勝利)のメッシの同点弾を思い出させ、そのゴールに重ねて見ているクレも多いのではないでしょうか。

(ラミンの1点目に繋がるクンデからレヴィへのパスシーン)

↑このゴールのキーファクターはクンデにボールが入る時のガビの動きでした。クバルシからクンデにボールが入ったタイミングでガビが右斜め上にランニングしたため、マークについていたカマヴィンガはガビに当然ついていき、クンデからレヴィへのパスコース・スペースが空きました。そして、ガビがメンディに向かって動いたことで、ラミンを見ていたメンディは、自分がガビに出ていくのか一瞬の迷いが生じ、ラミンがフリーになり、レヴィからのフリックを良い態勢で受けることができました。「ボールに触れずとも一つのプレーのうちに一瞬で2つのパスコースを創り出した」ガビに脱帽です。
その後はイニゴが負傷するアクシデントがありましたが、バルサがボールを保持しながらペースを握る展開に。そして、前半36分ペナルティーエリアでガビがカマヴィンガと接触してPK獲得。このPKをレヴィがきっちり決め、バルサが逆転します。
その直後39分。セカンドボールを回収したクンデがすぐさまラフィーニャへスーパーミドルパス。これをラフィーニャが頭で上手く合わせ3-1。フリックがチームに植え付ける「縦への意識」が顕著に表れたゴールとなりました。
さらにはアディショナルタイム、マドリーのコーナーキックからラミンがボールを拾い、ドリブル開始。ラフィーニャ、バルデと繋ぎ4点目。3人で特大カウンターをわずか12秒で完結させました。このバルデのゴールの直後、ホイッスルが鳴り4-1で前半終了。

■後半振り返り

後半開始時マドリーはカマヴィンガを下げセバージョスを投入します。一方のバルサは前半と同じメンバーで後半を迎えます。
3点を追うマドリ―は前がかりにバルサのゴール狙いに行きますがそれを逆手に取ったバルサがさらにゴールを奪います。48分、前からプレスをかけに来るマドリ―に対し、最後方からクバルシ→バルデ→カサドと繋ぎラフィーニャが抜け出します。これをラフィーニャが自分で決め切ってマニータ達成。マドリ―相手に5-1とします。

(ラフィーニャ5点目のキーファクター:①ペドリとカサドのスペース認知)

このゴールのキーファクターは①ペドリとカサドのスペース認知②バルサの裏抜けの原則です。①についてはペドリとカサドの認知と判断が素晴らしく、単純なプレーに見えますが、「こう動けばここが空く」をマドリ―の前からのプレッシャーを受ける中でミスなく即興で成立させたのは流石でした。小さい頃から2手先・3手先を考えながらプレーする練習をしていたんだろうなと容易に想像できますね。

(ラフィーニャ5点目のキーファクター:②バルサの裏抜けの原則)

①からの続きのシーンになりますが、バルサの裏抜けの原則が見れたシーンでした。今季は序盤から「レヴィが落ちてDFラインのズレを生み、空いたスペースにラフィーニャやラミンが走り込む」というシーンを何度も作り、ゴールを決めてます。今回はレヴィが空けたスペースは使わなかったですが、DFラインにズレが生まれて裏抜けが成立したという根本的な要因は同じです。
あとこれはレヴィ本人に聞いた訳ではないので分かりませんが、5点目の映像をよく見ると、レヴィはボールを貰いに行くスピードで低い位置まで落ち、マークに付いていたリュディガーも思わずセンターラインより前まで出て付いていく形となっています。これが裏抜けしてボールを受けたラフィーニャへのリュディガーのプレスバックを遅らせるためにセンターラインより前に釣りだしたプレー=”リュディガーを罠にかけたプレー”だったら、かなり計算されているなと。マドリ―DFラインの一瞬のズレを見逃さず、トラップせずにダイレクトでスルーパスを送ったカサドも本当に素晴らしい判断でした。
5-1となりバルサの優勝を誰もが確信した中で、マドリ―も反撃します。54分にエンバぺにDFラインを抜け出され、シュチェスニーと交錯。OFRの結果DOGSOの判定でシュチェスニーは一発退場。バルサは10人での戦いを強いられます。このプレーで与えたフリーキックからロドリゴに決められ5-2に。その後は10人対11人での戦いとなり、マドリーがボールを握る展開となりました。ただバルサは4-4-1のブロックで安定した守備を見せ、マドリーの攻撃を封じました。そして試合はこのまま5-2で終了。バルサが2大会ぶりにスーペルコパを制しました!Somos campeones!!

■個人的MVP

個人的MVPはクンデです。ラミンの同点ゴールの起点となったレヴァンドフスキへの縦パス、3点目のラフィーニャのミドルクロスでアシストを記録しました。あとは対峙するのがヴィニシウスだったため、保持時のポジション取りと攻撃参加タイミングが難しかったとは思いますが、リスクマネジメントしながら、タイミング見ながら攻撃参加して、守備でも安定感のあるプレーをしていたのは流石でした。間違いなく、世界最高の右ラテラルの一人だと思います。

■次戦ベティス戦(国王杯)に向けて

さて、次戦は日本時間1月16日(木)国王杯ラウンド16となり、モンジュイックにベティスを迎えます。両者は今シーズン12月にラリーガで対戦しており、結果は2-2の引き分けで、バルサが2度リードを奪うもベティスが後半ATに追いついたという展開でした。ダニオルモやパウビクトルの登録問題、アラウホの去就、ラポルタへの風当たりなどピッチ外での問題は山積みですが、このスーペルコパで制覇で一段とチームの士気は高まったと思うので、この流れのまま一つ一つ勝ちを重ねていってほしいですね。
今回はここまで。また次回!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。



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