CO2削減が誰にとってお金儲けになるのか、COP26と合わせて考えてみました。
(*写真:クロアチア のレストランで食べたグリル。多分ニシンだと思うのだけどすごーく美味しかったです笑 そして安い!)
自分は情報収集の一環としてNGOやシンクタンク、コンサルティング会社や政府レポートなどにメルマガ登録しまくっているんですが、本当にCOP26あたりからnet zero(≒ カーボニュートラルだと思っている笑)に関する記事をみない日はありません。
地球温暖化問題自体はゴアさんのcontroversialな演説を皮切りにいろーんな人が演説して久しい(もっと前からかもしれんけど)ので、特に何の目新しいこともありません。僕もCO2削減や環境保護には大賛成です。
だけど何で今更こんなにみんな躍起になって題材にしているんだろう?っと疑問に思ったので考えてみました。
で、特に気になったので企業がすごくCO2削減に躍起になっていること。企業は基本的に営利主義なので(社会使命:CSRももちろんあるんでしょうけど)、儲かるか大損しない限りは動かないというのがここでの前提条件。
なので、何でCO2削減がお金儲けになるんだろう?と考えなければなりません。
で、これ、僕の理解で簡単にいうと、基本的な話で申し訳ないんですが近い将来CO2を排出するのにお金がかかる、またCO2を排出する権利を売ることができる時代が来るから、ということなんだと思います。
例えば会社Aが年間100(単位は適当に自分で考えてください笑)のCO2を出しているとします。でも規定でこの会社は年間120までCO2を出していい事業規模だったとします。そうするとこの差分の20を他の会社に売ることができるわけです。
逆に大企業の会社Bが、本当は年間200までしかCO2を出してはいけないのに実際は240のCO2を出しているとします。そうするとこの差分の40を罰金あるいは会社Aのように規定範囲内でやりくりしている会社から権利を買わないといけないわけです。市場の性質を考えると後者のようにCO2排出クーポン見たいなものを発行した方が市場原理でいい感じのところに落ち着きそうではあります。(ですがここはよく考えないといけないです。)
これがCO2ビジネスの世界や!と自分の理解に腑に落ちているところです笑
(ちなみにミクロ経済学用語ではnegative externality と呼ばれる概念でもこのCO2削減に対するpolicy makingは説明できます。詳しい解説は割愛しますが簡単な概念で、グラフ一つで説明できるので良ければ勉強してみてください笑)
で、もう一つがCOP26。
グレタ・トゥンベリさんが「消極的すぎ!」と痛烈批判した、とマスコミ記事では記載されています。本当かは知りませんが、僕はずっとWHOをはじめとした国連機関が何でこんなキャンペーン活動をするのかよく分かっていませんでした。自己満足ではないの?と思ったこともあります。
学校の先生が「環境問題大事だぞ!」って言われても「うん笑」ってなりますよね。
だけど、僕が思うに、国連のキャンペーン活動が果たす役割っていうのは、今後各国のCO2削減に対するアクションを自分達は推進するからみんなその気でいてね!っていうことなんだと理解しています。
別にCOP26でできた条約だけで全てを解決するなんてそもそも誰も思っていないはず。だからこのCOP26は別に自己満足でも何でもなくって、これを機に今後CO2マーケティングが始まりまっせ!っていう合図なんだと思うのよね。
CO2クーポン券ですが、これ別に会社だけじゃなくて、自治体間とか各国間でも成立する話ですよね。クーポン価格なんかは一定の規制がかかるんでしょうが、まさに国家戦略として何とかしないと、ぼったくりクーポン券を買わされる時代が来るかもしれないわけです。
なので自分はCOP26は意味があると思うし、今後も世界各国が繰り広げるキャンペーンは全部ビジネスと結びついているという目で見ないといけないなと改めて感じました。(当たり前ですが笑 慈善でやってることも多いですけどね。)
地球温暖化で媒介生物が越冬、越境して感染症が増える、とか、絶滅動物が増えてしまう、災害が増えるなどヘルスや環境面での影響も取り上げられていますが、残念ながらお金の側面を無視することはできません。
環境問題なんとかしたいからCO2減らして。生産量減らすか、最低価格を自分たちで調整してください。特にサポートとかはしませんけど。って言われてやる企業はゼロです。課税かけたり、最低市場価格を規定したり、逆に助成金設定してsocial costを下げたり、いろんなことを仕掛けてやらないかんのです。
CO2削減のキープレーヤーとなる企業がどうやったらCO2削減に躍起になってくれるのか、そしてCO2削減をキーワードにお金がうまく回る仕組みを頭の良い人が思いついたのでしょう。
もちろん、具体的なCOP26の政策の中身には”それあんた達は資源があるけど俺らは無理なんですけど”っていうようなものもたくさんあるみたいですが、それもまさに政治的≒ お金の絡んだお話なんですよね。
世の中には賢い人がいるもんです、頑張ってついていかないと取り残されてしまいますね笑
では。