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保育士さんの言葉は重い!

こんばんは。
今日実際にあったお話しです。
2歳の子が湿疹で来院されました。
その子は、数ヶ月前から脇の下の皮膚荒れがあり、他の病院を受診され、保湿剤とステロイドの塗り薬を処方されたそうです。

数日で良くなってきていたのですが、他の部分(薬を塗ってないところ)にも、赤いプツプツが出てきました。
そこで、園の先生に相談したそうです。
そしたら、
『ステロイドはきつい薬だからね』
と言われたそうで、お母さんは怖くなって塗り薬をやめてしまいました。
そうしたら、その湿疹が酷くなってしまい、脇の下も皮膚が赤くただれたようになってしまいました。
そして、今日当院に来られました。

結果、医師より
『初期の頃にもう少し塗り切ってもらいたかった事』
『炎症を抑える事が必要で、第一選択はステロイドになる事』
『非ステロイドの炎症を抑える薬はオススメできない事』
『今の状態は湿疹が悪化し、細菌感染を起こしている可能性がある事』
以上を説明し、細菌感染の原因菌を調べるため、皮膚培養(どんな菌がいるか調べる)検査と抗生物質の塗り薬も併用で治療する事となりました。

1番身近な専門家である保育士さんの言葉はすごく重い。
そのひと言で、病院で受けている治療をやめてしまう事もあるのです。

保育士さんも、よかれと思って言ったことかもしれません。
今回は、子どもの皮膚炎を長引かせる事になってしまいました。

でも、この問題の根源は『保育士さんが医療情報を得る機会が少ない』という事です。
ひと昔前に流行った、『脱ステ』『ステロイドは悪』みたいな情報が、現在は否定され、学会などでは全く触れられる事もないような説をいまだに、信じている人が存在する。

今は皮膚コントロールの方法が確立されており、ステロイド休薬の方法も、コレクチムやモイゼルトの発売で劇的に進化しています。

だから、それらを知る機会を持って欲しい。
そして、1番近い専門家の保育士さんを皆が頼り、子どもと保護者が心身共に健康となるよう共同していけたらいいですよね。

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