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コロナで起こった医療崩壊

こんばんは。
小児医療アドバイザー講師の小畑です。

今日は、この資格を作る大きなきっかけとなった出来事をお話しします。

それは
新型コロナの世界的流行時のこと

この時、小児医療がどおなっていたのかを、ご存知でしょうか??

コロナで受診患者急増で診察が受けられない?

特に、子どもの間でも流行が始まった時期。
少しずつ活動の制限が解除され、
コロナでの重症化が減少したオミクロン株流行時。
小児科の発熱外来には毎日たくさんの子ども達が押し寄せていました。
罹患証明があれば入院扱いになる。
まだ2類感染症だから、積極的に病院に!
と報道もされていました。

そんな時、コロナ以外の感染症が少しですが流行った時期があるんです。
その感染症はRSウイルスでした。

RSで呼吸困難の赤ちゃんがたらい回し

ご存知の通り、RSウイルスは母親からの免疫の効果が得られず、生後1ヶ月でも罹る感染症で、小さい頃(生後6ヶ月以下)では、熱も出さずに呼吸困難になり
最悪の場合、呼吸停止することもある、乳児にとっては怖い感染症です。

そんな時、生後1ヶ月の赤ちゃんが受診されました。
2日前に他の病院で、RSウイルスの診断を受け
自宅で経過観察中でしたが、昨晩からミルクの飲みが減少し
呼吸がしんどそうとの主訴でした。
最初に診断した病院には、いっぱいだからと断られてから、当院に来られました。

RS感染中でも、コロナ濃厚接触者


そして、もう一つ、前日に父親がコロナ陽性の診断を受けており、
RSウイルス感染中ですが、コロナの濃厚接触者でもあったのです。

来院時すぐにSPO2(酸素飽和度)93% シーソー呼吸あり 呻吟あり
活気なく、ややぐったりしている。
早期トリアージにて、入院が必要と判断し、診察と同時進行で
市内の受け入れ可能病院に電話をかけるが、3件断られた。
また救急車での搬送を試みるが、
濃厚接触者とのことで、自己搬送するよう指導される。
4件目の病院(他市)で受け入れが可能となり、母の自家用車で病院に向かうことになるが、母不安(私達も心配)だったので、看護師が同乗し移動することになりました。
同乗者は私。
病院までは15分。
何とか、早く行かなければ。という思いで準備し
モニターと睨めっこの長い15分始まりました。

今にも呼吸が止まりそうな中での強行搬送

車に乗り込む前はSPO2=91%と何とかキープしていたのですが、
車が走り出して5分後、SPO2=80前半まで低下。
お母さんが運転していたので、何事もないふうを装いながら
赤ちゃんに刺激を与え呼吸を促し続けました。それでもSPO2は90代には回復せず、すぐに呼吸をやめてしまう状態になりました。

車を止めて救急車を再度依頼した方が早いのか?
それとも、このまま搬送する方が早いのか???
私は1人、この命をどうしたら守れるのか?
どの行動が正解なのか?
あと何分で着くのか??

この時ほど、長く感じた時間はありませんでした。

その後、病院についた瞬間、お母さんを置いて
病院内に走り込み、何とか医師に引き継ぐことができました。
その時の医師の対応が、すごく早く安心したことを覚えています。

その後、集中治療を受け無事に退院したと聞いたのは
2週間後のことでした。

助かった。でも、もし助けられなかったら?

もし、コロナ渦じゃなければ入院を断られることはなかった。
もし、病院に軽症のコロナ患者があふれかえっていなければ。
もし、父親がコロナになっていなければ。
もし、、、もし、この腕の中で呼吸が完全に止まっていたら?

小児科外来に受診に来る子どもの中には

元気だけど病院に行く。が多く見られる。
その理由として。一番は保護者が子どもを心配して受診ですが中には

  • 保育園に行くためには、診察受けないと受け入れてもらえない

  • 病院行ってないんですか?って言われるから

  • 行ってないと、親としてダメな気がして

  • 親が看病で会社を休んだので、受診した証明がいるんです。


近年の小児医療の現状を簡単に

  1. 子ども(15歳以下)の数はかなり減少(1980年2751万人→2020年1503万人)全人口に対する割合(1980年23.5%→2020年11.9%)

  2. 入院率は横ばいだが、外来受診率は増加(下記グラフ)

  3. 共働きの増加で時間外に受診する比率が高い

  4. 24時間体制の医療状況の確保の為に小児科医の負担増

  5. 医療的ケア児の支援体制が不十分

入院率は変化ないが、外来受診率は上昇している

小児医療を守るために私たちにできることは何か?

子どもの医療を助言できる人材の育成が必須

子どもの健康の事でわからない時、身近な人に相談できるってすごく安心ですよね。その相談できる人が、保育園や幼稚園の先生ならどうですか?
子どもの事を知ってる上に、その子の生活環境から好みまでわかった上でカスタマイズされた助言ができます。

  1. 保育現場での適切な健康管理アドバイス ▶︎安易な受診勧奨の抑制 ▶︎保護者の不安軽減▶︎信頼関係の構築

  2. 保護者にも 小児医療に関する正確な知識の普及 ▶︎適切な医療機関利用の啓発 ▶︎専門家による包括的サポート

【小児医療アドバイザー】資格取得者がいる養育環境を目指す

この資格で

子どもの健康を守り
保護者の不安軽減 
医療従事者の負担軽減 
効率的な小児医療体制の構築

子育てで不安な事は何?というアンケートの上位はやっぱり子どもの医療のことなんです。
わからなくて当たり前!
でも、学ぶ事ができる体制を整えて、不安を軽くするために学んで見ませんか?
あなたも小児医療アドバイザーになれます。

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