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医学部受験生、親 必見!現役医師が教える医学部受験校の選び方

私は東京で中高時代を過ごし、九州の国立大学の医学部に進学しました。その後、就職で再び東京に戻ってきました。この経験を通じて、都会や地方、国立大学や私立大学の医学生と多く接する機会がありました。今回は、その中で感じた医学部受験校の選び方についてお話ししようと思います。

医学部受験を目指す皆さんにとって、志望校の選び方は非常に重要な決断です。以下のポイントを参考にして、自分に最適な医学部を選んでください。

1. 医学部受験校の選び方の基本

1-1 医学部の種類と特徴

医学部を選ぶにあたってはまず、大きく分けて 国公立大学or私立大学、都会or地方 を選択することが最初になります。それぞれの特徴を把握し、自分に合った選択をしましょう。
やはり一番の違いは受験料や授業料です。今後、医者あまりの時代になっていくことが確実視され、それに伴い医師の待遇も悪化すると考えられます。
高い授業料を払っても将来ペイできなくなる可能性はあるので学力があるのなら国公立をお勧めましす。

1-2 国公立と私立の違い

国公立と私立では学費や受験科目に大きな違いがあります。医学部の場合、大学によるカリキュラムの差はほとんどないため、学力があるなら学費が圧倒的に安い国公立を選ぶべきです。しかし、まずはどの医学部に入るかより、どこに入れるかを考えることが大切です。個人的には都市部にこだわる必要はありません。地方の方が競争相手も少なく、自然豊かな環境での大学生活は良い経験になります。

私は都市部と地方の両方に住んだ経験がありますが、都会で働きたいと思い、研修医の時に東京に来ました。地方の医学部では大学の近くで一人暮らしをしている人が多く、人間関係が密で上下関係も厳しいです。上級医として感じるのは、地方で大学時代を過ごした人の方がコミュニケーション能力が高く、社会人として組織に溶け込むのが上手い人が多いということです。私立の医学部では富裕層の家庭が多く、一般的な感覚が欠如している人が多いと感じます。

私立に入る金銭的余裕があっても、個人的には都会国立=地方国立>私立の順でおすすめします。

2. 自分に合った医学部を見つけるためのポイント

2-1 自分の学力と合格可能性

自分の学力に合った志望校を選ぶことが合格への近道です。模試の結果や過去の合格者データを参考に、自分の得意科目や苦手科目を客観的に評価しましょう。医学科は6年間あるため、現役で入学し、24歳で卒業するのが望ましいです。特に女性医師の場合、出産などを考慮すると早めに医学部に入ることがキャリア構築に有利です。現役で入ることで、1年間で2000万円の収入を得られる可能性があるため、浪人して国立を狙うよりも、学費が3000万円以内の私立医学部に早く入学する方が良いです。私立医学部の学費が安いランキングを参考に、6年間総額3000万までがギリギリのラインと言えるでしょう。これから医師余りの時代がきて、インフレで相対的に医師の給料が下がる中で、3000万以上払うかはは親の実家を継ぐなどの理由がない限り、もったいないと個人的に思います。

*私立医学部学費ランキング

2-2 大学のカリキュラムと研究環境

カリキュラムや研究環境は大学によって異なりますが、正直なところ、医学部は職業訓練校に近いため、学ぶ内容はどこも同じでカリキュラムに大差はありません。そのため、カリキュラムの内容よりも、自分の学力に合った大学を選ぶことが重要です。また、医学部の進級は他の学部より厳しく、自分で学ぶ習慣がない人は危機的状況に陥りやすいです。進級率は必ず確認しましょう。私立の医学部では、国試の合格率を上げるために6年生の国試前に大量に留年させることがあります。国試合格率だけでなく、進級率も必ずチェックしましょう。

3. 医学部の選び方を具体的に考える

3-1 オープンキャンパスの活用

オープンキャンパスに参加することで、大学の雰囲気や施設を実際に見て感じることができます。事前に質問事項を準備しておき、現地での情報収集に役立てましょう。ただし、オープンキャンパスは必ずしも参加する必要はありません。面接時のネタになることや、受験へのモチベーションアップにはなりますが、1日見学しただけでは本質を見抜くことは難しいです。
私は距離が遠かったのでオープンキャンパスにはいってないです。一般的には見学してないから面接でマイナスになることはないと思います。


3-2 先輩や現役医学生の意見を聞く

先輩や現役医学生の意見を聞くことで、実際の大学生活や受験対策のアドバイスを得ることができます。私は塾の医学部に通っているチューターの先生などに話やアドバイスを聞きモチベーションに変えてました。医学部の世界は狭いのせ塾のつながりは今でも続いていて職場でも有利に働いています。

3-3 インターネットや書籍での情報収集

インターネットや書籍を活用して情報収集を行いましょう。医学部受験にあたりおすすめの本を紹介します。

医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物

医学部合格への勉強方法を教えてくれる一冊です。医学部合格のみを目指した内容がぎっしり詰まっています。医学部合格を目指している方には必読の一冊です。
また、この本は小手先のテクニックに頼らず、受験における根底の部分をしっかりと解説しています。短期的な安心感を得ることはできませんが、基本的なことを淡々とこなす重要性を再認識させてくれます。これからもこの本をバイブルとして勉強を続けていきたいと思える内容です。医学部合格を真剣に目指す方には、ぜひこの本を手に取っていただきたいです。

医学部に入る 2024 (週刊朝日ムック)

私が受験生時代にモチベーションを上げるために読んでました
望校選びに欠かせない「全国82医学部データ」では、2024年度の各大学の入試日程、科目、偏差値などを掲載。2023年度の志願者数や合格倍率なども掲載しています。

4.QA


Q  地域枠はどうなのか?
A  基本的にはおすすめしません。地域枠はマンパワーが不足している都道府県や診療科のために募集されています。マンパワーが不足しているということは、将来的に激務な職場への就職が約束されているようなものです。

また、地域枠で縛られる20代後半から30代は、結婚や出産などライフステージで大きな変化がある時期です。その時に自分で住む場所や環境を選べないことは、かなりのストレスとなります。

Q  産業医、防衛医大、自治医大など特殊な大学はどうなの?
こちらも基本的におすすめしません。防衛医大は、医学の勉強をしながら防衛に関する訓練も受ける必要があります。これにより、通常の医学部よりも多忙な学生生活を送ることになります。また、防衛医大を卒業すると、自衛隊医官として一定期間勤務する義務が生じます。この義務期間中は勤務地や職務内容に対する自由度が低く、自分のキャリアプランを思い通りに進めることが難しくなる可能性があります。
自治医大も生活圏の縛りが強く、離島勤務などもあり、主体的なキャリア形成が難しくなります。自治医大卒業後は、一定期間、指定された地域で勤務する義務があり、これにより自分で住む場所や環境を選べないことが大きなストレスとなる可能性があります。
一方、産業医大に関しては、産業医に興味があるならおすすめです。産業医大を卒業すれば、自動的に更新のいらない産業医の免許が取得でき、産業医の就職先のコネも豊富にあります。産業医としてのキャリアを考えている方には、非常に有利な環境が整っています。

5.まとめ

医師はやりがいのある素晴らしい職業です。ただし、医学部受験は非常に高いハードルがあり、合格後も進級試験が待ち受けています。しかし、私自身は医者になって本当に良かったと日々感じています。皆さんもぜひ医師になって、未来の患者さんたちを救ってください。

また、医師免許は非常に強力な資格で、職に困ることはありません。少しでも医師になることに迷っている方も、医師免許を取得することに損はありません。

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