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母直伝の餃子を一人で作ったとき、私は大人になったのだ

※ペコリッチの食べることが大好きな
スタッフが書いた勝手なコラムです

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ひとり暮らしをしていると
どうしてもさみしくなる瞬間がある。
実家に帰りたいと思うときがある。

私の場合、そういうことを思ってしまうのは、大抵朝だ。

仕事から帰ってきてご飯がないとか、
お風呂が沸かされてないとか、
洗濯物が溜まっているとか、
そんなことには3ヵ月も経てば慣れる。

ただ、朝のさみしさはぬぐえない。

起きたばかりの働かない脳みそで
ほとんど空っぽに近い冷蔵庫を開ける。
何日か前に買った徳用ソーセージを、
2本取り出し、フライパンにもレンジにもかけず
そのまま食べる。
自分の小さなため息だけが
六畳一間の空間を揺らす。

実家に居るときは、
洗濯機がゴウンゴウンとけたましく回り、
テレビではニュースの画面がついており、
電気ケトルがポッと音を立て、仕事を終えたことを知らせてくれ、
既にバターとハチミツが塗られたトーストが用意され、
洗面台で髪をとかす母の横顔を、半分しか開いていない瞳で見ながら、歯を磨いた。

母が用意してくれていた朝。
朝の冷えた空気の中にも、あたたかさが存在していた。


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もう慣れたはずの朝の静けさは、ときどき耐え難いものにもなる。

急に母に「さみしい」なんて連絡をすれば心配させるに違いない。もう甘えられない。「もう大人になったのね」そう言って安心させたい。だから、わたしはこう連絡した。

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自炊だってちゃんとしてるんだと思わせながら、実家の味を再現する。
母がよく作っていた料理、餃子。
どこのお店のものより美味しいんじゃないかと思う。かなり信用できる味だ。


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我が家の餃子の作り方

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※分量は大体の量なので、お好みで調節してください

材料(4人前くらい)
餃子の皮……………………………………50枚くらい
豚ひき肉………………………………300~350グラム
もやし又はキャベツ……………200~300グラム
シソ……………………………………適当。20~30枚
ニラ…………………………………………………………1束
生姜(チューブも可)………………3~5カケ。気分で

調味料
ウエイパー(鶏がらスープの素でも可)………大1~好みで
紹興酒(酒でも可)…………………………小2~好みで
オイスターソース………………………………………大1
醤油………………………………………………大1~好みで
砂糖………………………………………………………………小2
塩コショウ…………………………………………………適量
ごま油…………………………………ひとたらし(下味用)
   ……………………………焼くときは大2くらい
お好みで
ニンニク(チューブも可)…1カケ~
海老…50~100グラム

☆こんな適当で良いの!?と思われるかもしれませんが、良いんです。

下準備

*海老を入れる方は、半分に小さく切って、叩いてペースト状に。もう半分は少し歯ごたえが残るくらいのサイズに。すこしお酒(分量外)をかけておく。

作り方

①野菜をすべて切る
キャベツ・シソ・ニラはみじん切り。
生姜はすりおろす。
キャベツをもやしに代用する場合は細かくポキポキ手で折って入れる。

②ひき肉・野菜・調味料をすべてボールへ入れる
①で切った野菜と、ひき肉、調味料をすべてボールに入れ、よく混ぜ合わせる。海老を入れる方も、このタイミングでボールに入れちゃってください。

③それらを冷蔵庫で寝かせる。

☆POINT☆
最低1時間以上は冷蔵庫で寝かせる。下味がしっかりついていればタレをつけなくても良いほど美味しくなります。私はいつも2時間以上は寝かせています。

④餃子の皮にタネを包む
寝かせておいたタネ(ボールの中に入ってるもの)を包む。

⑤フライパンにごま油(大1くらい)入れる
ごま油はたっぷりめにいれて、フライパンが温まったら、餃子を並べる。カロリーが気になる方は、サラダ油とごま油を混ぜ合わせて代用するのもOK。

⑥片面に焼き色がついたら、お水かお湯を入れて蓋をする
蓋をして蒸し焼きにした後、蓋を外してごま油を周りにひとたらし。パリっとしたら出来上がり!


手間も時間もかなりかかる。
だけど、こうやって手を動かしていると、さっきまで空っぽだった気持ちが、自分の家が、どんどん色づいて見えてくるような気がする。今日は餃子だ。自分のための、自分のごはん。妙な責任感に追われることもなく、誰かのためではない。自分のだけのために手間暇かける時間は、なんだか妙な達成感がある。

しかもかなり美味しい。ちゃんと、母が作ってくれていたものである。生憎彼女は飲食店を営んでいないのでこれを読んでくれている方に振舞えない。だが、このレシピを是非1度試してみて頂ければ、と思う。


この餃子は、タネを寝かせる時間がかなり長い。
この時にスープを作ってもいいし、お米を炊いても良い。
映画だって見れるし、薬局に出かけても良い。

ひとり暮らしのさみしさは、そうやって埋められる。というよりも、変えられる。誰かにもらうことができないのであれば、自分で作り上げるしかないし、作り上げることができるのが大人なのだ。
母よ、私はもう大人になったのよ。


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