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Affinity DesignerのベクターはAdobe Illustratorで互換性はあるのか

こんにちは。
最近Affinity Designerで制作を開始した初心者です。
個人で作業する上では特に強い不満はないものの、他人とベクターデータのやりとりをするとなると、とたんにAdobe Illustratorとの互換性が気になってきました。
そこで、実際にAdobe Illustratorで開いてみて使い物になる状態のデータが作成できているのか確認してみることにしました。
こちらの記事はその記録になります。




【Affinity Designerで扱えるベクターファイル形式について】


まず、Affinityオリジナルの「.afdesign」はAdobe Illustratorでは開くことができません。
また、「.ai」ファイルはAffinity側で開くことはできますが、エクスポートができません。残念。でもそりゃそう。

・「.afdesign」→ IllustratorでNG。
・「.ai」→ AffinityでインポートのみOK。

とはいえAI(Adobe Illustrator)以外のベクターファイル形式の以下3種のエクスポート&インポートは可能です。

・EPS(Encapsulated PostScript)
・PDF(Portable Document Format)
・SVG(Scalable Vector Graphics)

これら3種はAdobe Illustratorでも扱っている形式なので、Affinityで互換のあるデータ作成をするなら、これらのどれかでの保存が必要です。
ただし、Affinity Designerでこれらの形式で保存すれば、問題なくAdobe Illustratorでオリジナル同様のデータが開けるのかというと、そういうわけではないようです。

となると、どんな作りならセーフなのか知っておきたいですよね。
ということで、実際に検証データを作って確認してみました。



【検証方法について】

Affinity Designerで作成したデータがどのくらいAdobe Illustratorで互換性を保っているのか検証するために、今回やったことをご紹介します。

<動作確認環境>
Windows11
Afiinity Deigner 2
Adobe Illustrator 2024(28.1(64bit))

先述しておくと、筆者はAdobe Illustratorの経験が0.8~CS時代以前までと化石なので(しかも学生が戯れに使った程度)、Affinity PhotoとAdobe Photoshopの時と違って詳しい機能の違いなどはよく分からない状態で確認していますので予めご了承下さい。
(一応業務でCCも触ることはあるのですが、ファイルを開く程度のことがほとんどなのでノーカンです;)
そのため今回は、「開ける」「パスの単純な編集ができる」「ぱっと見で明らかにおかしいところがない」ならOKとするくらいのチェックになります。

◆検証方法①実際にデータを開いて比較する

検証用のデータをAfiinity Deignerで作成(「オリジナル.afdesign」)し、Adobe Illustratorで開けるベクター形式で保存します。
それをAfiinity Deignerと、Adobe Illustratorでそれぞれ開いてみて、「オリジナル.afdesign」との違いを確認してみました。

↓今回用意した検証用データは2つ。

検証用データ①
【確認項目】
アートボードサイズの再現
ベクター描画ツールの種類比較
フォントのアウトライン化処理の比較
多角形ツールの再現
レイヤーエフェクト(レイヤースタイル)の再現
塗りの種類比較
実線の種類比較
描画モード&不透明度の再現レイヤー構造の再現
検証用データ②
ラスター画像の配置とクリッピングの有無の状態確認。
画像は全て「埋め込み」で配置。

個人的にEPSで提出を求められる機会が多いので、今回はEPSを重点的にテストしてみることにします。
(実はEPSも初心者なのでどういう状態になるのかAffinityでも確認していきます。)

今回やったAffinityDesignerのEPSの出力設定


◆検証方法②自動チェックスクリプトでの確認

Adobe Illustrator限定ですが、こちらのスクリプトでAfiinityのパス生成機能によってはNGな状態として検出されるという話を目にしたので念のためやってみます。


<テスト内容まとめ>
①AffinityDesignerで検証用のデータを作成
②AffinityDesignerでEPS・SVG・PDFをエクスポート
③AffinityDesignerでEPSを開いた場合の状態を確認
④Adobe IllustratorでEPSを開いた場合の状態を確認
⑤Adobe Illustratorで「eps_ng_checker」でEPSを確認
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⑥Adobe IllustratorでSVG
を開いた場合の状態を確認
⑦Adobe IllustratorでPDFを開いた場合の状態を確認

それでは、見ていきます。


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