Affnity PhotoはPhotoshopの代替えソフトになりうるのか
こんにちはPecoriです。
長年Adobe Photoshopを愛用してきましたが、この度懐事情により脱Photoshopを試みることにしました。
(※懐事情→【自分用】勉強したいツールと費用についてのひとりごと)
この記事は、代替えソフト最有力候補である「Affinity Photo」の検討記録になります。
(触って躓いた内容の解決方法とかは【Affinity Photo トラブルシューティング】にまとめているのでご参考まで。)
果たして無事お別れする事はできるのか!?
【Affinity Photoとは】
「Affinity Photo」はイギリスのSerif社が開発した写真・画像編集ソフトです。Win、Mac、iPad版があります。
高機能ながら、比較的安価な買い切りタイプで購入できます。
サブスクではないので、単品購入なら¥10,400で購入すればそれ以上の支払いは発生しないのが魅力的ですね。
Affinity全アプリの詰め合わせである「ユニバーサルライセンス」が、30日間無料試用版で用意されていますので、今回の検討ではひとまずこちらを使ってみます。
【自分が求める機能】
かれこれ10年以上Adobe Photoshopを使用してきましたが、本来のメイン機能である写真編集の部分はあまり出番がない使い方をしてたりします。(仕事でも、プライベートでも。)
なので、まずは個人的に欲しい機能をピックアップしてみました。
需要の内容が違う方にとっては、こちらの記事はあまり参考にならないと思いますのでご注意ください。
◆お絵かきソフトとして使えるか
もともとアナログ畑の人間なので、趣味やスケッチはきっちりとした絵肌より、ほどよくアナログっぽい描き味のブラシがあると嬉しい。
ブラシのカスタムができ、外部ファイル(.abr)読込ができるか。
べた塗り描きができるツールが揃っているか。
レイヤー数に制限がないか。
マスク機能が充実しているか。
ぼかし、指先ツールのような機能があるか。
◆テクスチャ素材作成できるか
シェイプ作成ツールがあり、非破壊の編集ができるか。
シームレスパターンを作る手段があるか。
オブジェの移動などを数値で指定できるか。
オブジェを整列できるか。
◆画像調整ができるか
色調の非破壊調整があるか。
非破壊のフィルター機能があるか。
切り抜き機能は充実しているか。
補修機能は充実しているか。
◆読込&保存形式の種類
PNG、JPG、TGAはほしい。
Adobe形式のやり取りは可能か。
【試してみた結果】
こちらは初心者がざっくり触ってみた感想なので、使い込んだら変わる可能性はありますのでご了承下さい。
◆お絵かきソフトとして使えるか
⇒ブラシ性能がやや微妙なもののほぼ問題なし。
べた塗り描きができるツールが揃っているか。
↓
特に問題なし。選択ツールも、べた塗ツールやレイヤーも揃っている。
レイヤー数に制限がないか。
↓
試しに30個くらい作ってみたけど問題なし。このくらいあれば十分。
(余談だけど、レイヤーの複製のショートカットキーもフォトショの手癖でやったらできたので、まだちゃんと調べたわけじゃないけどその辺のオペレーションも割とPhotoshopそのまま使えそうな気配。だったら嬉しい。)
マスク機能が充実しているか。
↓
いまのところほぼ問題なし。
クリッピングマスクの仕方にちょっと癖があるけどフォトショでやってたことはできそう。
ぼかし、指先ツールのような機能があるか。
↓
あるので問題なし。
もともとアナログ畑の人間なので、趣味やスケッチはきっちりとした絵肌より、ほどよくアナログっぽい描き味のブラシがあると嬉しい。
ブラシのカスタムができ、外部ファイル(.abr)読込ができるか。
↓
これについては、まぁまぁという感触。
けど、使い込んだら改善するかもしれないという程度なので使い物にならないほど酷いわけではない。
ブラシカスタムはできる。
ファイル形式は専用の「.afbrushes」の他に「.abr」のも対応なので、Photoshop用のブラシも使えることになる。
アナログ感の強いブラシが豊富に用意されているけど、スタンプっぽい硬さはある感じ。自然な描き心地ではない。
デフォルトの「鉛筆」はフォトショのデフォルト鉛筆に比べると正直難ありなのでカスタムが必須に感じた。
↓今回試しに使わせて頂いたブラシも貼っておきます。
◆テクスチャ素材作成できるか
⇒概ね問題ない。Photoshopでできたことはほとんどできそう。
シェイプツールがあり、非破壊の編集ができる。
↓
ある。Photoshopと同等レベルの編集はできそう。シームレスパターンを作る手段がある。
↓
あるにはある。
ペイントなら「パターンレイヤー」が便利。
ラスター画像なら「アフィン」フィルターが便利。
シェイプで作成しようとすると工夫が必要そうだけど、やり方はPhotoshopとそう変わらない。シンボルを使ったリピート機能はPhotoにはなさそう。AffinityDesignerの方にある可能性大。オブジェの移動などを数値で指定できる。
↓
「変形」ウィンドウから指定可能。
ただし、Photoshopのように現在地を一時的に0として、変更する値で指定する方法(△のやつ)が見つけられず。
「一律1024pxずつ移動させたい」という場合は、現在の座標値から計算した結果を入力するしかない…?だとすると少し不便。オブジェを整列できる。
↓
レイヤー分けされた単位で整列できる。塗りつぶしパターンの作成ができるか。
↓
「塗りつぶしレイヤー」のビットマップで可能。
◆画像調整ができるか
⇒概ね問題ない。Photoshopでできたことはほとんどできそう。
3つのペルソナ「ゆがみ」「現像」「トーンマッピング」の編集で手厚く調整もできそう。
色調の非破壊調整があるか。
↓
ある。
非破壊のフィルター機能があるか。
↓
ある。
Photoshopの「スマートフィルタ」に相当するものは「ライブフィルター」、「レイヤースタイル」に相当するものは「レイヤーエフェクト」がある。
また、3つのペルソナ「ゆがみ」「現像」「トーンマッピング」の編集で手厚く調整もできそう。(※ペルソナ編集は今回はあまり突っ込んで試していないのでご了承くださいませ。)
選択機能は充実しているか。
↓
特に問題なし。
選択ブラシ、自動選択、長方形やフリーハンド選択、レイヤーからの選択など、Photoshopにあるものはほとんどありそう。補修機能は充実しているか。
↓
「修復ブラシツール(Photoshopのスタンプ)」、「インペンディングブラシツール(Photoshopのコンテンツに応じた塗りつぶし)」などがあるので簡単にごみなど削除可能。
◆読込&保存形式の種類
⇒問題なし。
PNG、JPG、TGAはほしい。
Adobe形式のやり取りは可能か。
↓
PSDファイルのインポートはともかく、エクスポートは無理だろうと思っていたら、なんとできる。
PNG、JPEG、TGAなども問題なし。
なんなら、書き出しペルソナから出力設定を簡単にセッティングしておけるみたいだし、Photoshopと同等もしくはより便利かもしれない?
【その他懸念点】
今回サラッと触ってみて、そういえばこの機能無いな?と思いついたものをピックアップ。
他にもあるかもしれないし、実はあるのに気づいてないだけかもしれない。
気づきがあったら更新します。
◆Adobeソフトとの互換性について
個人的には業務で使用することはないのであまり気にしていないところですが、ほかの他者とデータのやり取りがある場合はAdobeとの互換性は気になるところです。
AffinityPhhotoに限って言うと、PDS形式でのインポート&エクスポートが可能なので互換性は一応ありそうです。
ただ、スマートオブジェクトあたりのレイヤー構造については、内容は保たれるようですが、構造まで完全再現とはいかなそうなので入れ子を多用した作りの場合はちょっと注意が必要かもしれません。
ちなみにユニバーサルライセンスを検討するにあたり、AffinityDesignerの方も少し調べたのですが、こちらについてはai形式でのインポートはできても、エクスポートはできないようです。
Adobeillustratorとのやり取りは難ありかもしれません。
(開くだけならeps形式にすればできるらしいですが、相手がai形式しか受け付けてくれない場合は詰みそうですね…。仕事で使う場合は先方へeps形式納品が可能か確認する必要がありますね。)
↓こちらの方が詳しく検証して下さっております(感謝)。
◆テキスト挿入が、縦書きに対応してない
フォント入力縦書き非対応。漫画とか、装丁デザイン作る人にはつらいかも。公式が対応する予定ではあるらしい今後に期待。
有志により縦書きフォントが数種類配布されいてDL可能とのことです。
記事→https://stocker.jp/affinity-manual/95/
DL→https://stocker.jp/trial/affinity/vert-fonts.zip
◆GIFアニメ作成機能がない?
静止画からアニメーションを作成する機能がなさそう。
(あったらごめんなさい。教えてほしい。)
簡単なGIFアニメくらい作れると何かと便利なんだけど残念。AffinityDesignerの方にあったりするのかな?
◆レイヤーカンプ機能がない?
Photoshopのレイヤーカンプに相当するものがないかも。
無くても困らないけど、差分データを同ファイルで作成したい時とか地味に不便…。
【結論まとめ】
まとめるとこんな感じです。
◆よかったところ
日本語のスタートガイド、オンラインヘルプがある。
パッと見のUIがほぼPhotoshopで取っつきやすい。ペルソナという機能以外はほとんど体当たりでも理解できる。ペルソナも作業フローに沿って機能まとめているものっぽいので、ある意味Photoshopより親切設計かもしれない。
新規ドキュメント作成のテンプレがわかりやすく、よく使われそうなものは大体揃っている。もちろんカスタムもある。
パターンレイヤーのライブ機能がおもしろい。
PSDファイルが開けるし、書き出しもできる。(レイヤーなども保持)
Photoshopでできることは大体できそうなのに買い切りで安い。
(仮に3年間使用するとしたら、Photoshopは最安プランでも¥38,808、AffinityPhotoはセールなしでも¥10,400になる。)
◆いまいちなところ
ビデオチュートリアルは英語のみ。でも動画なので大体は理解できる。
ブラシ性能がいまいち(※基本的な機能はひととおり揃ってはいるので、Photoshopと比較した時の個人の体感です。慣れやカスタムで改善するかも。)
移動の数値入力が0開始にできない(見落としてたら更新します。)
使用頻度は少ないけど、PhotoshopではあったのにAffinityPhotoには無くて今後困るかもしれない機能はややある。(※上記【その懸念点】に詳細。)
◆結論
3日間ほど触ってみた手ごたえとして…
AdobePhotoshopの代替えソフトとして、AffinityPhotoはアリです!!!
細かいところはさておき、概ね同じような事ができる機能を備えた高機能ソフトと言えると思いました。
しかも、買い切りで安い!なんなら結構大幅なセールもあったりします!
良心的すぎて泣いちゃう。
趣味レベルなら買いだと思います。
ぶっちゃけ、業務でもワークフロー環境さえ許せば普通に使えるソフトだと思いました。(実際、そこが最大のネックだったりするわけですが…)
そして、検討してるうちにブラックフライデーセールが始まってました!
もともと安いのにさらに全品40%オフですよ~!
というわけで、私は購入します(笑。
この記事が同じく検討されている方の参考になれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
ペコリ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?