ハドソン川の奇跡
久しぶりに良い映画を観た。とても今更感満載で申し訳ないのだが…
と言うかこれ評判良かったのに、人間のドロドロしい映画だと思って
実は敬遠していたのだ。
確かに不時着のハラハラドキドキなスリリングな映画と思って観ると
がっかりするかも知れない。
が、映画好きなら見ておくべきだと反省しきりである。
ごめんよトムハンクス
ごめんよサリー機長。
★★★★☆お詫びに★4です
この事故は言わずと知れた実話である。
このとんでもない事故、勿論ハドソン川へ不時着など
前代未聞の事故だ。
そして乗員全員が無事生還した。
そして機長は英雄となる。
だがしかし…
もちろん事故調査委員会が事故の真因を調査する。
これは世間、保険会社や組合のしがらみもあっての事だろう。
機体の状態から事故の原因、その状態での飛行に誤りが無かったか。
機長の判断は正常だったのか、操縦に誤りが無かったか…。
聴聞会議ではさも人的ミスを疑う。
そう、コンピューターシミュレーションでは川に不時着しなくても
二つの空港に引き返せる結果が出るのだ。
そしてフライトシミュレーターでも。
その結果を引き合いに出された機長サリーと副機長のジェフ。
だが、彼らは確固たる自信、そう、経験と言う自信とパイロットと言う
仕事に対する誇りを忘れていなかった。
経験を知らないシミュレーションが空港への帰還を成功させる。
そしてその時の速度、高度、進路を与えられたフライトシミュレーターのパイロットも、もちろん成功させるのだ。
川へ不時着することなく。
どちらが正しい?
この世知辛い世の中
コンピューターによるシミュレーション、計算精度の向上。
大いに歓迎である。
だがその現場の緊張、状態、感情、、、
これはその場、その状況に置かれた人間が味わう特別なもの。
果たしてそこまでシミュレーションが再現できるであろうか?
AIが進化して人間の判断までも再現できる日がいつか来るかもしれないのは否めない。
だが仕事への感覚、状況判断は経験をAIが上回ることが出来るであろうか。
私の仕事もカンコツが非常に重要である。
微妙ないつもと違う…そんな変化を感じ取ることが重要な仕事だ。
だから何も知らない所からポンと配属された上司などはホントに使えない。
現場を知らない者に仕事が分かるのか?と。
ま、それが会社である。
機長はこの事故で、自身と葛藤しながら、経験と言う誇りを忘れずに聴聞会議に挑むのである。
実に誇らしい態度で。
観ていて何となく勇気がもらえた気がする。
そんな映画でした。
社会、会社の理不尽にもまれてお疲れ気味な方へオヌヌメでし。