見出し画像

事実婚って?メリット・デメリットや必要な手続きについて調べてみた

こんにちは。東京在住のアラサーOLです。
最近「事実婚」という言葉をよく聞くようになり、将来の選択肢を増やすためにもいろいろ調べてみました。
(私自身、残念ながらまだ結婚の予定はないです!私も早く結婚したい……切実……)


事実婚って?法律婚や同棲と何が違うの?

法律婚の場合、カップル同士で「結婚しましょう」となると、役所に婚姻届を提出すると思います。一方で事実婚の場合は、婚姻届などの手続きを踏まず、両者に結婚の意志があり、共同生活を営んでいれば事実婚と認められるのです。

「え……それだけ……?それって同棲とどう違うの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。同棲はカップルがただ一緒に暮らしているだけですが、事実婚はお互いに結婚の意志があることが前提のため、法律婚と同等に受けられる制度もいくつかあります。


事実婚を選ぶ理由は?

法律婚を選択する方が多い中で、なぜわざわざ事実婚を選択するのでしょうか。私が個人的に考える理由は以下5つです。

①名字(姓)を変えると仕事上不都合がある
どちらかがフリーランスの場合はこの理由が多いのではないでしょうか。フリーランスで名字が変わると、取引先との契約書もすべて結びなおさなければいけない可能性があり、かなり面倒です。

また、本名で仕事を獲得していた方や、それなりに知名度もある方であれば、名字が変わると今後の仕事にも影響が出てきますよね。

②名字(姓)が変わった後の手続きが面倒
名字が変わったときに必要な手続きは、一部だけでもざっと以下の項目があげられます。想像以上に時間も労力もかかるんですよね。
・銀行口座
・クレジットカード
・パスポート
・免許証
・年金
・健康保険
・保険の契約書や受取人
・携帯電話
・利用サービス、サイト

事実婚をすれば名字が変わらないので、このような手続きをする手間が省けます。仮に離婚をした場合でも、再度手続きをする必要もないですよね。

③女性が下の立場になる気がする
法律婚をすると一般的に妻は夫の戸籍に入り、男性側の名字になるので、自分自身のアイデンティティがなくなってしまうような気がする方もいます。

何のしがらみもなく、それぞれが自立して自由にやっていきたい方にとっては事実婚がぴったりなのかもしれません。

④前夫との子供がいる
仮に子供がいる場合、再婚して名字が変わってしまうと、子供が困惑してしまう可能性がありますよね。そういったときに事実婚を選択する方も多いようです。

⑤親族付き合いが面倒
法律婚すると夫の家族や親戚も含めたお付き合いになります。嫁姑問題なんかはよく聞くお話ですが、必ずしも夫の親族と上手くやっていけるとは限りません。

事実婚を選択することで、親族付き合いの煩わしさから解放されることを望む方も一定数いらっしゃいます。


事実婚のメリットは?

では、実際に事実婚を選択したときに考えられるメリットを見てみましょう。

①実家の戸籍を変えなくていい
戸籍には自分の氏名、生年月日だけでなく、父・母の氏名や続柄、出生日、出生地など記載されています。自分の戸籍に思い入れがある方は、事実婚を選択すれば戸籍が新たに作られることがなく、実家の戸籍のままでいられます。

②夫婦別姓が叶う
法律婚をすると、妻が夫の名字に変える方が多いかと思いますが、事実婚ではお互いに元の名字を名乗ることができます。

③氏名変更する手続きが必要ない
名字が変わると、銀行口座やクレジットカード、パスポートなど氏名変更が必要な手続きがいくつもあります。事実婚はお互いの名字が変わらないので、氏名変更の手続きが一切必要ありません。

④夫の両親と姻族関係にならない
事実婚をすれば、夫の両親と姻族関係にはならないため、お互いに扶養する義務はありませんし、互いに助け合う義務もありません。

⑤離婚時に届けが不要
法律婚では離婚した場合、離婚届を出す必要があり、戸籍にも離婚歴が残ります。一方で事実婚では、離婚した場合の届けは不要で、戸籍にも変化がないです。


事実婚のデメリットは?

事実婚には良い面がたくさんある一方で、悪い面もあるので見てみましょう。

①子供は母の戸籍に入る
事実婚夫婦に子供が生まれると、基本的には子供は母親の戸籍に入り、親権は母親にあります。子供が父親の姓を名乗るには、家庭裁判所で手続きをする必要があるので少し面倒ではありますよね。

②配偶者控除が受けられない
法律婚では、妻の収入が100万円以下の場合、夫の扶養に入れば「住民税」、「所得税」、「社会保険」の支払いが控除されます。一方で事実婚では配偶者控除が受けられないため、税金面で少し損をするかもしれません。ただ、双方が経済的に自立している場合は配偶者控除の適用外なので、関係ない話ではあります。

③医療面で権利がない場合がある
事実婚の場合、夫の延命治療などの判断が必要なときに、妻に決定権がない場合があります。また夫が病気のときに、事前に医療措置同意のサインがないと面会できない可能性もあるんです。

④相続権がない
法律婚では夫が亡くなった場合、自動的に2分の1の財産を相続できますが、事実婚では遺言がないと相続の権利がありません。

⑤生命保険の受取人になれない
保険会社によるのですが、基本的には事実婚の場合は生命保険の受取人になれない可能性が高いです。④に記載の通り、遺言があれば財産を受け取れますが、2割増しで相続税が引かれます。

あと余談なのですが、事実婚だと夫が何か被害を受けてなくなってしまった場合、妻が加害者に対して損害賠償を請求することができないようです……。損害賠償請求するには、夫の家族にしてもらわなければいけないんだとか。


事実婚の手続き方法教えて!

ずばり!法律上事実婚にマストな手続きはありません。が!できるだけ法律婚と変わらない制度を受けられるようにするために、やっておいた方が良い手続きがいくつかあるのでご紹介します。

①「住民票」の手続きをする
住民票は、家族構成や居住関係を証明するため、事実婚を証明できる貴重な公的書類となります。役所に「世帯変更届」または「住民異動届」を提出し、どちらかを世帯主としましょう。

住民票の続柄の記載は、「夫(世帯主)」と「妻(未届)」もしくは「妻(世帯主)」「夫(未届)」となります。

②「パートナーシップ制度」を利用する
パートナーシップ制度とは、自治体が同棲カップルを証明するためにできました。自治体によっては同棲カップルだけの場合もあれば、異性カップルの事実婚証明として使えるところもあるので、お近くの自治体を調べてみてください。

③「公正証書」を作る
公正証書は証明書の中で最も効力が強いです。自分たちで作成するのではなく、行政書士さんに頼んで作ってもらうことをおすすめします。

例えば法律上で事実婚であるかどうか争いが起こった場合、事実状態をもとい判断するため公正証書があると便利です。公正証書には、事実婚していることを必ず明記しましょう。

④「認知届」を出す
事実婚夫婦に子供が生まれると親権は母親になり、自動的に母親の籍に入ります。法律上父親を名乗るには、認知届を出さないといけません。

認知することで、子供に対して扶養義務を負い、子供に法定相続させることもできます。

⑤「遺言」を作っておく
遺言により、妻や夫に財産を相続させることができます。ただし、特別控除の適用はないため、2割増しで相続税が引かれます。


意外と知られていない!事実婚でも負う必要がある義務

事実婚であっても、法律婚と同じような義務が発生します。知っておかないと裁判沙汰になる可能性があるので、目を通しておきましょう。

①扶養義務
事実婚であっても夫婦である以上、生活費などの扶養義務は発生します。困ったときに助け合わなければいけません。

②貞操義務
夫婦である以上、他の異性と性交渉を持ってはいけません。破った場合は不貞の慰謝料請求が認められます。

③財産の共有推定
夫婦で取得した財産は、共有が推定されます。また、離婚の際には財産分与が認められます。

④養育費支払い義務
夫が認知している場合は、養育費の支払い義務が発生します。


事実婚か法律婚か。パートナーとよく話し合って決めましょう

事実婚と法律婚、どちらかが良い悪いという話ではありません。どちらであっても良い面・悪い面があります。大事なことは、事実婚のメリットデメリットをよく知ったうえで、パートナーと話し合い、自分たちにとって最善なのはどちらかを決めることです。

個人的に今回事実婚について調べてみて「事実婚って意外と良い面あるかも……!」と思った一方で、法律婚と同等の権利を得るにはまだまだ手続きが面倒な部分もあると感じました。

事実婚の制度がより整い、より一般的になることで、法律婚と同じように誰でも気軽に事実婚を選択できるような世の中になると良いですよね。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?