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ジョージアンダンスのゆうべ、ジョージアのホスピタリティに満たされる
ここから続いてます
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よくわかんないけど、ジョージアと言ったら民族舞踊と民族音楽なんじゃないの・・・
という薄っぺらい先入観から、希望を聞かれて
「ジョージアンダンスは見たいのよね」
そのリクエストに応えて知人がアレンジしてくれた「ゆうべ」
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ベトナムから妻に会いに来た友達の夫と、1週間遅れて合流した私の夫と、「ジョージア行くんだあ」といったら、
「私も行く」と
私の出発1週間前に飛行機をとって(しかも、先に)ジョージアについた行動力ある友達のMちゃんと友達と私、総勢5人で、
「ジョージアンダンスのゆうべ」に出かけた。
私の予想では、こじゃれたレストランでジョージア料理を食べながら、レストランと契約しているダンサーがステージで踊る・・・
ま、ポリネシアンダンスツアーとか、フラメンコダンスの夕べ・・・みたいなものを考えていた。
ところが、ところが、タクシーの運転手さえもよくわからないような住宅地の中に入っていき、相手と電話してもらいながら辿り着いたのは、入り口さえよくわからないような、ジョージア民家。
入ってみると、スタジオのようなところに簡易テーブルがおかれて、テーブルクロスが敷いてある簡易席。
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内心
「ん、これは?ハズレか??」
テーブルの上の料理も、完全な家庭料理。
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ま、ホームパーティに呼ばれたと思えば趣はあるが、予想とは、ずいぶん違う。
民族服チョハを来たホストが笑顔で迎えてくれる。
このチョハは、胸が銃弾入れ(今は、飾り銃弾)
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ナウシカの衣装のアイディアになったと言われている
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部屋の中をぐるりと案内してくれる
戦い用の鎧なんかも壁に飾ってある
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聞けば、ここは、ジョージアンダンスの学校。
100人以上の生徒がいる。
ご夫婦で経営して育成しているとのこと。
その傍、文化を外国人に伝えるために5人以上の申し込みがあると「ジョージアンダンスのゆうべ」を開いている。
私たちは5人。
催行最低人数。
ラッキー
さて、ダンスが始まった。
ジョージアンダンスは、民族舞踊で、民族によって衣装も違う。
中世の衣装を着て踊る。
多様性のある文化を反映している。
女性は優雅さや優しさを表し、男性は勇気や名誉を表現する。
共通しているのは、すり足で、動いている時も頭の位置が変わらない。
男性は、膝をついた状態から飛び上がるとか、トウのついていない靴(ブロックシューズ)で、つま先で踊るとか、ジャンプやターン、高速スピードのダンスなど、テクニックがいる。
女性も、指先まで優雅に滑るように踊るなど、こちらも高度なスキルが必要。
ということで、日本の盆踊りとは違って、子供の頃からトレーニングをしている。
日本舞踊に近いか。
プロにならなくても、結婚式や祭りや、色々な機会で踊ることが多いので、日本の書道や公文のように小さい頃から習い事の一つとしてジョージアンダンスを学んでいる。
まずは、結婚のダンス(カルトゥリ)
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このダンスは、男性は、ずっと女性に見惚れていて、女性はずっと節目がちに踊る。
そして、男性は上半身を動かしてはいけないなどのルールがあるそうだ。
ジョージアンダンスの中でも規則が多くて難しいらしい。
ジョージアンダンスは男女の体が触れてはいけないそうで、一定の距離を保っているのも特徴。
そんなルールも知らずに、ただのダンスと思って堪能した。
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ダンサーは10代が主で一番年上が24歳と言っていたが、民族衣装を着ると年齢がわからない。
このスクールの上手な生徒たちなんだと思う。
ダンスの合間に、ホストが、少し話をする。
ダンサーが衣装を着替える時間を作っているのだろう。
そして、グラスを持ち上げて
「かんぱ〜い」
参加者全員、唱和して
「かんぱ〜い」
今回の参加者で飲めるのは、知人と私の夫たち2人だけ。
ホストとしては自家製ワインをどんどん注ぎたいところだが、2人ともそんなに強くない。
なにかにつけて話題を振っては
「かんぱ〜い」
他の女性3人は、ずっと、オレンジジュース。
(っていうか、他の飲み物がオレンジジュースしかなかったので、途中で水くださいとお願いしたくらい)
ワインだけはふんだんにある。
ホストとホステスが、歌を歌ってくれたりもする。
ジョージアはポリフォニーと呼ばれる多声音楽でも有名である。
一つの声がメロディで後が伴奏という私たちが慣れているのはホモフォニー
ポリフォニーは全ての声がメロディで、平等に重要で、しかも一つの曲になっている。
この演奏がそうだったかどうかはわからないけど
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とはいえ、なんか、これだけじゃねえ・・・
ホームパーティで子供達のダンス(とっても上手なんだけど)見せてもらっただけって感じ・・・
料理も、ジョージア料理としては、トマトのきゅうりのサラダとか、チーズのパンのハチャプリとか、輪切りにしたチュルチュヘリとかだけだし・・・
と思っていたら、
ステージに料理の材料を持ったおばさんが登場。
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代表的ジョージア料理ヒンカリ(巨大小籠包)の実演制作がはじまった。
これは嬉しい。
みんなで周りを囲む。
ヒンカリの作り方は本当に餃子そっくり。
材料は玉ねぎみじん切り、ひき肉、パクチーのみじん切り、大量の塩。
それをコネコネした後に
ポイント1 水を入れてこねこねする
それにより、小籠包のように美味しいスープが包みの中にできる
さらに耳たぶぐらいの硬さにこねた小麦粉。
これを麺棒で伸ばし、コップで、丸く切り取り、さらに薄く伸ばす。
この辺りから、参加者全員にやらせてくれる。
麺棒を使って伸ばし、具を入れて、巾着にまとめる
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なんか、ヒンカリ工場のように流れ作業で、どんどん作りました。
もう、ヒンカリに関しては、日本でレストランが開けるぜ。
ポイント2 ひだをつけるときには、中の空気をなるべくためたままにする
ポイント3 最後は、ぎゅっと押してくっつけないと茹でたときに中のジュースがでてしまう。
ってことで、こりゃ、なんか、楽しくなってきたぞ。
そして、調理台は片付けられ、ヒンカリは、おばさんが茹でるために持って退場。
そして、今度は庭においでと誘われると・・・
なんとそこでは、ジョージアー風バーベキュー
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でも、右側の垣根は、葡萄の歯
これは、ムツヴァディと呼ばれる豚肉を塩だけでバーベキューしたもの
こんなジョージアおもてなしフルコースが体験できるとは・・・
計画してくれた友達に思わず
「でかしたねえ」
と。
最初、内心、心の中でハズレか?と思ってごめん。
庭で、ひとくつろぎ
これも、なんだか、夕方の(って言っても8時ごろだけど)涼しさが心地いい。
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そして、また、中に入って、次のダンス。
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多分カズべグリという山のダンス。高速スピンやジャンプ、足技が特徴。
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この後は剣舞。
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剣舞パリカオバ(へヴスレティ地方の踊り)
ジョージアンダンスには、日本舞踊のようにそれぞれストーリーがあり、結末のよくわからないものもあるらしい。
今回は、全てを踊ってくれたというより、抜粋で、観光者向けにメドレー音楽みたいにしたものを見せてくれたのだと思う。
さっきのバーベキューはパンで挟んでこんなふうにサーブされる
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さらに、ホストとホステス(奥様)が、男の踊りと女の踊りを教えてくれた。
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道に迷って少し遅れた私たち。
少年少女は9時には帰らないといけないみたいで、私服に着替えて、
「さようなら」
私服に着替えると、まだ、10代のあどけなさが残る。
ダンスの時は、大人に見えたなあ。
というわけで、ジョージアとジョージアのホスピタリティを満喫した一夜でした。
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ジョージアネタもう少し続きます
次回はいよいよ最終回
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