地歌舞伎「常盤座」の小屋
中津川街道を走っていたら、芝居小屋「常盤座」ののぼりが。
のぼりに誘われて山に入っていたったら、常磐神社の下に「常盤座」がありました。
ふと見ると、牛小屋があるような緑豊かな場所。
到着はしましたが、平日。もちろん閉まってました。
でも、表の案内に、来られた方はご連絡くださいの文字が。
電話の先は、地域の公民館。
電話をしたら、なんと、
「10分待っていてくれたら、行きます」
と、職員の方が、わざわざ、私のために、来てくださった。
中津川には3つ芝居小屋が残っているとのこと。
娯楽の少ない地方で、その芝居小屋がどれだけ地元の人たちを元気付けたことか。
かつては集落ごとに芝居小屋があったとか。
そのほとんどが無くなった。
この「常盤座」も、住民投票をして存続を決めたのだそうだ。
1000人の集落で、芝居小屋を維持していくという決定をするのは、覚悟と勇気がいることだったと思う。
でも、この集落は存続を決めた。
今でも、地域の住民で、年に一回、農村歌舞伎を上演している。
保存会も高齢化して70歳が主流となった中で、
今また40代、そして、高校生が後継の意思をしめしてくれているのだそうだ。
平成に入ってから手を入れたそうだが、
明治時代からの歴史があちこちで脈打っている。
舞台下の奈落に続く道具部屋。
直しながら、ずっと使い続けているのだそうだ。
そして、近代的に作り直された回舞台の装置。
奈落を見ると明治時代の石垣が残っている。
たった一人のために行ってくださったこの贅沢なツアー。
「仕事中に急に呼び出してきていただいてすみません」
と恐縮すると公民館勤めの案内人が、満面の笑顔で
「いえいえ、これも仕事ですから」
「常盤座」にも仕事にも誇りを持っている様子が伺われて、ほっこりした気持ちで中津川街道に戻り、旅程を続けました。
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