だから私は生きることをやめた
※タイトル通り、大変暗い作品です。苦手な方は閲覧を御遠慮ください。
2歳上の姉が亡くなった。私とは違い努力家で、自分のことよりも他人を優先してしまうような、とても優しい人だった。私は姉より優しい人を知らない。
”冷たい人間だね。”
今朝、母から言われた言葉。この人は本当に私を傷付けるのが得意だ。今まで私を育ててきた貴女が言うのならそうなのだろう。
”いつも暗い顔をして、私の顔を見ない。そんなに私が嫌いなら別々にする?”
いつも暗く自分は不幸ですって顔をして、いつもため息を吐いているのは貴女の方だ。顔を見ないのは防衛本能だ。傷付ける人間の顔なんて見たくもない。そりゃ私だって別々に暮らしたいものだ。でも、家を出ていくなんて言った日には貴女、反対するでしょう?
”子どもが先に亡くなって悲しいのが分からない?家に一人でいると姉のことを思い出して辛くなる。”
私だって悲しい。悲しみの気持ちはどちらが大きいかなんて、そんなの図る術ないくせに、私の方が悲しいですアピールにうんざりだ。
貴女の悲しみに寄り添うことの出来ない、冷たい人間でごめんなさい。
貴女より先に逝く、親不孝な子どもでごめんなさい。
今日まで育ててくれて、ありがとう。
あぁ、でも一つだけ言わせてください。
私がこうなったのは全部、全部、あんたのせいだ。
私にだって夢があった。
今じゃただのガラクタだ。
優しい姉さんみたいに、私もなりたかったの。
やりたいことがあって、その為ならひたむきに努力出来て、人の為に生きたその人生を。
私も送ってみたかったの。
でも私には無理だ。
だから私は。
だから私は、生きることをやめた。