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先天性心疾患を大まかに理解する④

さて、前回、血液が混じり合うとチアノーゼが出る、とか、肺に行く血流量がどうの、、、という話をしました。

先天性心疾患が苦手な方は、このあたりから「?????」となってくるのですが、、、

本日はもう一つだけ小難しい話をしておきます。

圧負荷と容量負荷

構造上、血液が混じり合ったり、血流量が変化したり、途中で通りにくくなってていたら、あるいは逆流するところがあったり、ということが先天性心疾患の子どもたちの心臓では起こります。逆に言うと、心臓の構造上、異常が無いお子さんたちは、血が混ざることもないし、血流量は一定だし、血液は滞ることも逆流することもなく、スムーズに流れる、ということです。

血が混ざり合う
血流量が変化する
流れが滞る(流れにくい場所がある)
逆流する場所がある

などがあると、通常よりも大きなの圧力が必要になったり、通常よりもたくさんの血液を処理する必要が出たりします。

この

圧力の変化を圧負荷
容量の変化を容量負荷


と呼びます。

先天性心疾患を捉えるもうひとつのポイント

前々回、先天性心疾患を大きく捉えるときに構造を

① 静脈(大静脈、肺静脈)
② 心房(右、左)
③ 心室(右、左)
④ 動脈(肺動脈、大動脈)

に注目して分類しておくことをお話ししました。先天性心疾患を捉えるもうひとつのポイントが、

圧負荷
容量負荷

がどこに生じているか?また、それは何故か?

に注目して捉えておくと便利です。

構造と負荷に注目してみながら、各疾患を眺めてみてみると、昨日ご紹介した下表が、大変秀逸であることが、じわじわとわかってきます。そうすると先天性心疾患攻略の糸口がつかめてきます。

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明日は、具体的疾患で、構造を捕まえたり、圧・容量負荷がどのようにかかっているか?などを少し見ていきましょう。



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Kaz(@ka_z000n)
小児科、小児集中治療室を中心に研修後、現在、救命救急センターに勤務しています。 全てのこども達が安心して暮らせる社会を作るべく、専門性と専門性の交差点で双方の価値を最大化していきます。 小児科専門医/救急科専門医/経営学修士(MBA)/日本DMAT隊員/災害時小児周産期リエゾン