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代理によるミュンヒハウゼン症候群

日本代表すごかったですね。
初めてスポーツ観戦をしていて声を上げるという体験をしました。
ルールがもう少しわかるともっと楽しいんだろうな、と思うので、にわか観戦者としてだけでなく、少しラグビーちゃんと勉強してみようかと思い始めています。プロ化もするんですか?

詳しい方、ぜひ教えて下さい。

さて、そんなことを考えていたら、すっかりNOTEの更新を忘れておりまして、、大変恐縮です。(だれも毎日楽しみにはしていないか、、、休日だし。。。)

ということで、日本代表に負けずに前に進んでみます。

しばらく虐待の話もしていなかったので、各論的に。

虐待の類型

虐待の類型は、以前からお話ししているように大きく4つです。

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このどれにも当てはまらない、というか特殊形として、代理によるミュンヒハウゼン症候群 というものがあります。虐待は疑うことから、ということをお伝えしていますが、これこそ知らないと全く想像も付かない、というか鑑別にも上がらない、、ということになりますので要注意です。

ほら吹き男爵と虐待

精神科の領域で、ミュンヒハウゼン症候群というものがあります。自分に目を向けさせるために虚偽の症状や病状を訴え、治療を求めて病院を渡り歩くため、自分の体験談にフィクションを交えて楽しく語りほら吹き男爵の異名をとったミュンヒハウゼン男爵にちなんで名付けられています。

詐病というより、病気によって同情を引くといった精神的利益を目的としているため手術や検査といったリスクをいとわず、むしろ積極的に協力する点が大きな違いといえます。

これを自らに行わず、子どもに病気を作り出し、かいがいしく面倒を見ることで自分の心の安定を図る、虐待の特殊型が代理によるミュンヒハウゼン症候群(MSBP: Munchausen syndrome by proxy)です。

MSBP による症状

虚偽による症状と、ねつ造による症状の2つに分かれます。

虚偽による症状
実際には子どもに手を出さず、実際には存在しない症状を訴えてくる

ねつ造による症状
① 検査所見のねつ造
こどもの尿に自分の血液を混ぜるなどして人為的に検査所見をねつ造します

② 症状のねつ造
薬物を飲ませるなど、実際に子どもに手を下して症状を作り出します。敗血症を繰り返す子どもで、雑巾の絞り汁を定期的に内服させられ、毎回ショックになってくるなどの例も見られます。

これらの背景により、MSBP の児の症状は極めて多岐にわたります。

様々な病気の作成方法

小児科学会による「子ども虐待診療の手引き 第2版」によると、様々な病気の作成方法が提示されています。

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MSBP 診療上の注意

これらのことから、医学的に説明が付かない症状が持続的反復的に起こる場合などには、MSBP を鑑別に挙げることが最も大切です。

一旦 MSBP を疑ったら、入院中であれば必ずビデオカメラや防犯カメラなどでモニタリングできる環境下におくことが必要で、養育者と子どもだけにしないことがポイントです。

また、小児科診療上は薬物中毒に出会うことは殆どありませんが、説明が付かない症状がある場合は、尿中薬物スクリーニング(Triage DOAなど)を行うことを忘れないようにすべきです。


【参考文献】
小児科学会 「子ども虐待診療の手引き 第2版」
http://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=25




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Kaz(@ka_z000n)
小児科、小児集中治療室を中心に研修後、現在、救命救急センターに勤務しています。 全てのこども達が安心して暮らせる社会を作るべく、専門性と専門性の交差点で双方の価値を最大化していきます。 小児科専門医/救急科専門医/経営学修士(MBA)/日本DMAT隊員/災害時小児周産期リエゾン