こどもの皮膚所見あれこれ
こどもの皮膚所見というと、最近流行の麻疹・風疹などウイルス性の発疹症も重要ですが、今回は緊急度の高い皮膚所見をご紹介します。網羅的、系統的なお話しではないですが、へーっと思って頂ければ幸いです。
黄疸
皮膚が黄色くなることですが、新生児期の黄疸というと、生後すぐだと「生理的黄疸」「新生児黄疸」などありふれた所見です。もうすこし小児科を勉強すると、便は白くないか?と気になり、胆道閉鎖症、、、なんていう病名が浮かび上がる方もいらっしゃることでしょう。緊急性が高い疾患という視点で考え直してみると、「敗血症」による黄疸増強は見逃せません。
チアノーゼ
低酸素血症によって出現するチアノーゼはもちろん見逃せませんが、ショックの徴候としての網状チアノーゼは、先日ご紹介しましたね。
紫斑
髄膜炎菌感染症による紫斑は頻度は高くないですが、有名ですね。私自身は幸いにして出会ったことはありませんが、副腎不全を合併することも有り著明な低血圧を来します。知ってるかどうかだけな部分もありますので、写真を見ておくと良いかもしれません。
写真は下記web siteから引用させていただいています。
やけど
常に虐待を鑑別に挙げます。
虐待によるやけどの特徴は以下の通りです。
形に注目します。やけどの形によって、原因(凶器)が想像できることがあります。(図はネルソン小児科学より)
打撲痕
やはり虐待を常に鑑別に上げます。こちらも形に注目です。
(図はネルソン小児科学より)
虐待によるやけど、打撲痕は割れ目と穴に注目して下さい。他人から見えにくい「皮膚のしわ」や「おしりの割れ目」、「肛門」などが要注意です。
小児科、小児集中治療室を中心に研修後、現在、救命救急センターに勤務しています。 全てのこども達が安心して暮らせる社会を作るべく、専門性と専門性の交差点で双方の価値を最大化していきます。 小児科専門医/救急科専門医/経営学修士(MBA)/日本DMAT隊員/災害時小児周産期リエゾン