【エンジニアインタビュー⑫】フランス料理の料理人から独学でITの世界へ。フリーランス歴26年のエンジニアが目指すのは「現状維持！」
◇エンジニア歴
調理師の専門学校を卒業後、フランス料理店で調理師として働くも、将来への不安からエンジニアへと転向。独学で技術を習得したのちにシステム開発会社に就職しITエンジニアとなる。
◇フリーランス歴
エンジニア歴5年目に独立し、フリーランス歴は26年
”フランス料理の調理師からエンジニアへ～将来への不安から転身を決意。Windoｗsの登場で世の中が騒がれていたことがエンジニアを志すきっかけに”
もともとは調理師をされていたとの事ですが、エンジニアへ転身するきっかけのようなものはあったのですか？
調理師の専門学校を卒業して3年ほどフレンチの料理人として働いていました。3年ほど勤めたのですが、職場の先輩方の姿であったり話を聞いていると、料理人として成功するのはなかなか難しい世界だなと感じるようになったのです。腕が良いからと言って必ずしも成功しない。そんなことから徐々に転職を考えるようになりました。
ITエンジニアを志した決め手はあったのでしょうか？
ちょうどWindows95が世に出て、ITがものすごく盛り上がっていたんです。ITはこれからの世の中の中心になっていくんだろうなと感じて、その世界を目指すことにしました。
全くの未経験から独学で学んだと伺いました。プログラミングの習得は独学で出来るものですか？
経済的な理由もあり、そうせざるを得なかったというか…。専門学校の学費を親に出してもらったのに勝手に料理人をやめてしまったこともあり、もう親は頼れない。独学で学ぶしか選択肢はなかったですね。出来るものなのかと言えば、やる気次第だと思います。
料理人の世界と比べて違いましたか？
ITを学び始めた頃の環境としては、料理人の世界に近いと感じました。今は違うかもしれませんが、当時料理人の世界は基本「見て覚えろ」で、教えてくれる人がいない。ITも独学でしたから同じようなものでしたね。
働き始めてからの感想としては肉体的には料理人より楽だなと思いました。週休2日と聞いて「いいんですか！？」と聞いたくらいです（笑）
”もっと稼ぐにはどうしたら良いかと考え、正社員から派遣社員、そしてフリーランスへ”
エンジニアとしてどういった形でキャリアをスタートされたのでしょうか。
正社員で採用され、いわゆる派遣で取引先に常駐して仕事をしていました。最初はオペレーターから始まり、その後プログラマーになりました。その会社では3年くらい働きました。
フリーランスになったのはその後ですか？
正式にフリーランスになったのはエンジニア歴5 年目くらいですね。26歳でした。もっと稼ぐにはどうしたら良いかを考えて、最初は正社員から派遣社員に切り替え、そのあとフリーランスになったという流れです。
PE-BANKを利用いただいてからは何年くらいですか？
最初の会社の契約が終わってから、知り合いの伝手で名古屋へ行き数年働きました。その後東京に戻ったタイミングでPE-BANKのことを知り、相談に行ってプロエンジニアになりました。PE-BANKを利用するようになり、かれこれ23年くらいになりますね。
PE-BANKを知っていただいたきっかけはどういったことから？
知り合いの口コミだったと思います。当時はITフリーランスというと
PE-BANK（当時は首都圏コンピュータ技術者協同組合）しかありませんでした。
今はどのような業務に就かれているのですか？
基本はインフラ系なのですが、そういいながらも幅広くやっています。仮想基盤、AWS。多少DBも。顧客の要望に応じてですが、やりながら覚えるという形で領域を広げています。
得意分野というのはありますか？
昔は得意分野ということに拘っていたところがありましたが、今は何か一つということにとらわれずやっています。10年でニーズやトレンドはがらりと変わるので、あまり固執しているのも良くないかなと思っています。
”いつまでも必要とされ続ける「現状維持」が目標”
フリーランスになって「ここが変わった」という点はありますか？ 価値観やお金のこと、趣味など。
派遣の時も、言葉は悪いですが会社はほったらかしでフリーランスみたいなもので、そんなに心境の変化はなかったのですが、いま明らかに違うのは、PE-BANKのイベントでの交流や横のつながりだったり、そこからの趣味の充実だったりですかね。フットサルを昔からやっているのですが、プロエンジニア同士でも集まってやったりしました。
お金の面では独身の時は自由にお金を使っていましたね。収入は派遣社員時代の一番低いころと比べると４～5倍くらいになりましたね。結婚して子供もいるので、いまはそんなに自由に使えませんが（笑）
スキルアップなどで意識していることはありますか？
セミナーなどに参加してグッと来るものがあると、その勉強に力を入れたりすることはあります。“グッと来る”の意味はワクワク出来るかどうかで、あまり仕事につながるかとかは考えていません。
今後、独立を目指す方に、これはやっておいた方がいいというようなことはありますか？
フリーランスに限りませんが、人間関係作りは大事かなと思います。それが現場でも助けになったりします。技術的なことで言うと、ひとつの言語をしっかり習得していれば応用が利くので、あれもこれもと手を出さなくても良いのではないかと思います。
人間関係作りで意識していることはありますか？
いたって普通です。特に強く意識して行動はしていません。たまに飲みに行ったり、スポーツなど趣味でつながりを深めるような。自然体で普段のコミュニケーションを大切にしているくらいですね。
今後の目標や展望をお聞かせください。
大きく構えたものはなくて、言うなれば現状を維持したいと思っています。働き方にも不満はないのでまずは収入面ですね。そのためにいつまでも必要とされ続けることが目標です。